日本勢の本気始まりましたっ「MotoGP 2020 カタールGP」感想

日本人だからどうのという応援の仕方はどうなのか?と云う気持ちは有りつつも、やはり日本人ライダーが活躍すると嬉しいものだなと思いながら開幕戦の録画を見ていた。




新型コロナの影響により、まさかの最高峰クラスが中止に追い込まれ、開幕早々不穏な空気の中、Moto3では鈴木竜生がポールをゲット。決勝ではポジションを落とし表彰台からこぼれてしまったが、なら代わりに俺が!と頑張った小椋愛が繰り上げであっても3位に入った。たとえ優勝の可能性が低くても、目の前のバイクを1台でも多く抜こうと云う気持ちがあればこその結果で、自分のことのように嬉しかった。そして、その喜びをより一層大きな物にしてくれたのがMoto2の長島哲太である。

現在最高峰クラスに参戦中の中上と同世代である長島。念願の勝てるチームに移籍して言い訳の出来ない状況で予選14番手。調子は良さそうな顔をしているだけに勿体無いと思ったのも束の間、レースが始まると何度もファステストを刻み毎週のように順位を上げた。彼が先頭集団に追い付いてからの手汗ったらなかった。所詮他人事、しかも録画で観ているにも関わらず、“転ぶな…転ぶな….”と両手を組んで祈り続けていた。


表彰台の一番高い所に立った長島くんは、涙を堪えるのと同時に、今は亡き戦友へ優勝の報告でもしてるみたいで美しかった。全てを出し尽くした人間の姿は本当に見ていて気分が良い。彼の代わりに苦渋を舐めた人間は大勢いるのだろうが、今回ばかりは彼が主役で正しい気がしてならなかった。これだけの走りを開幕以降も是非見たいものである。

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まだまだコロナによって予定が狂う可能性は高く、最高峰クラスの動向も不安だ。しかしそれ以外のクラスは日本人の年になる予感がし過ぎて逆に怖い。何にせよスペイン人にばかりでかい顔をさせたままではMotoGPも面白くないだろう。異なった環境から出て来た者達が凌ぎ合ってこそのモーターレースだ。それを盛り上げるのが日本人であって悪いわけがない。

いつかHONDAやYAMAHA(SUZUKIでも良いけど(失言))に日本人が乗って年間王者となる日を俺は諦めたりしない。どうせ他人頼みの夢でしかないけれど…….

コービーとマクレーがダブって見えた月曜日

WRC
昨日、バスケ好きには辛いニュースが流れていた。ほんの2年前に現役を引退したばかりのコービー・ブライアントがヘリの事故で亡くなったと云うのだ。

自分はまるでNBAに詳しく無いが、彼が無双していた時代、深夜に歯を磨きながら連日観ていた時期があったから少なからずショックだった。病気や寿命で亡くなるのも残念ではあるが、こうした事故で命が損なわれる方が辛い。詳しいことは分からないが、もしコービーがヘリを操縦していて事故を起こしたのならば遣る瀬なさは倍増するだろう。一報を見た時、思わずWRCの元王者コリン・マクレーの事故を思い出してしまった。彼も自分でヘリを操り身内と共に帰らぬ人となった。レースで亡くなるのは亡くなるので辛いものだが、普段の方が断然命懸けなのに思わぬところでというのは勘弁願いたい...


WRCはいつも通り他の最高峰レースに先駆け開幕戦を終えた。主要なドライバーが軒並み移籍した中、移籍しなかった男が順当に勝った。



去年の王者が早々に消えるという衝撃後、TOYOTAが1位2位と進行。これは早速日本人には嬉しい結果が来るのか?と期待は高まったものの、勝負の世界はそう甘く無い。今年限りで引退を決めているオジェは爆発力に欠けていたし、期待以上ではあっても”それ以上”では無かったエバンス。19歳のロヴァンペラは将来性を感じる走りであったし勝田貴元も順当に走り終えたが、若手ベテラン共に車の性能を理解仕切れていないのが伝わってくる内容だった。オフシーズンに膨れ上がった期待が大き過ぎたせいもあるが、なんとなく消化不良の感が否めない。

とは言いつつも、完全にTOYOTA贔屓になっている自分としては、ヒュンダイの代表の顔もあまり好きでは無いし、そのチームにTOYOTAを頂点に導いた男が移籍したことも残念に思っているが、才能があるのに長年苦しんでいるヌービルが勝ったことは嬉しく感じた。派手に吹っ飛んだタナクが無事であったことに心から安堵した。彼らがTOYOTAの前に立ち塞がってこそ、WRCは盛り上がるはずなのだ。ついでにMスポーツも元気であればなおのこと面白くなることだろう。この3チームに絡んで欲しかったシトロエンが正式に撤退してしまったのは寂しい限りだが、ドライバー単位でなら楽しみに事欠かない。



毎戦何かしらの事故が起きるWRC。皆無事に一年を過ごして欲しいと願いながらも、クラッシュすれすれの走りを期待してしまうのは我々ファンの罪と言えるだろう。「どうせ死ぬならレース中に....」そんなふうにすら考えてしまう。

年老いて身動き一つ取れなくなり、誰の顔も見分けられなくなっても生かされているくらいならば、全力で生きている時にあっさり逝ってしまえた方が幸せなのではないだろうか?



死にたくは無いが、死んだように生きていたくもない。

それだけは確かだ。

安全を第一とするなら、モータースポーツの存在意義とは?

なかなか根雪にならない雪に翻弄されているうちに最早12月。モータースポーツも軒並み閉店模様だ。2輪最高峰のMotoGPはいつも通りマルケスが頂点に立ち、4輪も同様に代わり映えしないハミルトンだったらしい(F1見てない)



正直同じ人間、メーカーが勝ってばかりでは面白味が無い。シューマッハが毎年定位置に納まっていた時など、何かトラブルが起きないものかと思いながらF1を見ていたものである。命に関わることだから不謹慎ではあるけれど、モータースポーツを見る者はトラブル込みでレースを楽しんでいる節はある。そもそもF1など毎月、毎週のように人が死んでいるのにレースを続けて来たスポーツだ。人一人の命程度では中止にすらならない。あのセナが亡くなった時も、先にローランド・ラッツェンバーガーが亡くなっていたのにレースは開催され、ショックでモチベーションが上がらないセナが、彼の死に引き摺られるかのようにこの世を去った。果たして”死”というリスクこそモーターレースの隠し味だと言われて、妄言だと言い切れる人が幾人いることだろう?

そういった意味において、もっとも観客を狂喜させているのはWRCだと思う。サーキットではなく、普通の道路や大自然を有り得ない速度で駆け抜けるラリーは、兎にも角にも事故が付き物。ドライバーやコ・ドライバーの安全はかなり高いレベルで守られているため、どんなに恐ろしく激しいクラッシュでも怪我一つなく生還するが、開催地によって観客がコースの近くまでやってくる場合があり、ラリー車が吹っ飛んだ先に観客がいて亡くなるという事故は近年も起きている。その時はレースも中止になったのだが、事故を起こした当人はセナ同様モチベーションが上がらず、前年の輝きを完全に失っていた。どんな理由であれ、誰かの命を奪ってしまったという事実は重たくのしかかるのだ。




本当はこんなレースと死の話など書くつもりではなく、ただただトラブルが起きるくらいに熱いレースが見たいということを書きたかった。F1はもう少し本気でメルセデス以外のチームの育成に手を差し伸べるべき(ウィリアムズの現状など90年代F1ファンとしては見たくも無い)だし、MotoGPはマルケス以外のライダーの奮起を期待したい。彼の無邪気さは負けた者のプライドをズタズタにするから良い加減うんざりしている。WRCに関しては今年ドライバーズの頂点を手にしながらもコンストラクターズのタイトルを失ったTOYOTAの刷新されたドライバーラインナップが楽しみ過ぎて今が辛い。ライバルチームに移籍したチャンピオン”オィット・タナック”の走りも気になる。

誰も死なないにこしたことはない。でもTV越しに伝わる熱は欲しい。レースの合間にドライバーのコメントを表情付きで味わえるラリー。マシンをぶつけ合っても道を譲らない二輪レース。そこに4輪最高峰レースの熱さが加われば最高だろうと思う。熱さだけならフォーミュラ1よりフォーミュラEの方が余程熱くて面白い。


蓋を開ける前から中身が分かっているレースなど、もう真っ平御免だ。

表向きは安全第一で良い。でも本音と建前を混同しては存在意義すら無くなってしまうことだろう。




危険の無いレース。そんなものを本当に愛せるだろうか?