2015年05月04日

これだからラリーは止められない「WRC第4戦 ラリー・アルゼンチン」

 何故自分はWRCが好きなのか?

 車同士が並んで走るわけでもなく、エンジン音がド派手と言うわけでもなく、スポンサーのステッカーはあちこち貼ってあるけれど、F1のように作り込まれた見た目とは違い外観も市販車となんら変わらない。

 にも関わらず何故好きなのか?


 その答えが第4戦アルゼンチンには集約されていたような気がしました。





 開始早々そこら中、石だらけなアルゼンチンの洗礼を受け、次々とトラブルに見舞われるドライバー達。昨年度から連勝を続けて来たセバスチャン・オジェさえ早々に戦線離脱を迎える。速くて上手い安定度抜群なドライバーでもどうにも出来ない事態である。

 優勝候補の本命が離脱後もイレギュラーなコース状況に悪戦苦闘する彼らの中で、たまたま運良く酷いトラブルに合わずに済んだ男クリス・ミークが首位を取る。同じマシンに乗る同僚オストベルグは体調不良。周囲のトラブルの多さに慎重になってしまったのか、ワーゲン唯一の星になっていたラトバラのペースはイマイチ上がらない。悪く言えば先が無い中年男が優勝するのに、これほどのお膳立てはなかなか無い状態でありました。

 ところがリタイヤ数が多いミーク相手だと、これだけの好条件でもヒヤヒヤ物。どんな些細なことが彼を地獄へと叩き落すフラグになってしまうか分からないから、各セクションでのインタビューシーンでさえ見ているこちらが緊張してくる(あと一本走れば終わりと言う場面で、彼はインタビューに無言で応え、これが初優勝の重みなのだと神妙な気分になりました。)



 35歳のクリス・ミークは、ラリーのキャリア自体は長いものの、正直華のあるドライバーではありません。自分が思っている以上に走りが好調だと、後半プレッシャーに負けてペースを崩しリタイアしてしまう「またか」を嫌と言うほど見て来ました。しかし自分のミスにトコトン落ち込んでいる彼の表情を見ていると、生き方が不器用な苦労人臭がして、なんだか放っておけないのであります。

 結局、自分以上に不甲斐ないライバル達を差し置いて優勝を決めたミーク。パワーステージでオジェがトップだったことを考えると、決してミーク本人の実力で手にしたポディウムの天辺ではありませんが、それは本人が重々承知していることであるし、彼は彼なりにベストを尽くした結果の優勝を喜んで良いのだと思いました。

 ミークがレースを終えた直後、涙を堪えながら「一番支えてくれた人はもういない」と自然に今は亡き恩人へ感謝をイタンビュアー相手に語っていたのも感慨深いものがありました。彼のおかげで久しぶりにコリン・マクレーの名が世界中に響いた気がします。もしかしたらミークは今年の運を使い果たし、二度と優勝することも無いかもしれない。きっとオジェとフォルクスワーゲンが持ち前の安定感で勝利を重ねて行くことだろうし。でも、時にはこんなドラマが生まれる日があっても良いじゃないか。

IMG_7485.jpg




 およそ日本の道路事情では理解出来ないような大自然の中をコースと呼び、アクセルペダルを床まで踏み込んで恐ろしい速度のまま突き進むWRカーの躍動感や、付き物である激しいクラッシュの数々も勿論見応えがあるわけだが、指標となるタイムも無いままベストを尽くすしか無いドライバー達の生生しい表情をSS終了直後に確認出来る点がWRCの一番の魅力かもしれない。コース上での抜き合いが観れるわけでも無いのに、これほどTVで見ていて面白いレースがあるだろうか?

 安定した環境下で順位を競うF1とは明らかに違い、ビジネス以上に人生や誇りを賭けて仲間と戦うラリー関係者の気持ちがモニターを飛び出して伝わって来るから、観客も深く彼らと関わっている気になれるのです。

 今回は富にイレギュラーが起き易いアルゼンチンでしたから、ラリーというのがいかに過酷で遣り甲斐も見甲斐もあるスポーツであるかが良く分かるレースでした。



※油断すると速攻でこれである



 レースも人生も、水平線の先に何があるかハッキリしているより、少々波風が立っている中船を出した方が燃えて来ると言う物です。どんなに楽でも平坦な道のりでは飽きてしまうもの。

 まあ、ある意味そんな飽き易い条件の中をモチベーション高く維持して進める人の方が凄いと言う見方も出来るやもしれませんがね(´Д` )




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posted by lain at 07:05 | 北海道 ☔ | Comment(0) | モータースポーツ WRC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年02月03日

今年もやっぱりドイツが強いかWRC?!

 去年も途中からあまり放送に乗らなくなるほど強かったセバスチャン・オジェとフォルクスワーゲン。

 オジェとラトバラが二台共にリタイアし、まさかのヒュンダイのワンツーフィニッシュを許した第9戦を除くと、必ず二人のどちらかが表彰台の一番目立つところに立ち、第三の男ミケルセンも着実にポイントを稼いで総合3位で終え、フォルクスワーゲンの完全勝利に貢献していました。あまりにもワーゲン勢が安定していて正直面白みに欠ける時も多かったです。

 まあ、だからと言ってF1のように興味を無くすかというと、そんなことはありません。WRCは例外なく誰かがクラッシュしますし、トップを争うドライバー達の様子を車内カメラや各SSでのインタビューで確認出来る要素が他のモーターレースには無い面白さがあってついつい見てしまいます。荒々しく大自然を駆け抜けるWRカーとドライバーの個性をじっくり味わえることこそ、WRCの醍醐味なんですよね。




 そんなWRCが今年も幕を開けました。

 やはり終わってみればフォルクスワーゲンが強く、早速表彰台独占と言う結果でしたが、シトロエンのPRも兼ねて今回限りの出場をしたセバスチャン・ローブが二日目にマシンを壊すまでトップを走っていたのがとても印象に残る開幕戦ではありました。

 現在WTCCに本格的に参戦をしているローブは、去年総合3位なれど同じチームの中では一番下に位置しており、今年どれだけ盛り返して来るのかによっては、ラリーに戻ったらどうだ?と言う声も高まることでしょう。

 今回、ラリーに戻ってきたローブをファンは大喜びで迎えました。彼もまんざらでは無さそうというか、凄く幸せそうにラリーを楽しんでいましたし、去年一年びっしりシトロエンに乗っていたクリス・ミークより遥かに速かったのですから、当然もっと乗りたくなったに違いないw




 オジェがローブの走りを気にしていたのも面白かったですし、ローブのフル参戦はともかく、オジェとフォルクスワーゲンを脅かせる存在が欲しいところ。今年から他のマシンのタイムが車内で見れなくなったために、各々自分たちでペース配分を考えなければならなくなったので、気の抜けたタイム調整をする場面は無くなるだろうし、他のドライバーのタイムを気にせずに走れることで大化けするドライバーが現れる可能性も大いにある気がします。

 2017年からトヨタがWRCに復帰するというニュースも飛び込んで来て、ラリージャパンの復活も含め、この先数年もWRCが楽しそうだ (= ワ =*)







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posted by lain at 07:03 | 北海道 ☔ | Comment(0) | モータースポーツ WRC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2014年02月04日

今年はちゃんと開幕戦観れたw「2014年WRC開幕戦モンテカルロ」/感想

 長年王者に君臨して来た”セバスチャン”が引退し、新たな”セバスチャン”が伝説を作りつつあるWRC。

 今年は当然新たな王者を擁するフォルクスワーゲンがレースを引っ張ってゆく事は間違い無いのですが、今年はかなりドライバーやチームに動きがあって、2番手3番手が誰になるのかまったく読めず、しばらくは混沌としたチャンピオンシップになりそうで楽しみ。


 現状維持なワーゲンに対し、シトロエンは渋い選択で”クリス・ミーク”と”マッズ・オストベルグ”、フォードMスポーツは出戻りの”ヒルボネン”と初フル参戦の”エルフィン・エヴァンス”、そして去年WRC2で優勝した”ロバート・クビサ(クビカ)”もフォードから参戦。

 各チームベテランと期待の若手を組ませる順当なチョイスではありますが、シトロエンにクリス・ミークが入った事は意外と言えば意外でしたね。もっと一発の速さがあるドライバーを選んだ方が良かった気がしますけど、結果的にはクリスもオストベルグも安定した走りで1位オジェと2位に入った地元の”B.ブフィエ”に続いて3位4位でフィニッシュしたので最低限の目標を果たしてホッとひと安心という感じでしょうか?クリスよりもオストベルグ次第のチーム体制なのかもしれませんね。なんか今年も地味にワーゲンの引き立て役で終わりそうな嫌な予感がしますが.....


 そんなパッとしないシトロエンを飛び出したヒルボネンでしたが、古巣に帰ってもやっぱりパッとしませんでした。6位のエヴァンスからタイムが若干開いていたし、序盤連続トップタイムを刻むほどのペースでDAY1を3位で終えたクビサとは天と地の差が付いていました。その上最後にはトラブルでリタイアと言う運にも見放される始末。数年前にローブと同タイムを連発してた男とは思えない冴えない姿で本当に残念で仕方無い。 

 
 残念と言えば今年から参戦のメーカー”ヒュンダイ”

 若くて意欲的な”ティエリー・ヌービル”や”D・ソルド”を起用して、シェイクダウンでもしっかりタイムを出していたのに、開始直後ヌービルが自滅し、ソルドはマシントラブルで早々にOUT。どれだけ去年参戦初年度でチャンピオンを取ったフォルクスワーゲンが凄いことを成し遂げたのかが分かる結果でした。ファンとしてはこれくらい可愛げがある方が応援したくなりますがねw 去年2位に入ったヌービルの実力は折り紙付きですから、マシントラブルややる気の空回りなどで、シーズンを棒に振るようなことが無いことを祈りたいです。




 モンテカルロは雨やら雪やら標高で変わる難しい路面状況のおかげで順位がコロコロ入れ替わり楽しかったですね。ダークホースの”B.ブフィエ”が2位入っちゃいましたし。彼はこの先何処かでWRCに参戦して来るんでしょうか?地元じゃなくても速いのかどうなのか...ほんとローブや"ペター・ソルベルグ"が居ない選手権は新鮮過ぎて不思議な感じw

 次は完全な冬道スウェーデンですから、また違う上位争いになりそうで本当に楽しみだわ♪


タグ:WRC 2014年
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posted by lain at 07:14 | 北海道 ☔ | Comment(0) | モータースポーツ WRC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする