意地っ張りなジブリの双璧に挿まれ鈴木のオジさん絶句『文藝春秋 2014年 2月号 ”スタジオジブリ30年目の初鼎談「宮さん、もう一度撮ればいいじゃない」”』/雑誌/感想

 初めて『文藝春秋』なるお堅いイメージの小雑誌を買った。


 宮崎駿・高畑勲・鈴木敏夫 合わせて216歳の濃密そうな鼎談が掲載されていたからだ。



IMG_9915.jpg


IMG_9918.jpg



 文藝春秋と言えば、政治思想的に偏っている雑誌で、一部の「側」の人間を心地良く思わせるのを生業にしているような節があるように思えるし、滅多にそういった社会派な本を読む事が無い僕には、軽くぱらぱらとページをめくるだけで異次元に迷い込んだかのような気分にさせられました。せっかく買ったわけだし、お目当ての記事以外も洗脳されない程度に社会勉強だと思ってそのうち読んでみましょうかね....



 さて、去年揃って同じ年に作品を発表したために、なにかに付けて宮崎さん・高畑さん両名の複雑な愛憎具合を取り上げた記事が眼に飛び込んで来ていたのですが、こうして鈴木さんを挟んだ形で、じっくりお互いの考えを話すような記事は他に無く、大変インパクトありました。


 鼎談開始から牽制し合う2人。「あそこ」はこうした方が良かった。 いやいやあそこはちゃんと調べた結果「ああ」したのだから良いんですよ。と、お互いに言い張っているのが実に大人げなくて良い。あれだけ面白い物を作る人達だもの、こうでなきゃねw


 この2人は、お互いの良い所も悪いところも知り尽くしているから厳しい言葉を吐きたくなるのでしょう。特に宮崎さんは粘着質の人で、抱え込むタイプの人間ですから、かなり高畑さんへの想いは強いはず。 のらりくらりと自分の熱意を躱して来た高畑さんの、狡さが妬ましくて仕方無い自分が嫌い。そんなところなのかもしれない。



 ほんの10ページでありますが、お互いの本音を少なからず吐き出しているし、厳しいことを言った後にはあなたのこういうところを僕は愛しているのだと、フォローし合っている様子からは、かつての意欲が外にだだ漏れだった若きアニメ監督2人が、いかに長い刻を過ごして来たかが読み取れて、今なら2人であーでも無い、こーでも無いと言い合いながらも、また一緒に一つの作品を作るなんてことも可能な気がしてしまいました。


 とりあえず、この鼎談での熱さがある限り、この人達は物作りから離れる気はさらさら無いのだけは間違いありませんねw





 あまり文藝春秋の宣伝になるようなことはしたく無いですが、これ結構良い鼎談だったと思いますよ。


 実現しただけでも奇跡に近いですしね(ゝω・)☆





 文藝春秋HP http://www.bunshun.co.jp
posted by lain at 07:13北海道 ☔Comment(0)書籍色々

相反する想いに押し潰されそうな美しさ「キマイラの柩」/山本タカト/2010年/画集/感想

先日再読した『ヘルマフロディテの体温』の表紙も担当していた”山本タカト”さんの作品集を手に入れました。


だいぶ前にブログで書いた”柳原 慧”さんの『コーリング 闇からの声』を読んだ時も、恐ろしくもグロテスクでありながら、何故か眼を奪われる表紙に魅力を感じたものですが、作品集を買うには到っていませんでした。


しかし流石にこう何度も遭遇し始めると、もっともっと山本さんの絵を見てみたい欲がもたげて来るものです。とりあえず本命の作品集である『ヘルマフロディトゥスの肋骨』が品切れだったので、一番新しい『キマイラの柩』を購入しました。


※ちなみに今回購入した”エディシオン・トレヴィル・オンラインショップ”に問い合わせたところ、『ヘルマフロディトゥスの肋骨』は7月に重版予定があるそうです。新作の作品集も秋発売だそうだ。



注文からそれほど待たずに到着。開封するとまず装丁からして風情がある。サイトでどんな感じなのか分っていても、やはり実物は格別だ。 箱装を取ると布張りでレトロな面持ち。飾り気が無い分シンプルで逆に存在感が増しています。異質なオーラがプンプンして来そうなほどにw


image-20120611080740.png


そして表紙を開けば山本タカト氏直筆のサインが眼に飛び込んで来る。直筆サインの入った本なんて初めてかもしれないwしかも初版本とか嬉しいですね♪ 一般受けしてなくて売れ残ってるって事じゃなきゃいいけど.......



image-20120611080802.png



まあそんな事はどうでも良いのですよ。好きな人だけ買えば良いのさ♡


ドールのように独特な瞳。透き通るような艶肌。そして人体の『内側』を思わせる色鮮やかなデザインの数々...その独自なスタイルは現代の浮世絵師そのもので、観る者の感情は畏怖と憧れで一杯になります。



image-20120611080837.png


image-20120611080857.png



世間一般で言うところの『美』とは違う方向性ではあっても、確かな美しさがここにはあります。普通に美しい存在の異形な内側を晒し融合させ、美しい”だけ”では無いモノへと変貌させる技には本当に脱帽です。



もうすっかり山本さんの、ある意味ツンデレな捻くれ具合(多分誰にも伝わらない表現w)の虜にぼくは成り果てましたw乙一さんの別名儀本『エムブリヲ奇譚』の表紙も山本さんなので買いたくなってしまいます♡


是非機会があれば作品集とまでいかなくて、山本タカトさんが書いた表紙の小説を出来るだけ多くの人に手に取って貰いたいですね。



image-20120611080949.png



山本タカト公式HP http://www.yamamototakato.com/

エディシオン・トレヴィル・オンラインショップ http://www.editions-treville.net/

posted by lain at 07:06北海道 ☔Comment(0)書籍色々

メタルギアのススメ「SFマガジン7月号/メタルギアソリッド特集」

写真-41.jpg 



 今もなお、続く核の脅威。そんな恐るべき兵器を武器に、世界に感動を与え続けているゲームがある。そうメタルギアシリーズだ。



 核も含め、近い将来訪れてもおかしくない、脅威をテーマに語り尽くす男の名は”小島秀夫” 遺伝子操作の脅威、情報操作の脅威、統制管理の脅威等、毎作ごとに深い問題を僕たちに投げつけてきます。そんな重い内容のせいか、少し説教臭い部分や、てれかくしのためのギャグの数々もありますが、それらも重厚なストーリーを引き立たせる、大事な要素に消化されています。



 そんな氏の最新作メタルギアソリッドPWの発売に合わせた、このSFマガジンの特集では、ヒデラジの”大人の本棚”でもお馴染み、矢野健二さんによるロングインタビューの様子や、万城目学、深見真、両氏によるエッセイ。評論家の前島賢による全シリーズの解説、簡単なあらすじ説明をつけたメタルギアの全作品リスト等など、古くからのファンにも、PWからメタルギアを始めたファンにも、十分楽しめる内容になっています。



 そうそう!それからもう一つ、個人的に面白かった、矢野健二氏のメタルと故伊藤計劃氏への、愛に溢れた記事がありました♪伊藤計劃さんの虐殺器官から、セリフを引用しメタルを語る矢野さんの記事を読むと、矢野さんのメタルへの愛の深さが良くわかりますよww


 しかし、こんな事書いてる前に、PWやらないとダメじゃないか?俺.......