我が青春のOVA1987 #13「Good Morningアルテア」懐アニ/感想

12月も中旬となり、なんだかんだで姪っ子達へのクリスマスプレゼントを考えなきゃならないと、昨夜はネットを眺めていた。

結局、例年通り金に物を言わせるかのような駄目な大人っぷりでニンテンドーのプリペイドをあげることにした。

一応、それだけでもあれだから、クリスマス仕様の大きな靴下にお菓子と共に入れてやろうと思った。


すっかり、貰う側からあげる側になってしまったものである....




そんな話はさておき、今回30周年を迎えたOVAは「Good Morningアルテア」。隠れた名作との呼び声もあったりなかったりする本作、個人的には正直隠れたままの方が良いような気がしないでもない。


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まるで日本とアメリカのような構図だ。第三の脅威が居ないと結束出来ない辺りが更にアメリカを匂わせる

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メカと美少女と呪文(?)が入り混じる本作らしいタイトルロゴ




製作陣は物凄い。「覇王大系リューナイト」や「星方武侠アウトロースター」の伊東岳彦が別名義”Black Point”で原作を担当し、原案”板野一郎”、作監”谷口守泰”、キャラデザ”菊池道隆”、メカデザ”逢坂浩司”と知らぬ者がいないメンツがぞろぞろ名を連ねている。しかし、出来上がった物はどうかというと.....なんとも言えない不協和音でお世辞にも名作とは言い難い。

キャラ、これは良くも悪くもこの時代の物だろう。あまり格好よくは無いが、メカも当時のSFの色がよく出ている。作画に関してもそこそこまとまっていて、この時代なら有りだろう。

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あの時代のヒロインは全裸登場がざらだった。初回でラッキースケベが展開する今時のアニメをバカに出来ないレベルでだ....

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全体的なディティールは微妙だが、細かな部分への拘りは感じられる




結局のところ、世界観やセリフ、そしてせっかくの設定を活かしきれていないまま、ラブロマンスに落ち着くところが微妙に感じるのかもしれない。こころなしか堀川りょうさんの演技にも熱が入っていないような気も今見るとしてしまう。ヒロインの演技が粗末だったからかな?......

優秀なスタッフがいれば良いアニメが出来上がるわけではないな思う作品である。改めて観直してみても、イマイチ面白いと感じなかった。今でこそ大御所と呼ばれる人たちも、当時はまだ新鋭と言える年齢だったわけだし、あの頃の作品をどんな風に感じているのか聞いてみたいものだなぁと思った。


我が青春のOVA1987 #3「妖刀伝」

手描きの時代に無理が来て、今や3DCGを活かそうという動きが収まりそうに無い昨今、手描きならではの味わいが減って行くのは嫌だと言う人でも、一昔前とでは比べ物にならないくらい豊かな表現力を手にした今の3DCGアニメを無視することなどまず出来ないことだろう。僕も類に漏れず、それはそれ、これはこれ、と分けて考えられるほど3DCGに心を許し始めている。


だから30年前の妖刀伝を今観る事に"郷愁"以外の意味などあるのだろうか?と内心思わなくもなかった。思い出補正の残酷さを、ここ10数年の間にほとほと経験して来たこともあって、どんなに当時好きだった物でも素直に振り返ることが出来ない体になってしまったからだ。しかし妖刀伝は観始めると刻の流れも何処へやらで普通に楽しめてしまった。それこそ10年以上ぶりに観たせいもあるのだろう新鮮で仕方なかった。今の自分だからこそというのもあるに違いない。



バンダイチャンネル『劇場版 戦国奇譚妖刀伝』http://www.b-ch.com/ttl/index.php?ttl_c=2911

※正規のルートでの動画配信は劇場版のみ




里を滅ぼされた2人の忍が出会い、残されたもう一つの忍の里へ落ち延びるも、織田信長の裏の顔である朧衆の襲撃を受けその村も壊滅。どうやら各村に伝わる刀にとてつもない力があるようだぞというところで第1巻が終わるのだが、まるでお手本のような作りが清々しいほど懐かしくも新しかった。今時「彼奴(きゃつ)」とか「ならぬ!」というセリフが飛び出す作品なんて滅多に無いし、ロリではない美少女や、チャラくない美形を拝める点も新鮮だ。


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女であることを隠しているつもりの綾之介だが....


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こんな美脚が男で通るかw


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今時草を噛んで登場するハンサムはまずいないw


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絵に描いたような悪役ありがとう"○┓ペコリ



同年にダンガイオーの作画監督も務めている大貫健一氏のキャラクターは麗しい人も、そうでない人も、どこか味がある。井上和彦、矢尾一樹、若本規夫、小林清志、etc.....の声がこの絵に乗るのは反則だろう。まだアンパンマンになっていない戸田恵子の声の初々しさもたまらないものがあった。どうして現代は幼く見えるキャラばかりにアニメの世界はなってしまったのだろう?成熟した女性の色香に興味が無いのだろうか?非常に謎である......


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キャラクターが年相応の見た目で描かれる作品は落ち着く





大事な物を失った者達が、強い意思の力で悪を断つ妖刀伝の王道なファンタジー時代劇は、その後の「鎧伝サムライトルーパー」や「THE 八犬伝」のような作品の誕生にも少なからず影響したのでは無いかと思う。今年の頭に放送された「鬼平」も面白かったが、忘れた頃に時代劇は見たくなるものだ。


あまり売上の面で寄与しない中年が言っても栓なきことだが、大人による大人の為のアニメがもっと欲しい。若者向けのアニメを年寄りが一緒になって楽しむのも悪く無いが、心から望んでいる物が、過去にしかないようになってしまうのは実に寂しい。


それが幸か不幸かは別の話ではあるけれど......








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我が青春のOVA1987 #2「笑う標的」高橋留美子(原作)/高橋資祐(監督)/スタジオぴえろ

我が青春のOVA1987 #2「笑う標的」高橋留美子(原作)/高橋資祐(監督)/スタジオぴえろ

今年で30周年を迎えるOVAを振り返るシリーズ第2回は、幅広い世代に愛される稀有な漫画家”高橋留美子”さんの短編「笑う標的」。


主人公はちょっと弓道の腕に自信がある少年で彼女持ち。後輩の女の子にもちやほやされ、かなり羨ましい。

そんな彼には許嫁までいて、その子が身内を亡くしたことをきっかけに、主人公の家に身を寄せることになったからさぁ大変....


明るい路線の高橋留美子作品なら、ここから底抜けに馬鹿馬鹿しい付かず離れずのラブコメが展開するところなのだけど、古典ホラーの「笑う標的」はそうはならない。昔の約束を心の支えにして来た許嫁の少女が、主人公の今カノを亡き者にしようとするのである。

何をどうやって亡き者しようというのかは、とりあえず置いておくとして、本作の疎遠になっていた恐妻から愛人を守る的な構図と、恐妻が何故恐妻になってしまったのか?という過去描写のバランスが良いため、終わってみれば1時間に満たない尺でありつつも恐ろしいはずの恐妻がとても愛おしく感じてしまうことだけは伝えたい。彼女の生い立ちを考えると、本当に遣る瀬無い.....

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あまりにも子供の頃の話で許嫁にピンとこない少年と今カノ

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そこへ現れる色白の美人。まるで喪服のようなセーラー共々素晴らしい存在感

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そんな美人もこうなっちゃ台無しだ....



個人的にはかなり心に焼き付いている本作だが、ネット配信どころか実はDVDにもなっていないため、合法的に見る手段が非常に限られる(原作は直ぐ手に入る)VHS版はまだ手に入ると思うので興味が湧いたら見てみて欲しいものだ。

まあ、何度となく自作がアニメ化されて来た留美子先生である。マスターさえ残っていればいつかBD-BOXか何かで、他の不遇なアニメ化作品と共に発売されそうな気もする。

「人魚の森」もそうだけど、シリアス系の高橋留美子さんもやっぱり僕は大好きだ。





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