2016年07月23日

今度はドラマでよちよち歩き「ベイビーステップ」Amazonビデオ/感想

 学校の成績は優秀で、ノートのとり方から何から何まで几帳面に決めないと気がすまない高校生”丸尾栄一郎”がテニスと出逢い、目の良さと持ち前の分析力を活かして着実に成長していく行程が面白い「ベイビーステップ」

 アニメ化の際は原作を知らなかった為さほど期待しておらず、変な髪型の主人公だな程度に思っていたものの、知ってるようで知らなかったテニスのことを丸尾くんと学べたり、彼の前に立ちはだかる個性的なライバル達が思いの外面白く、知らぬ間に毎週欠かさず観たい作品になっていた。

 そんなベイビーステップの実写版をつい出来心で配信日に観てしまったわけだが、別に配信を心待ちにしていたわけでもなんでもなくて(それこそたまたまAmazonビデオを覗いたら見つけてしまっただけ)これまた”期待していなかったから楽しめてしまった”作品になってしまったかもしれない。







 演技も顔もそこそこ程度のキャストで、ヒロインである”鷹崎奈津”を演じる”季葉”ちゃんも原作のような元気印の可愛い子というより、下々にも気さくなお嬢様のような雰囲気で、モデルをやっているだけに手足が長いハーフっぽい顔つき(帰国子女だから肉親に海外の方が居そうな予感)が特長的である以外演技は下手。しかし、テニスのシーンになると、かなりしっかり役者が動いているから普通にハードそうで見応えはあった。えーちゃん(丸尾栄一郎)が実は空っぽだった自分と葛藤する場面で、もう1人の自分を登場させる演出も古風で良い。こちら(丸尾くん)もアニメから印象がガラッと変わってしまったが、これはこれでアリな演技を”松岡広大”くんが見せているから、これから先の頑張りに期待が膨らむ。

 なんていうか、原作を踏襲しつつも別な作品を作ろうとしている心意気を感じるというか、原作の丸尾ヘアーを真似しないでくれただけでも凄く好印象だった。現実と掛け離れた世界感の作品が実写になった時、一番辛いのがCGとコスプレだから、まずそこをクリアしてくれればある程度観れてしまうんだなと思った。




 低予算でも日本発のAmazonオリジナルコンテンツが増えるのは良いことだ。どこどこ独占だと見る人の数が限られちゃうから、コンテンツ的には良いことじゃないのかもしれないけどね...

 あ、なんか今WOWOWオリジナルで盛んに作ってたドラマ達の末路を思い出した.......





ベイビーステップ シーズン 1 Amazonビデオ https://www.amazon.co.jp/dp/B01IJ2GJZK/ref=cm_sw_r_tw_dp_X.0KxbYTQ1HF5 

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2015年02月07日

すべFが悪い夢だったかのようだ....「瀬在丸紅子の事件簿〜黒猫の三角〜」森博嗣(原作)

僕が初めて森作品に触れたのは確か”皇なつき”さんがコミカライズした「黒猫の三角」だった。

まだゲームやイラスト関係でしか皇さんを知らなかったから、森さんだけではなく皇なつきという素晴らしい漫画家を好きになった瞬間でもありました。


そこいらに金田一耕助や明智小五郎が居てもおかしく無さそうなモダンな建物や服装 装飾、更にはボロアパートのディティールまでオシャレにみえて来る時代を、見た目はありがちな連続殺人事件な割に、根っこになる犯人の異常性は現代的で、更には常識外れの場所からパスが飛んでくる森博嗣さん特有のミスリードと共にとても楽しめたのが黒猫の三角でした。


登場人物もまた良かったんですよね。

横柄な態度で好き勝手やっている没落した御家の美人”瀬在丸紅子”

何故かふわふわもこもこした服を身にまとい女装している”小鳥遊練無”

ムードメーカーだけど、浮き沈みの激しいボーイッシュな”香具山紫子”

そして最後の最後で凡庸な探偵の仮面を脱ぐ”保呂草潤平”

他にも紅子の旦那や息子、執事に猫犬まで実に良いカードが揃っていたのです。
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※麗しい紅子さん
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※漫画版の冒頭の短編で主役を飾る小鳥遊練無は森作品の中でもかなり好きなキャラだ。



今回「すべてがFになる」に続き、”すべてがFになる”の主人公と直接関係のあるVシリーズがドラマ化されたわけですが、配役、脚本、撮影スタイル、どれも概ね納得の行く仕上がりでした。

紅子を演じた”檀れい”さんの成り切り具合はなかなかのもので、彼女の口から原作の名言が飛び出すと非常に心地良いものがありました。また、彼女を支える執事”根来機千瑛”役の長塚さんが良いアクセントになっていて、本ドラマの進行に一役担っていたと思います。原作に無理やり合わせたりせず、原作から独立した2時間ドラマとしてちゃんと楽しめるよう、あちこち改変しているのが功を奏していました。

ただ、ムードメーカーの紫子ちゃんが標準語を話し、あまりテンションが高く無いと言うのと、現代劇にしてしまったから、せっかくのレトロなモダンさが台無しにされていたのが残念でありました。それでなくてもすべてがFになるとの時系列的に合わなくなってしまうから、"もう一つ"の楽しみ方が制限されてしまうのが勿体ない。せっかく「すべてがFになる」を先にドラマ化したのだから、”あの子”が誰であるのかが分かるところまでドラマ化して欲しかった。原作の最後にはあの人も登場するし、合わせて楽しむことで広がる世界観がありますからね。



しかしまあ、元より一冊で事件が解決するシンプルな内容でもありましたから、もしかしたら同じように原作の良さを活かし上手い改変を施して続編を作るなんてことがあるやもしれないし、その時は是非観たいと思わなくもない。

僕らはちょっと原作や皇さんの美麗な漫画によりイメージが固定されてしまったからあーだこーだ言ってますけど、本当にドラマとしては良く出来ていたと思います。


最後に、小鳥遊練無という難しい役をかなり良い感じに演ってくれた千葉雄大くんに拍手をおくりたい気分でいっぱいだ(・ω・ノノ゙☆ パチパチ; カワイカッタヨ♡

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タグ:森博嗣
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2014年10月29日

すべてがW(Why)になる.....「すべてがFになる」武井咲・綾野剛(主演)/森博嗣(原作)/フジテレビ/感想

昨夜改めてTwitterというかSNSを凄いと思った。少しでも「そうだその通りっ!」「それを知りたかったっ!」と感じた言葉があれば、物凄い速さで拡散してゆくのだから。






森作品の原点と言える”S&Mシリーズ”が今回初めて連続TVドラマ化されたものの、あまりに原作ファンのイメージと違うキャスティングと演出方法に憤る視聴者が後を絶たない。たまたま見つけた森先生のコメントをハッシュタグ付きで呟いただけで、これほど多くの人にRTされている事実からも

『こんな酷い実写化に森先生はどう感じているのだろう?』

『森先生がクレーム付ければなんとかなったんじゃなかろうか?』

と、モヤモヤしていた人がいかに居たかが分かります。



1話の初っ端で萌絵と相対する真賀田四季のキャスティングからしてコレジャナイ感出していましたが、まだ武井咲さんは及第点だった。ところが綾野剛くんの人間味が溢れすぎている犀川先生はまったくの別人としか言いようが無く、見てくれもそうだけれど、性格や話し方の雰囲気がまるで違う。

もっと俺たちの犀川先生は、興味の無いことには全然喰いついて来ない面倒臭がり屋で、タバコとブラックコーヒーを常に手の届くところに置きつつ、乾いた瞳で何かに没頭していて身なりに頓着しない変人だと思う。逆にそういう人物だからこそ、萌絵や研究室のメンバーや友人達のことを気にかける場面が活きていて、ファンの気持ちを掴んで来たキャラでもある。これは僕だけの勝手なイメージでは無いはずだ。


小説と同じ雰囲気を目指すことは難しいと、あえてTVシリーズの独自性を出したのだと言うのならばそれで良いのかもしれない。だがその独自性さえ怪しく感じる演出方法ばかりなのだ。安いCGを入れてみたり、自局がプッシュしてるアーティストの曲をOPに採用したり、中途半端なミスリードを入れてみたり、何をどう解釈したらこんな余計な物ばかりを足せるのか分からないほど安い......

どうせ予算的な理由だと思うけれど、もっと映画を撮るくらいの覚悟でやってほしかった。カメラワークは出来るだけ退いて欲しいし、CGでの演出は要らないし、森作品全体に流れる独特の間を大事にしてほしかった。キャスティングされた役者が可哀想に思えるくらい製作陣の気持ちが軽い物に見えて仕方ない。



もう原作発売から18年以上が経過しているので、あの頃目新しかったネタも今じゃ見慣れた光景になりつつあることも不安です。どうせ連続ドラマにするなら、ミステリーと娯楽性のバランスが良い「黒猫の三角」シリーズが良かった気もする。レトロな探偵物の雰囲気を上手く活かせれば、S&Mシリーズとの関係性を廃した脚本でも十分楽しめるドラマになったはずだ。名探偵コナン級に往年のミステリーっぽい「そんなの上手くいくのか?」っていう奇抜なトリックの数々にも目から鱗が落ちると思う。


全10話程度で終わりそうな「すべてがFになる」

おそらく完結後の展開は無いでしょうね。

知名度を活かした金儲けという以外、原作好きのほとんどが幸せを感じないドラマ化に何の意義があったのか?完結するまでに、少しでも僕らに感じさせて欲しいものです。伝えられる技量があるというのなら.....


公式サイト http://www.fujitv.co.jp/F/index.html続きを読む
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