2015年11月06日

あの漫画家は今....?「九月姫」

レトロフリークでFCの「モンスターメーカー」を遊んでいたら、思わずモンスターメーカーのキャラデザを手掛けた”九月姫”さんによるコミカライズ作品『モンスターメーカー・サガ』を引っ張り出してしまいました。

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大きい黒目と、顎の伝統的なライン。そして控えめでありながら笑うと大きく開く可愛らしい口。

日本ならではのディフォルメキャラを描く九月姫さんの絵に当時は夢中でした。似ても似つかないような模写を繰り返しては、自分の才能や根気の無さに絶望してました。コミカルでありながらも何処かエロチックでもあったし、北欧神話をベースにしているモンスターメーカーの世界と九月姫さんの絵が程良く混ざり合う様は本当に良い景色。

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男勝りな姫ディアーネ。兄を魔女に攫われ国を旅立つ決意をする。

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人一倍隠れた才能を持ちながらも、その覚醒が遅れていることに苦しむ魔術師ルフィーア。

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巨人の見果てぬ夢の行方に心奪われたエルフ”サーラ”




モンスターメーカー・サガは主人公であるディアーネが旅の最中に出会う者達にもいちいちドラマがあるから、ひとりひとり思い入れが湧いてしまうのです。下手に突飛な要素を入れないシンプルな内容なので今読んでも実に面白い。今時のファンタジーなら野暮ったく服装や持ち物のデザインに至るまで現代的なアレンジを入れることが常でありますし、セリフの扱いも少々気になります。誰かとの会話シーンでも自己完結型の喋りや陶酔したセリフを吐き出すし、自虐的にキャラが突っ走るシーンも多々目にします。ご時世とはいえ、あまりにそればかりでは食傷気味になってしまいますよね。



長々と言葉遊びでハッタリをかます頭でっかちなファンタジーより、魅力的な絵とシンプルなストーリー、そして登場人物達が背負う”業の質”で見知らぬ世界を感じさせてくれるファンタジーの方が良いように感じるのは僕が30代も半ばだからでしょうか?

いや、四年ほど前『ゲド戦記』に出会うまで、僕も現代的なファンタジーに半ば染まっていたのですから、きっと普遍的な何かが古典ファンタジーにはあるのでしょうね。次から次へと掲載雑誌が消えてしまい未完に終わっているモンスターメーカーの漫画版も、そろそろ何処かで再始動しても良い頃合いなんじゃないかとちょっと思ってしまいました。

商業誌の方ではあまり派手に活動してらっしゃらない九月姫さんですが、旦那さんである”米田仁士”さんが運営しているBBSには頻繁に活動内容を書いていますし、機会があれば是非モンスターメーカーは描きたいとおっしゃっているので、ここは是非諦めずいつか続編が読めることを期待しておきたいものです。






米田・九月姫の「夫婦漫才」 http://www.angeltear.jp/kugatsu/bbs200.cgi

モンスターメーカー公式サイト http://monstermaker.jp
タグ:九月姫
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posted by lain at 07:20 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 漫画 あの作家は今....? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2013年05月09日

あの作家は今?....「多田由美」

 その昔、イラストレーターや漫画家を目指す人向けに「コミッカーズ」と言う季刊誌があり、美麗なイラストと共に有名な絵描きさん達の仕事道具やテクニックなんかもちょいちょい取り上げていました。

 残念ながら、雑誌が売れない時代にコアな層をターゲットにしていた事と、価格設定の高さが仇になったのか、発刊ペースや雑誌名を変更しつつ騙し騙し10年以上続いたものの廃刊になってしまいました。

 コミッカーズがあったから好きなイラストレーターの手法や気付いていなかった魅力を知り得た部分も大きかったですし、新たな出逢いの場としても多いに意味のある雑誌でしたね。のちに雪風で完全に意識するようになった"多田由美"さんとの出会いもコミッカーズでした。


 多田さんの短編漫画がコミッカーズに載っていたのを読んだわけですが、海外と同じ左開きで読むスタイルも僕には新鮮でしたけど、既存の漫画製作の型にハマらないシンプルでラフな線で描かれた美しく作画もあいまって、多田由美さんが構築する脆く簡単に壊れてしまう人間模様にビビビっと(死語)来てしまいました。
 
 この短編は引き蘢りの青年が唯一心を許す女性との大切な時間を奪われ、家族に部屋から強引に連れ出されてしまうと言うもので、正直どうしようもない男のどうしようも無い姿を描いただけとも言えるわけですが、感情に流されるままに叫ぶ引き蘢りの青年が妙に愛おしくなってしまうのが不思議だった。

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※「ニュートラル」と言うタイトルで、『ベイビー・ブルー・アイズ』と言う由美さんのBest版コミックに収録されています。


 これは多田さんの作品全般に言える事で、「ナニヤッテンダ!」って言いたくなるようなどうしようもない堂々巡りを繰り返し、墓穴を掘りながら己の業に翻弄されてゆく登場人物が多く描かれており、恵まれない状況に苛立ちを隠せない彼等の、罪悪感塗れな正直過ぎる欲求が虚しく切ない後味を残します。

 「内気なジョニー」という多田さんの単行本の帯に”江口寿史”氏が「タランティーノだウォン・カーウァイだのと言う前に、日本の多田由美を読みなさい!」と、コメントを寄せていましたが、まさにその通り。

 多田由美作品の独自性は時が流れても揺るがない力を持っており、過去の作品を振り返っても素晴らしい個性を放っています。知る人ぞ知る漫画家さんで終わってしまっては、本当に勿体無い気がしますね......




 残念ながら、ここ数年は小説の表紙や同人誌等の活動しかなされていませんが、いつのまにか准教授になっていた多田さんには是非多くの学生に卓越した技や心を教え込み、新たな多田由美を育てていって欲しいですし、持病もあるようなので身体に無理を掛けないようにして欲しいものだ。

 ただファンの我が侭を言わせてもらえば、少しでも商業ベースで作品を発表して下さる事で、多田さんの健在っぷりを確認出来て僕らも安心出来ますし、何年掛かっても良いから多田さん単独の単行本をたまには出してもらえたら嬉しいです(ゝω・)v





公式サイト http://www.tadayumi.sakura.ne.jp/

Twitter https://twitter.com/tadayumi web拍手 by FC2
posted by lain at 07:23 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 漫画 あの作家は今....? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2012年02月01日

( 」゚Д゚)」<あの作家は今〜!「有希うさぎ」

 漫画に限らず、初めて遭遇する刺激を人は一生大事にする。それが周りの大人からしたら、どうしようも無く陳腐で幼稚に映っても...

 
 この”有希うさぎ”さんは、僕にとっての「それ」に当たります。有希さんと出会った当時、就職したばかりの僕は、初めて手にする給料と言う大金を使い、今まで容易には買う事の許されなかった漫画の世界を開拓していました。来る日も来る日も古本屋&新書を扱う書店周り、この生活が非常に楽しかった♪見た事も聞いた事も無い雑誌名と発行社名、ペンネームだけでも興奮する広大な世界があったのです。

 有希さんの漫画を手に取ったのは、やはりそんな物珍しさが後押しした事は間違いありません。「少年チャンピオン」もろくに読んだ事が無かったので、”秋田書店”は僕にとってローカルな存在でしたw勿論ボニータコミックスなんて知るはずもなく、まったくの未知の存在でした。

 その時買ったのは「Golden Blood」しかも2巻目ww二巻なのに全然気付かず、読んでいるうちに、これ前作あるんじゃね?って、思ったのも良い想い出....

 内容は、父親がライオンの妖怪で、人間の母を持つ半人な姉弟が、妖怪変化が起こすごたごたに巻き込まれるってお話。ここでまず、ライオンの妖怪ってナニよ?って思うよねwwwしかも日本が舞台の妖怪なお話なのに、全然和風な匂いがしないのも新鮮でした。最初に出て来て、その後レギュラーに居座るペルシャ猫もドジで可愛いんだよなぁ♡

 どこか憎めない妖怪達を相手に、美麗な姉弟が活躍するこの作品の独特な世界観に僕は魅了されたものです。今読むと、結構粗が目立ちますけどねwそんな大味さも有希さんの味だと思います♪


 きっと今の僕が有希さんに初めて出会ったのだとしたら、見向きもしなった事でしょう。今じゃ何処にでもある、絵、お話、だと思いますから。出会いはタイミングが命。卵の殻を破り、初めて目にしたモノを親だとすりこまれるひな鳥のようにねw

 そんな親のように大事な存在の有希さんがこの頃作品を発表していません。ネットでも近況を知っている人がいないようです。「グルメな情事」が出てから、もう11年も経ってしまいました。いつもの出産、育児コースな休業なんでしょうかねぇ?.....

 せめてブログや公式HPがあれば、少しは最近の事を知る術もあるんですけどね、とても残念w


 もしも近況を知っている方がいました、このブログまでコメントして下さいまし(_ _)ペコリ


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タグ:有希うさぎ
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posted by lain at 07:12 | 北海道 ☔ | Comment(2) | 漫画 あの作家は今....? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする