2017年03月02日

面白い。ただひたすら面白い。それが全てだ。「人形の国(月刊少年シリウス2017年4月号)」弐瓶勉/講談社/感想

遅ればせながら、弐瓶さんの新連載を読んだ。

有り体に言って集大成に感じた。

クソ面白い。






それでなくとも分かり難い世界観(シドニアは非常に親切な設計だった)が多い弐瓶作品だからなのか、冒頭の世界観説明が若干野暮な気がしたものの、あっという間に惹き込まれる空間造りは流石としか言いようが無い。

あと、「BLAME!」の舞台になった果てしない階層都市の成れの果てのような建造物から物資を手に入れている主人公達を見て、思わず「これはナウシカだ」と頭に浮かんだ。フード付きの服のデザインも何処となくナウシカの服に似ているし、もしかすると弐瓶勉さんもナウシカのSF部分に惚れ込んだ一人なのかもしれない。

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本作でも安全帯が大活躍

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シドニアに引き続き輪郭を強調した効率の良い描き込みは健在




ナウシカというと、巨神兵のグロさや王蟲の群の気持ち悪さ、そして自己犠牲の大幅な美化が良くも悪くも話のネタになるけれど、ナウシカが腐海を探索する冒頭のシーンが僕は大好きだったりする。あの探索の日々だけを抽出した作品があっても良いくらいにわくわくせざるえない。そう考えると、まさにBLAME!とは僕にとって痒いところに手が届く作品だったんだなと、今更になって合点がいった。

弐瓶作品に付き物のキーワードが次から次へと登場するし、個人的な印象としてはBLAME!の続編的な位置に見える「人形の国」。シドニアより本来の弐瓶作品に近づいているようにも思う。シドニアから弐瓶さんを好きになった人たちがどれだけ付いて来るのか、少々意地の悪い古参ファンの心も疼く作品になりそうで楽しみである。


早くBLAME!の映画やノベライズ&短編アンソロが見たくて仕方ない............



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2017年01月12日

タフな女、お気楽な男、喋る猫が住まう星「マーチャンダイス 1巻」大石まさる/感想

僕は小柄で可愛らしい人も好きだが、むっちむちの豊満な身体をした女性も大好きだ。

でも、そんな好物も、一緒に乾物やら油物があってこそ美味しく思える一品なのだと、中年になってから思う場面が増えた。要するに、美女には美男だけじゃなく、おっさんやお爺ちゃんを絡めて頂いた方が絶対バランスが良いと言いたいのである。

そして、そんな願望を最近ちょくちょく叶えてくれるお人こそ大石まさるさんなのだ。






賞金稼ぎにして、アパート”マーチャンダイス”の大家さんでもある女性の元に集まって来る、一癖も二癖もある住民達のまともじゃない火星の日常を描いた本作、もう兎にも角にもキャラクターのバリエーションが豊かで、ちょっとキナ臭い話になっても、それを笑顔で押し退けるエネルギッシュさもあり、火星という生存困難な環境下で逞しく生きる人間が本当に愛おしく思えるのが素晴らしい。訳ありの童顔地球人美女、外道なのに愛嬌がある賞金首、へらへらと無害そうな顔をしつつ目からビームを放つ叔父様、社会的立場を放棄してまで釣りに現を抜かすお爺ちゃん、絵に描いたような美少女ロボと喋る猫、美女をスルーして車に夢中のお坊ちゃん、お世話好きで少々痛めだがナイスバディの大家さんなどなど、誰も彼も生き生きしていて気持ち良い。

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火星が舞台であることを、小難しい言葉抜きでそれとなく実感させてくれる設定群や背景の緻密な描き込みも相まって、彼ら彼女らの魅力が更に引き出されているようにも感じた。それと、やはり大石さんの漫画は女性が逞しくお茶目なのが清々しくて大好きだ。

1巻と言うことで、もう暫くはこの連中とわいわいやれそうなのは嬉しい限り。「ライプニッツ」「キラリティ」そして本作と続く喋る猫の旅は何処まで続くのだろう?いっそライフワークにしていただいて、それをにやにやしながら何十年でも読んでいたいなと思った。




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タグ:大石まさる
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posted by lain at 07:17 | 北海道 ☔ | 漫画 青年向け | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年10月05日

強欲と性欲は大体抱き合わせ「この世を花にするために」松本ドリル研究所/コミックヘヴン/感想

昨日はAmazonの定額読み放題サービスKindle Unlimitedの拙い対応に講談社が抗議した...なんてニュースが流れ、当のAmazonは勿論のこと、足元を見られる国内出版業界の不甲斐なさにも大いにため息が出た。なんだかんだそういう便利なサービスを大々的に始めるのはいつもアメリカで、少々不快でも日本人の僕らは使わずにいられないから救い難い.....

何故日本の出版業界は足並みが揃わないのか?いや、そもそもあらゆる分野においてまとまりが悪過ぎる。これほどオタク文化が浸透した国なのだから、団結すれば国内外へ日本の商品を発信する統一したネットサービスを立ち上げられるはずだ。自ら傘を広げるのではなく、目の前の大きな木の下でのうのうと雨宿りを決め込んだ者達があーだこーだ言っても、全くもって虚しい限り。




そんな不甲斐なさを噛み締めつつ、前々から表紙の絵が気になっていた「この世を花にするために」をKindle Unlimitedで読んでいたのだが、お色気路線云々の前に、これが成人指定じゃない日本の倫理観に驚いた。まるで中高生に擬似的なエロスを強要しているイメージビデオのように、開き直った露骨な性表現が繰り広げられているから、ガチなフェミニストには絶対気取られてはいけない漫画な気がした。
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こんなのはまだ序の口w



”松本ドリル研究所”さんは成人漫画畑の人なのだから、スケベな内容で当たり前だが、妙な爽やかさまで感じる絵なので性器の形まで分かるほどの限界さで展開するお色気とのギャップを物凄く感じてくせになる。ストーリー展開は様々な作品の影響が窺えるロボット物で、御多分に洩れず隠れた才能を持った主人公が強大な敵と戦いつつ真の力に覚醒していくような内容だ。敵も味方もデザインセンスは怪しいが、作者本人は楽しみながら描いているのが伝わって来て悪く無い。エロだけの作品でも無いからつい先を読んでしまう。無論定額サービスならではのお得感が付加されているからこそではあるけれど.......


まあ、何をどう取り繕おうと、おっぱいと尻の前には嫌らしい中年オヤジは無力な物です。今発売中の8巻からは第2部が開始ということで、僕としては中性的な顔の主人公の女装回(女性用パイロットスーツはしょっ中着てるけど)とか期待してるんでよろしくお願いします"○┓ペコリ

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