独りでも二人でも大勢でも、小田サンタはやってくる「クリスマスの約束 2016」小田和正/TBS/感想

 これで何回目のクリスマスだろう?

 静かに窓を落ちる雪を見ながら思った。





 クリスチャンでも無いし、恋人が居るわけでも無く、あまり家族とワイワイやるタイプでも無いから、クリスマスが来ても特別なことはほとんどない。せいぜい姉の子供たちにささやかなプレゼントをするくらいが僕のクリスマスだ。

 そんな僕が一つだけ欠かさずにいるのは、小田和正さんの「クリスマスの約束」を観ること。ゲストとゲストの歌を一緒に歌う小田さんを観て、あぁ、今年も終わるんだなと、しみじみ考えるのが恒例行事。31日より25日の方が僕にとっては大晦日だ。いっそクリスマスの夜からお正月休みになって欲しいとさえ思う。キリの悪い出勤をするくらいなら、有給の一つも使って連休を繋げたくなる。



 さて、今年のクリスマスの約束だが、兎に角”宇多田ヒカル”に限る。クリスマスの約束が始まった年に叶わなかった共演が、長い年月を経て叶ったのだから。小田さんを前にしてもいつもと変わらず肝っ玉の据わった表情の宇多田。昔より遥かに歌が上手いし、感情の乗りも本当に良かった。みんな、今一度見直して欲しい。宇多田ヒカルの「Automatic」のMVを。歌唱技術もダンスも化粧も髪型も絶対ダサく思うはずだ。

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 今も眉の描き方は、個人的にどーよそれ?と思ってしまうものの、何もかも今の彼女の方が素晴らしい。女は子供を産むと段違いで深みが増す生き物だと思った。最後に小田さんの「たしかなこと」をチョイスした点も子を持つ母らしい。これからも良い人生を積み重ねて、歌へと還元して貰いたいものだ。


 宇多田ヒカルが下がった後は、まあいつもの約束だった。仕切り屋な和田唱や委員会メンバーとの息の合った楽曲の数々。普通に良い。ひとつ気になったのは、根本要さんがメガネをしていなかったことだ。一瞬誰かと思った。それはそれは若々しく見えた。

 あと”さだまさし”さんと何故音楽を続けているのか?という話になった時、そりゃ金と女と名誉だろと言われ、じゃあそれを全部手に入れたのに何故さださんは続けているのか?と問うと「もうちょっと上手くなりたいんだよな」と応え、そんな話をしているところに小田さんの練習している音が聴こえて来て「なっ?」と、さださんが言ったという話が良かった。歌手だけじゃ無く第一線に残り続けてるおっさん全ての人の動機だろう。

 もしかしたら、小田和正は老害だと、言い放つ若者もいるかもしれない。確かに全盛期の張りや体力が喉に無いし、委員会メンバーに甘えてチャレンジする気持ちも若干薄らいでいる面もあるだろう。でも、真摯に歌へ臨む小田さんはまだ折れていない。誰が何を言おうと歌っている。そして、そんなおじさんは格好良いと僕は思う。

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 少しでも上手くなるために

 それがアーティストの音楽を続ける理由なら、僕らは少しでも長く聴いていてあげたい。

 病める時も健やかなる時も〜と宣言する男女の話でもないが、その命が尽きるまで、好きな誰かには可能な限り寄り添って生きたいものである。

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 メリークリスマス🎁



ロクでも無いボクと歌

今日が”ロックの日”だからと言うわけでも無いけれど、少し前から今までお世話になったアーティスト達の事を振り返っていた。



仕事で落ち込んだり、世の中の事件事故へ憤ったり、自分を必要としてくれる女性が都合良く現れない事に寂しくなったりした時、スッと心に入り込んで来た歌の数々にどれだけ救われて来たかしれない。

思い返せば、初めて手にしたラジカセで森高千里の「雨」と辛島美登里さんの「笑顔を探して」を続けて聴いたあの日から、僕と音楽の付き合いが始まり、中学の時は様々な音楽番組を聴いて、手当たり次第に録音して楽しんだ。




高校に入るとアニメとゲームに夢中になり、ラジオを聴く時間は減った。その代わりにアニメからの直録りでアニソンをテープにまとめ、TMNの「BEYOND THE TIME」から小椋佳さんの歌う銀河英雄伝説のEDに至るまで聴いていた。シティハンターの影響もあって岡村靖幸にハマったりもした。今考えても「家庭教師」なんていうタイトルをアルバムに付けるセンスは半端じゃ無い。







就職してからもアニメ生活は続いて、今更のようにリン・ミンメイにハマったり都はるみさんの「愛は花、君はその種子」に励まされたり、オネアミスの翼のサントラを寝る時流したり、それまで”声優アーティストの何処が良いんだよ”と思っていたのに、気落ちした時に何気なく聴き直した國府田マリ子にどハマりしてからは、笠原弘子南央美林原めぐみ、宮村優子なども飽きること無く何度も聴いた。弱った心に彼女等の声は本当に染み入って来たものである....





いつしか僕に中でアニソンと普通の歌の垣根が曖昧になり、アニメの存在が無くとも普通のアーティストの曲を自然と聴くようになっていた。ドラマの影響で小田和正チューリップ尾崎豊のアルバムを買い、尾崎繋がりで”橘いずみ”にも出会った。たまたまラジオで耳にしたカーディガンズにも手を出して洋楽の良さを知ると歌の世界は更に広がった。成人前後に好きになったアーティストを上げようと思ったら本当にキリが無い。

the pillows、syrup16g、小谷美紗子、Jungle Smile、安藤裕子、AIR、くるり、amazarashi、etc.......







まだ一切名前を挙げていないが、菅野よう子さんや坂本真綾新居昭乃さんも僕の人生に欠かせない大事な人達だ。最近は切実な想いを綴るアーティストばかり聴いて、おざなりになりがちが、忘れるなんて事は到底できない。彼女らを含め、これから先も数え切れないアーティスト達に僕は支えられて生きて行くのだろう。

誰かの手を借りないと立ち直れないほど凹むなんて御免被るが、辛い時ほど素敵な出会いが待っていたりするのも人生かもしれない。ロックに限らず、自分を支えた曲達と今日は過ごしてみようじゃないか。

小田サンタに何があったのか?「クリスマスの約束 2014」小田和正/TBS

 毎年クリスマスは特別なことはせず、せいぜい買ったり貰ったりしたケーキを食べるだけなのですが、小田和正プレゼンツの「クリスマスの約束」だけは絶対欠かさず観ようと心に誓っています。



 毎年小田さんが一緒に歌いたい人を招待して歌を披露するこの番組、始まった当初(2001年)は招待したアーティストが誰一人参加してくれず、小田さんがぼっちで寂しく曲を歌ったものですが、3年目からは順調にゲストが集まるようになり、2009年には33人、2011年にはなんと41人にのぼるゲストが参加してくれるほど認知度が高まり、公開収録の観覧希望者の倍率も何十倍にも及ぶクリスマスの恒例行事になりました。

 なんと言っても小田さんの声で生まれ変わる名曲の数々が最高なんです。佐藤竹善さんや徳永英明さんのカバーアルバムと同じく、まるで持ち歌のように歌ってみせる小田さんのおかげで、あまり知らなかった若いアーティストの良さを知ったり、ベテラン歌手の凄さを再認識することも出来ました。まさに音楽と音楽を繋ぐことで、人と人とを繋いでゆこうというクリスマスの約束のコンセプトが見事にハマっていたのです。



 ところが、今年はどうやら歯車が噛み合わなかったのか、観覧者応募を中止した挙句、スタッフを前にして2曲だけを披露するという異例の事態。番宣には総集編とは書かれていないし、ゲストの名も大勢記載されていたため、時折小田さんのコメンタリーが入る総集編と、冒頭と締めにだけ今年の新録が挿入されるあっさりした形式に肩透かしを食らった人々が多かったようだ。

 ファンにとって必ずしも望ましい形の放送にはならなかったわけですが、それは小田さんも同じだったと思います。理由はよく分かりませんが、断腸の思いで放送に踏み切ったことでしょう。今まで小田さんがコツコツと積み重ねて来た信頼があってこその喪失感でもありますし、元より小田さんの感傷と心中覚悟な番組ですから、小田さんをそれほど好きじゃない人、某ディズニー・アニメの主題歌だけを期待した、にわかクリスマスの約束好きさんには、申し訳ないが、ご不満な想い共々お引取り願うしかありません。


 それに、僕は昨晩失った何か以上に、13年間受け取って来た想いの重さにこそ価値を感じました

 孤独であるがゆえに大勢の想いを背負うことになった2001、2002。

 自分の想いに新旧アーティストが初めて歌声で答えてくれた2003。

 大勢で一曲一曲を大事に歌う意味と真っ向から向き合って、ひとつの答えに到達した2009。

 必ず毎年なにかしらのテーマを模索して進んで来た今までのクリスマスの約束。ファンやテレビ局の要望が高くなっていたなか、小田さんは本当によくやって来たものだと思いました。


 今回の総集編構成が、小田さんの体調の問題か、テレビ局側、そしてゲストアーティストとの折り合いが上手く行かなかった結果なのかは本当に分かりませんが、修復不可能な人間関係のもつれ、または深刻な体調不良だった場合、次の放送は絶対に無いことでしょう。こんな不完全燃焼で終わらせるのは心底勿体無いですし、我が儘を承知でお願いするなら、是非とも最後に小田さんだけの約束に回帰しての幕引きとしていただけたら幸いです。

 ついでに出来ることなら、これまでのように何故このような形を取らざる得なかったのか、その辺りの背景を来年のクリスマスにボヤいて欲しいですね。

 では、また来年.....☆