宝石人間アラワル!「宝石の国」/市川春子/講談社/アフタヌーンKC/2013年/漫画/感想

 散々”アフタヌーン”にはワケの分らない世界を見せられて来たけど、この”市川春子”さんの「宝石の国」も類に洩れずワケが分らない。


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 その昔繁栄していた生物が海に飲まれて命を落とし、海底に棲む微生物に喰われて無機物となった。それから長い年月を掛けてそれらは結晶と化し、海から地上へと上がって住まうようになったのが宝石人間達だそうだ。彼等は、月からやって来て宝石である自分達を月へ持ち帰ろうとする存在と戦っている。ちなみに襲撃者達はバッサリ切ると、まるでレンコンのような切り口だったりする....

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 ね、ワケが分らないでしょ♡


 幻想的な世界観には細かい設定など無用で、謎が謎を呼び最後まで謎のままの方が面白い事も多く、ワケが分らないのは決して悪い事では無いと僕は思います。そういう意味での宝石の国は素晴らしい構成ですね。「なんとなく」世界感を感じ取れる雰囲気作りが絶妙です。


 宝石人間達はそれぞれ実際の宝石の特性を人格にも反映させていて、優秀で人望の厚い”ダイアモンド”、仲間が眠りにつく夜にしか出歩かない孤独な宝石”シンシァ”、何をしても使えない落第生な主人公”フォス”などが、自分達のコンプレックスと外敵との両方を相手に戦いつつ見せる表情がとても良いです。全員で28人いる宝石人間達を擬人化させる事は、「ヘタリア」のように国ごとの色を出す擬人化より遥かに難しいように思います。腐女子の妄想力には実に驚かされますね (= ワ =*)

 『市川春子『宝石の国』 元ネタ宝石一覧』



 春子さんの描く登場人物は、男の子のようでもあり、女の子のようでもある中性ラインでデザインされ、身体の線の細さや顔のシャープさから「ファイブスター物語」の”ファティマ”や「少女革命ウテナ」の”長谷川 眞也”さんの仕事とダブって見えて魅力的。美しくも脆い彼等宝石の物語がどう落ち着いてゆくのか実に楽しみだ。


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 一見すると、およそアフタヌーンには似つかわしくないような絵柄な気もしますが、似たような漫画ばかりのジャンプなら絶対編集のOKが出ないところを、アフタヌーンはしっかり認めてGoを出せる点、懐の広さを感じますね。



 とにかく、ワケの分らない世界に、しっかりベタな魅力も放り込んで来る市川春子さん上手いっす(ゝω・)b



 宝石の国公式サイト http://ptpt.x0.to/pp/

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