喰らわれし少女の憂鬱。「ゲド戦記 こわれた腕環/アーシュラ・K・ル=グウィン/1976年/岩波書店/小説/感想/レビュー」

 ゲド戦記の二巻目、”こわれた腕環”読了。今回の主役はゲドではなく、暗黒の地下迷宮を護る巫女。運悪く、先代の巫女の死んだ日の夜に産まれたせいで巫女に選ばれてしまった少女が主役です。
 彼女を家族から半ば強引に引き離し、巫女にするため連れて来た者達は、洗脳するかのように少女に教えます。貴女は「永遠に生まれ変わる巫女」なのだと。まるで新興宗教のやりくちみたいで気持ち悪い話….

 
 もう既に己の弱さにも打ち勝ち、その名を知らぬ者はいないほどの魔法使いになってしまったゲドは、少女のエスコート役に徹し飽くまでも巫女に選ばれてしまった少女の苦しみと解放に焦点は当てられていました。でもそれがとても良かったwゲドと少女の奇妙な関係性が、偉そうな奴隷とツンデレ女王なイメージを重ねてしまって、とても可笑しかったww
 1巻の続きでそのままゲドの物語にしたとしても、これほどの面白さを感じたとは思えない。新しい主役が出て来て、読者がゲドのその後を気にしているところに彼が登場すると言うタイミングが素晴らしかった。そういう意味では今回の終わり方も、とても良いですね。ゲド同様に、巫女の少女のその後が実に気になりますw


 それにしても毎回ほど良く重いストーリーは秀逸ですね。最後にはその重さから解放される展開なので、読後感もとても気持ち良いですし、とても構成の良さを感じます。
 さて、2巻目では、1巻でのあのエピソードとも繋がりましたし、ゲドが戦ったあの存在の正体も少し見えた感じでした。3巻ではいったいどんな旅が待っているんだろう…..

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