我が青春のOVA1987 #12「レリックアーマーLEGACIAM」北爪宏幸(原作・監督・キャラデザ)/懐アニ/感想

僕の不確かな記憶によれば、90年代中盤のアニメまでは、2期3期ありきで中途半端に終わるTVシリーズは少なかった気がする。「スレイヤーズ」のように続編が作られた物だって、一つのシーズンでちゃんとストーリーが完結していた。

だから、今ほど「続きが観たい!」とじりじりすることも無かったわけだけど、OVAはそうでもなく、生産性に見合わなければあっさり未完に終わったものだった。ZZガンダムの製作陣が大勢関わっている「レリックアーマーLEGACIAM」もずばりそのパターン。

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のどかな場所で祖父と暮らす麗しい少女

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彼女は祖父の実験の手伝いで着るタイプのメカを装着
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しかし、そのメカを求める者たちの襲撃を受け云々、といった分かり易い展開




既に上の画像で理解したと思うが、キャラの作画は良いのに主役のメカが残念だったりする。何やら人類を救う切り札になるとかならないとかいうメカでありながら、特別凄い性能があるようにも感じないし、初めて観た時同様全然記憶に残りそうにないデザインと動きだと思った。

こうなると、全力でキャラ見するしかなくなるわけだが、そういう意味でなら見応え充分である。止め絵は当たり前に綺麗だし、静止画だけだと作画崩壊にしか見えない部分も動いていると表情豊かでキャラが生き生きしており退屈しない。

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僕のお気に入りの女の子。オーバーなくらいコロコロと顔が変わって可愛らしい。

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その女の子にまんまと騙される間抜けも良い崩し方で良かった

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主人公たちが持つメカを執拗に追い回す女史。表情こそ固いがそこが萌える.....






レガシアムはまさにこれからという所で終わりを迎える。どうせならもう一本サクッと作ってしまえば良かったのにと素人的には思ってしまうが、どうも本作を作っていた北爪氏のスタジオが経理のおばちゃんに金を持ち逃げされたせいで壊滅し、完全に続編はありえない物になってしまったそうだ。

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友人たちとビデオを回し観していた頃は、そんな裏話も知る由もなく、絵は綺麗だけどストーリーが微妙だからコケたんだろうと言い合っていたものだが、単純にコケただけの話でも無かったのだなぁと知って少しだけモヤモヤが晴れた。

アニメ業界にはとんでもない話が沢山あるが、そんな逸話ばかりで構成されたシャレにならない業界アニメとか見てみたい。それこそ娯楽にならない位生々しいやつを......

我が青春のOVA1987 #11「迷宮物語」りんたろう/川尻善昭/大友克洋/懐アニ

久しぶりの出張で酷い宿を掴まされ、自棄酒を飲みながら(といっても小ちゃいのを一つ)本作を観ていたのだけど、酒で溶けた脳みそでも「凄いなぁ」と思うほど手描きのパワーを存分に思い出させられた。



「迷宮物語」 | バンダイチャンネル





当時の流行だったオムニバスの形式で、少女が猫と共に不気味な場所へとピエロに誘われてゆく冒頭と締めの「ラビリンス*ラビリントス」からして強烈で、人物の手足や背景の歪み、落ち着かない不気味な音、少女やその母親らしき女性の温度を感じない喋り方、どれをとっても感覚を狂わされる。思わずツッコミたくなるような隙すら容易に与えないから、あっさり現実に引き戻されるようなこともほぼない。


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これに挟まれるようにして2作品が鎮座していたわけだが、どちらも負けじとトラウマ物の迫力で、川尻監督の「走る男」は80年代のサイバーパンクを匂わせる潰し合いレースの孤独なチャンプの末路を描き、兎に角尋常じゃ無い勝負への執念、というかもはや怨念のレベルに至ってしまった男の最後をこれでもかと見せつけていた。


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懐かしい感じのコンソールが格好良い

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圧巻の絵力にグーの音も出ない...





大友監督は大友監督で、誰もが羨むようなスタッフ(作画監督”なかむらたかし”、原画”森本晃司”)と共に、どこぞの国ででかい工事を受注していたのが政権交代で中止を余儀なくされたものの、全自動で機械任せにしていた現場が勝手に工事を進めているためサラリーマンである主人公が1人で止めに行くという有りそうで、そんなの無いだろうという、当時高度成長期にあった日本ならではプロットである「工事中止命令」が怖いやら滑稽やらで面白かった。


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鼻息荒く工事を止めに来たものの


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機械がひとつも言うことを聞いてくれなくて疲労感がつもっていき...







今時の作画スタイルに馴染んでしまった若い視聴者が、手描きの荒々しい躍動をどう感じるかは知る由もないが、けして懐古趣味の一言で片付けて良い作品では無いだろう。もしも本作を今の技術を用い、これ以上の仕上がりで僕らに観せることが出来るというなら話は別だが、まず無理だ。そもそも無駄に綺麗な仕上がりになったら、この味わいは損なわれるだろう。


「この時代だから創れた」


今の時代が作っている物も然り、その時時にしか生まれない物があるのだ。古いとか新しいではなく、その時代その時代の良さに気づける自分でありたいものである。








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1年限定の復活劇「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 Blu-rayメモリアルボックス」高山文彦(監督)/感想

ガンダム初のOVA、しかも富野由悠季製ではないという点でも初(SDガンダムは除く)だった機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争が、とうとうブルーレイになった。


俺の誕生日に発売とか泣けるわ....



第1巻「戦場までは何マイル?」発売から28年目でのBD化だったわけだけど、何故このタイミングだったのか?いっそ30周年に合わせても良かったような気はする。とはいうものの、やっぱり0080は良い。4Kスキャニングによる元のフィルムの味わいも損なわれておらず、1年戦争の片隅で起きていたであろう人間ドラマとして今観ても泣けた。きっと本作のせいでジオニストとして生きる決心がついたガンダムファンも少なくないだろう。多分。


映像特典の面では微妙だが、今回のBDを買って良かったのは今まであまり触れてこなかった(当時の僕が0080絡みの本を読んでいなかっただけかもしれない)製作の裏話がブックレットで読めたこと。富野監督ではない監督を立ててガンダムを作ったプロデューサーの苦労話(高山文彦監督だけでなく、押井守監督にもガンダムの話を持っていったり、脚本を田中芳樹さんにお願いしてみたりしたそうな)であるとか、オジさんキャラを描くのが苦手だったと吐露するキャラデザの美樹本晴彦氏が語る高山文彦像や、制作進行が見た現場のぴりぴりした感じなどが存分に伝わるインタビュー記事が面白かった。インタビューを受けたどのクリエーターも高山監督から何かしらの影響を受けたと口にしているのが印象的だった。流石”仙人”と呼ばれる伝説の男である。


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業界から離れていると好き勝手に言われるらしいw




0080を境に、ガンダムは数多くの番外編、もしくは新規シリーズが作られることになり、それは未だに継続中だ。しかし、初代から連なる”宇宙世紀”物で無理のない外伝は0080ただ一つだと僕は思う。勿論多少強引でもシチュエーションが楽しい外伝は沢山あるものの、富野由悠季製ではないのに自然と受け入れることが出来るのはこの作品だけだ。今回のBDに付いていたブックレットのインタビューを読んで、その理由がよく分かった。ここまではありえたかもしれないという線引きをしっかりと考え仕事に挑んでいたのが大きかったのだ。特に高山監督がガンダムのファンでもなんでもなく、0080の仕事を引き受けてから客観的にガンダムを鑑賞したのも功を奏したように思う。アニメファンが作るアニメより、実写ファンが作るアニメの方が痺れる絵作りが出来るのと似ている。


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雨に濡れるザクのマニュピレーター。打ち捨てられた感が実に痺れる

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MSの出番は少ないが印象的なカットが多い


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おっさん2人の深刻な横顔が僕のお気に入り


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のちに「M.S.ERA0001~0080―ガンダム戦場写真集」として発売されたほどEDの絵一枚一枚にドラマがあって素晴らしかった




ガンダムがアホみたいに出て来る作品も、それはそれで面白いが、ガンダム=特別という感覚は薄らいで大量生産のお安い商品に見えなくも無い。NT-1アレックスも試作機という扱いで地味な点が良いと思っている。終盤まで見ていると、人間ドラマとしてじわじわ来るものがあった08小隊にしても、量産型のガンダムが大量に登場してゲンナリさせられた。なにせガンダムの量産機といえばジムなのだ。こういう整合性は案外大事だったりする。


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シンプルで雑味のないデザインが良い




とは言っても既に一人歩きしているものを止めることは生みの親にも無理な話だ。初代好きからしたらたまったものではないが、それぞれの世代がそれぞれのガンダムを愛するのを否定するのも何か違う。だから、僕は僕でアル少年の勇気とエゴを、バーニィの優しさと愚かさを、そしてクリスの知らない罪を代わりに胸に刻んで生きて行けば良いのだろう。


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大好きだよバーニィ....アル.....


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サイクロプス隊......





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関連過去記事

戦いの跡には....「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争/高山文彦/サンライズ/1989年/アニメ」