ネトフリな私的海外ドラマ事情

短いようで長かった出張がとうとう終わった。やはり我が家というのは良い。

インドアな人間にとって、自宅、それも自室に居られないというのは死活問題なわけで、今日はいつもの日曜日以上にやりたいことが頭の中をグルグル回っている.....


振り返ると出張中、艦これとFGOを片手間にやりつつ、海外ドラマばかり観ていた。こんなにアニメを観ない、据え置き機を触らない1週間は久しぶりだ。馬鹿みたいに執着してきたオーバーウォッチも、数日空いた今なら少しは新鮮に感じるかもしれない。

で、お前はそんなに何を観たんだ?という話に戻ると、相も変わらずNetflixを中心に観ていた。元海兵隊の凄腕スナイパーの男が大統領暗殺の嫌疑をかけられ、大きな陰謀の渦に巻き込まれて行く「ザ・シューター」のシーズン2や、10年以上ぶりにTVへと返り咲いた「スター・トレック:ディスカバリー」、昨夜から配信が開始したデヴィッド・フィンチャーの新作ドラマ「マインドハンター」、そして現代や近未来を本気で風刺した1話完結物の「ブラックミラー」までたっぷりと。







ザ・シューターは、シーズン1の途中からダレて来て、今は惰性で観ているようなものだけど、他の三作品はそれぞれ見所があってあっという間に時間が溶けてしまう。スタートレックの新作はバルカンに育てられた人間女性が主役で、副長の彼女が越権行為で罪人に落ちるまでの序章から始まる。見所は彼女がどのようにして復活して行くか?や、人類との戦いを再開したクリンゴンの権力争いの行方で、特に艦隊へと復帰してからの彼女を取り巻く環境が実に面白い。長いこと待たされた甲斐があったというものだ。

マインドハンターは、まだプロファイリングが事件捜査の前線で信頼されていなかった時代に、その必要性を全米の現場の警官に説いて回って、来る日も来る日も犯罪者達と面会し続け、彼らを知ることで事件解決の糸口を見つけようとしている2人のFBIの男の物語で、激しい山場など冒頭以外無いまま淡々と粛々と進んでゆくのだけど、主人公たちの日常や犯罪者とのやり取りを見ているうちに、FBIである彼らや、自分の中にも彼ら(犯罪者)と共通する点を見つけてしまい、合わせ鏡を見るような感覚で目が離せなくなっていた。『深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている』とはよく言ったものである...





最後に、Twitterのフォロワーにオススメされて見ただけの作品だったブラックミラーだが、これが1話目から強烈で出張の夜を〆るに相応しい作品だった。欧州のどこかの首相らしい男が、ワイフと寝ているところを急遽起こされ、スザンナ妃という止ん事無き女性が誘拐され、無事に返して欲しくばTVカメラの前で豚とセックスしろと首相は要求される。金でもなく、思想でもなく、豚との性交渉を政府の、しかもトップに要求する展開に、思わず笑わずに居られないのだけど、あまりにも真に迫る首相やTVの前の視聴者の表情に、終盤は虚しさと憐れみばかり残っていった。

この匙加減は実に良い。ふざけてるのか?と言いたくなるような首相周辺の連中の真顔が最高に笑える序盤と、その後の見るも無残な首相の姿とのバランスたるや絶妙としか言いようがない。この先も現代社会や近未来を皮肉った内容(犯人の要求が動画共有サイトで拡散し、自分に不利な情報が鼠算の要領で増え続け、人の口に蓋が出来ないどころの話ではないところなど)が1話完結スタイルで続くらしく先が楽しみになった。






日本でも毎週キャストもお話も違う1話完結スタイルのドラマとかどうだろう?風刺というのはいつの時代も庶民の良い友人であるし、不平不満で自分を顧みることを忘れがちな今、ブラックミラーのような作品は凄く大切なことを教えてくれそうな気もする。

他省と自省の均衡は大切だなと思った。





何を護るための両手なのか?「HOMELAND シーズン6」海外ドラマ/感想

※ネタバレ














連日加計学園の問題や共謀罪の強行採決についてテレビが報じ、事実がどうであろうとイマイチ信用できない安倍内閣を見ていると、日本も韓国やアメリカとなんら変わらないなとため息が出てしまう。

各方面から反対された共謀罪は、要するにテロを未然に防ぐためのルール作りであったわけだけど、日本に先駆けて似たようなことを行なっていたアメリカがどうなっているかを考えればわかるように、ただただ人が人を疑う嫌な社会に拍車がかかるだけに思えてならない。国が都合よく弾圧を行うための道具になり下がらないことを祈りたい....


今期のHOMELANDはまさにそういったルールが生み出す闇の深さを描いていた。どこにでもいるアメリカのやりようが気に入らないだけの青年を自爆テロ犯に祭り上げたり、真実に近づき過ぎたFBI職員を殺したり、果てには次期大統領を直接殺してしまおうとまで考える勢力が政府内にいたという展開には、もしかしたらありえるという真実味があって笑えなかった。

特に大勢を集め、架空の人間の言葉をネット上に上げて国民の意識を操作しているシーンなどは実際に行われていても可笑しく無い話で、中途半端なホラーよりよほど怖い時代になったものだと思った。1番公正であるべき機関が1番信じられないだなんて皮肉な話である。こんな時代じゃ二次元キャラやアイドルに心の拠り所を見つけてしまう人の気持ちもよく分かる。

国民に選ばれたはずの自分を散々ないがしろにされ、命まで狙われ暴君へと変わってしまった女性大統領の気持ちも同様だ。誰だってあそこまで徹底的にやられたら誰のことも信用できなくなるだろう。ほとんどは本人の蒔いた種ではあるものの、あのトランプ大統領もある意味可哀想な男ではある。自分たちが選んだ男なのに、たった半年であっという間に手のひらを返しブーイングなのだから。

アメリカの今と見事にリンクするHOMELAND。次もまた違う展開になりそうで楽しみだ。



いや、楽しくはないかな?.........

子供を取り上げられるキャリー

クィンの痛々しい姿

投獄されたアダールの弱々しい笑顔

誰もが何かを護りたくて傷ついて行く

そんなドラマなのだから、楽しいの一言で片付けられそうにない.......




目に見えない物を見えるように描く難しさってあるよね....「HELIX -黒い遺伝子-」海外ドラマ/感想

実在するしないはともかく、フィクションの世界は怖い物で溢れている。幽霊、巨大生物、ゾンビ、超常現象、生身の人間、更には女性という一括りも男からしたら怖い物だろう。

そんな中でも、僕が一番嫌だなぁと感じてしまうのはウイルス性の感染症をネタにした話。幽霊やバケモノなら、まず存在しないだろうし、もし目の前に現れても倒せるかもしれないと思えるものの、目に見えない物を避けるのは流石に難しく、インフルエンザ一つであんなに具合が悪くなるのに、そんな物とは比べ物にならないウイルスに侵されたらと考えたら身体の力が抜けてしまう...



とある研究所で起きたアウトブレイクの収拾の為、CDCのアラン・ファラガットとその仲間は北極くんだりまで出張るのだが、肝心の研究所がどうにも非協力的で何か重要なことを隠しており、感染者でアランの弟であるピーターが異様な行動で人を襲い始めた理由をアラン達は調べ始める。このウイルスは人の猜疑心を増長させたり、幻を見せ、果てには身体能力のリミッターを外させ病原菌を拡める為人を襲い経口で黒い粘液を交そうとさせる。こんなに悍ましいキスシーンにはなかなかお目にかかれないだろう....

感染者が人を凄い勢いで襲うようになってから、パンデミック物というよりゾンビ物の様相を呈して行き、せっかくの目に見えない物への恐怖が薄らいでしまったのは残念だけど、ウイルスに対するアプローチの仕方はちゃんと説得力のある描写で面白く、それを妨害する連中の悪辣さがまたドラマを盛り立てているのはそこそこ良い。思っていたのとは違うけれど、これはこれで楽しめそうな気がした。






嫌ぁ〜なオープニングをかました後の爽やかなタイトルコールが妙に不気味に感じるのも面白いドラマではあるけど、1シーズンの半分ほどで、後付けの多さが目立ち始め、少々嫌な予感がよぎりググってみるとシーズン2で打ち切りになっていて、久々に海外ドラマの洗礼を受けたような気になった。シーズン2の終わりがある程度満足出来る物になっていれば良いのだけど.....モヤモヤが酷い結末なら見るのやめようかな?.....

なんにせよ感染力の強い番組作りと言うのは難しいものなんでしょうねぇ....