2017年10月30日

ラリーを愛し愛される男たち「WRC ラリー・グレートブリテン」感想

大自然に似つかわしくない存在でありながら、その勇姿と自然の融合に多くの者が魅せられているモータースポーツWRC。そのチャンピオンが昨夜決まった。5年連続同じ男である。


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こんな風に書くと、同じ人間ばかり勝っていて面白味に欠けるのではないだろうか?と思う人もいることだろうが、今年のチャンピオンには大きな価値があった。ドライバーにとっても見てるだけの人にとっても。なにせ頂点に輝いた男は、所属していたチームが母体である会社の不祥事で撤退したせいで、急遽加入したチームで慣れないマシンをろくにテストする暇もなく、手探り状態のまま戦い続けて王座を手にしたのだ。たとえ彼のアンチであろうとも、讃えずにいられないだろう。


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自然と流れる涙に初めて彼を愛おしく思った


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オジェと同じくVWから弾き出され、参戦したばかりのトヨタで悪戦苦闘したラトバラ。賞賛する気持ちと悔しさがにじみ出ていて印象的だった




12戦ラリー・グレートブリテンはフォードの為に用意されたかのようなGPだった。来季フォードを去るオット・タナックがフォードのマニュファクチャラーズチャンピオンを決めれば、苦しみながらも5年連続のチャンピオンを手にいれたオジェに続けと、独走のままエルフィン・エバンスが母国で初優勝というハットトリックっぷりには脱帽だった。これでワークスとして参戦してないだなんて信じられない。


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地味に良い仕事をするタナック。来季はトヨタで更なる飛躍を見せるのだろうか?


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まだあどけなく見えるエバンスも気づけば28歳。オジェも微笑ましく見守ってる場合では無いかもしれない。



最後に、10年間も王座から遠のき、ワークスが撤退してもなおフォードとラリーを愛し続けたMスポーツ代表マルコム・ウィルソンを讃えたい。ラリーをやるならこの男の下でやりたいと大勢が思ったはずだ。本当におめでとう。


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マニュファクチャラーが決まって瞬間


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オジェの年間チャンピオン決定時


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エバンスの(以下略)




もうこれが最終戦で良いんじゃないかと思った

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posted by lain at 08:37 | 北海道 ☔ | モータースポーツ WRC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年05月04日

これだからラリーは止められない「WRC第4戦 ラリー・アルゼンチン」

 何故自分はWRCが好きなのか?

 車同士が並んで走るわけでもなく、エンジン音がド派手と言うわけでもなく、スポンサーのステッカーはあちこち貼ってあるけれど、F1のように作り込まれた見た目とは違い外観も市販車となんら変わらない。

 にも関わらず何故好きなのか?


 その答えが第4戦アルゼンチンには集約されていたような気がしました。





 開始早々そこら中、石だらけなアルゼンチンの洗礼を受け、次々とトラブルに見舞われるドライバー達。昨年度から連勝を続けて来たセバスチャン・オジェさえ早々に戦線離脱を迎える。速くて上手い安定度抜群なドライバーでもどうにも出来ない事態である。

 優勝候補の本命が離脱後もイレギュラーなコース状況に悪戦苦闘する彼らの中で、たまたま運良く酷いトラブルに合わずに済んだ男クリス・ミークが首位を取る。同じマシンに乗る同僚オストベルグは体調不良。周囲のトラブルの多さに慎重になってしまったのか、ワーゲン唯一の星になっていたラトバラのペースはイマイチ上がらない。悪く言えば先が無い中年男が優勝するのに、これほどのお膳立てはなかなか無い状態でありました。

 ところがリタイヤ数が多いミーク相手だと、これだけの好条件でもヒヤヒヤ物。どんな些細なことが彼を地獄へと叩き落すフラグになってしまうか分からないから、各セクションでのインタビューシーンでさえ見ているこちらが緊張してくる(あと一本走れば終わりと言う場面で、彼はインタビューに無言で応え、これが初優勝の重みなのだと神妙な気分になりました。)



 35歳のクリス・ミークは、ラリーのキャリア自体は長いものの、正直華のあるドライバーではありません。自分が思っている以上に走りが好調だと、後半プレッシャーに負けてペースを崩しリタイアしてしまう「またか」を嫌と言うほど見て来ました。しかし自分のミスにトコトン落ち込んでいる彼の表情を見ていると、生き方が不器用な苦労人臭がして、なんだか放っておけないのであります。

 結局、自分以上に不甲斐ないライバル達を差し置いて優勝を決めたミーク。パワーステージでオジェがトップだったことを考えると、決してミーク本人の実力で手にしたポディウムの天辺ではありませんが、それは本人が重々承知していることであるし、彼は彼なりにベストを尽くした結果の優勝を喜んで良いのだと思いました。

 ミークがレースを終えた直後、涙を堪えながら「一番支えてくれた人はもういない」と自然に今は亡き恩人へ感謝をイタンビュアー相手に語っていたのも感慨深いものがありました。彼のおかげで久しぶりにコリン・マクレーの名が世界中に響いた気がします。もしかしたらミークは今年の運を使い果たし、二度と優勝することも無いかもしれない。きっとオジェとフォルクスワーゲンが持ち前の安定感で勝利を重ねて行くことだろうし。でも、時にはこんなドラマが生まれる日があっても良いじゃないか。

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 およそ日本の道路事情では理解出来ないような大自然の中をコースと呼び、アクセルペダルを床まで踏み込んで恐ろしい速度のまま突き進むWRカーの躍動感や、付き物である激しいクラッシュの数々も勿論見応えがあるわけだが、指標となるタイムも無いままベストを尽くすしか無いドライバー達の生生しい表情をSS終了直後に確認出来る点がWRCの一番の魅力かもしれない。コース上での抜き合いが観れるわけでも無いのに、これほどTVで見ていて面白いレースがあるだろうか?

 安定した環境下で順位を競うF1とは明らかに違い、ビジネス以上に人生や誇りを賭けて仲間と戦うラリー関係者の気持ちがモニターを飛び出して伝わって来るから、観客も深く彼らと関わっている気になれるのです。

 今回は富にイレギュラーが起き易いアルゼンチンでしたから、ラリーというのがいかに過酷で遣り甲斐も見甲斐もあるスポーツであるかが良く分かるレースでした。



※油断すると速攻でこれである



 レースも人生も、水平線の先に何があるかハッキリしているより、少々波風が立っている中船を出した方が燃えて来ると言う物です。どんなに楽でも平坦な道のりでは飽きてしまうもの。

 まあ、ある意味そんな飽き易い条件の中をモチベーション高く維持して進める人の方が凄いと言う見方も出来るやもしれませんがね(´Д` )




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posted by lain at 07:05 | 北海道 ☔ | Comment(0) | モータースポーツ WRC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年02月03日

今年もやっぱりドイツが強いかWRC?!

 去年も途中からあまり放送に乗らなくなるほど強かったセバスチャン・オジェとフォルクスワーゲン。

 オジェとラトバラが二台共にリタイアし、まさかのヒュンダイのワンツーフィニッシュを許した第9戦を除くと、必ず二人のどちらかが表彰台の一番目立つところに立ち、第三の男ミケルセンも着実にポイントを稼いで総合3位で終え、フォルクスワーゲンの完全勝利に貢献していました。あまりにもワーゲン勢が安定していて正直面白みに欠ける時も多かったです。

 まあ、だからと言ってF1のように興味を無くすかというと、そんなことはありません。WRCは例外なく誰かがクラッシュしますし、トップを争うドライバー達の様子を車内カメラや各SSでのインタビューで確認出来る要素が他のモーターレースには無い面白さがあってついつい見てしまいます。荒々しく大自然を駆け抜けるWRカーとドライバーの個性をじっくり味わえることこそ、WRCの醍醐味なんですよね。




 そんなWRCが今年も幕を開けました。

 やはり終わってみればフォルクスワーゲンが強く、早速表彰台独占と言う結果でしたが、シトロエンのPRも兼ねて今回限りの出場をしたセバスチャン・ローブが二日目にマシンを壊すまでトップを走っていたのがとても印象に残る開幕戦ではありました。

 現在WTCCに本格的に参戦をしているローブは、去年総合3位なれど同じチームの中では一番下に位置しており、今年どれだけ盛り返して来るのかによっては、ラリーに戻ったらどうだ?と言う声も高まることでしょう。

 今回、ラリーに戻ってきたローブをファンは大喜びで迎えました。彼もまんざらでは無さそうというか、凄く幸せそうにラリーを楽しんでいましたし、去年一年びっしりシトロエンに乗っていたクリス・ミークより遥かに速かったのですから、当然もっと乗りたくなったに違いないw




 オジェがローブの走りを気にしていたのも面白かったですし、ローブのフル参戦はともかく、オジェとフォルクスワーゲンを脅かせる存在が欲しいところ。今年から他のマシンのタイムが車内で見れなくなったために、各々自分たちでペース配分を考えなければならなくなったので、気の抜けたタイム調整をする場面は無くなるだろうし、他のドライバーのタイムを気にせずに走れることで大化けするドライバーが現れる可能性も大いにある気がします。

 2017年からトヨタがWRCに復帰するというニュースも飛び込んで来て、ラリージャパンの復活も含め、この先数年もWRCが楽しそうだ (= ワ =*)







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posted by lain at 07:03 | 北海道 ☔ | Comment(0) | モータースポーツ WRC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする