2016年05月03日

奪っても奪われても恨みっこナシよ〜♪....なわけあるかーい!な世界「マッドマックス 怒りのデス・ロード」ジョージ・ミラー(監督)/感想

 なんか物凄い物を観た。

 色んな事が起きていた気もするが、そんなボンヤリした感想しか出ないほど兎に角凄い物だった。





 199X年


 日本人ならついそんなキーワードが頭をよぎる肩パットと荒涼とした風景のマッドマックスだが、勿論こちらのシリーズが本家であって、「お前はもう死んでいる」と口にしている方こそ影響を受けた張本人だ。人気のゲーム”Fallout”シリーズだって、マッドマックス2が無ければ生まれることは無かったというのだから、その偉大さは計り知れない。

 今でこそ核兵器で汚染され、生き残った者達は限られた物資を奪い合う日々を送っているという設定は使い古された感があって、何を今更と言いたくなる人も多いに違い無いけれど、新たに造られた「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の畳み掛けるような映像ギミックを目にしたら、まだこんなに面白くする余地のある世界観だったのか!と驚くことでしょうね。

 こんな撮影の仕方で人死を出さずに済んでいるだなんて本当に信じられなかった。なるべく車両を動かさずに激しいシーンは撮ったようですが、素人目にはCGと実写の区別がつかない為、一切興ざめすることも無く楽しめました。「青の6号」の”前田真宏”さんも参加しているそうですが、細かなところまでハイセンスなデザインで何処と無くお洒落(ヒロインが微妙にハイテクな義手を付けているのが地味にSFで良い)で、大仰に飾った車を駆って正気じゃ無いボディペイントの男達が飛び回る様には初めてサーカスを目にした時のような興奮が蘇ります。

 個人的にとても最高だったのが、泥臭さ200%だったこと。虫をぱくりと頂き、金ヤスリでせわしなく鉄仮面を外し、ガソリンを口に含んでチャージャーの吸気口に一生懸命吹き付け、生きる為にならどんなことでもしてみせる姿が滑稽でありつつも格好良いんです。主人公なんて輸血用の人間として囚われてしまいますし、子孫を残すのに絶対必要となる健康な母体を宝のように扱われているのも切実でした。

 全体的には、ただ車で移動しているだけの大味なアクション映画ではあるけれど、将来に希望を見出せず狂信的になっている人々の状態や、そこから脱却しようとする者達の葛藤が実に素晴らしい熱量で描かれているから、ちゃんと心に残る物もありました。あまりにも感覚的過ぎて、やっぱりボンヤリした感想しか湧いて来ませんがね.......





 正直これほど面白いとは思っていませんでした。劇場には行かなくて良いだろうとさえ考えた。あまりに評判が良過ぎて、無駄に懐疑心というか、捻くれ心が刺激され映画館への足取りを重くしてしまったのもあります。でもこれは絶対劇場で観るべき映画でした。勿体無いことをしたものです....

 あと2作品マッドマックスを作りたいという”ジョージ・ミラー”監督。まったくとんでもない71歳も居たものですね。次回作が糞楽しみだ。




 俺のギターをキケェェェェエ!!!
web拍手 by FC2
posted by lain at 08:22 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年04月28日

SWに"悪いロボット"がやって来た「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(原題:STAR WARS: THE FORCE AWAKENS)」/J・J・エイブラムス(監督)/感想

※若干ネタバレ












製作が決定した時は劇場で観ようと普通に思っていたのに、映画が出来上がってからのあまりにも金をかけたプロモーションが鼻について、すっかりテレビ放映待ちに切り替えていたスターウォーズEP7でしたが、昨日早くもデジタル配信が始まったと聞いてついレンタルしてしまいました。





今回は初めてルーカスじゃない人が舵を取り、彼の威光を物ともしないSWが誕生したのですから、いずれ訪れるかもしれない”小島秀夫”製じゃない『メタルギア』が(ライジングはさておき)無理矢理作られるのと同じで、当然あちこちから不満が上がるはずだと思いきや、大半の反応はその逆で、こういうスターウォーズを待っていた!と喜んでしまったから皮肉な話。

ルーカス個人の新しいことをしたい気持ちをポジティブに汲み取っていたコアなファンには物足りない作品かもしれないが、僕としてもJ・J・エイブラムス製のSWを気に入ってしまった。あまりそこまでSWに詳しく無いのと、関連作品(漫画・アニメ等)にも精通していないからこそ、過去のSWをなぞるような演出や登場人物配置にイラつく事も無く最後まで楽しめたのもあると思います。ガンダムSEEDを見た時のモヤモヤに比べれば、そよ風みたいに可愛いものでした。

IMG_1458.jpg
IMG_1457.jpg
大きな船の残骸から出て来るレイがナウシカにダブって見えた

IMG_1459.jpg
乱れた髪も可愛らしいデイジー・リドリー

IMG_1450.jpg
砂漠には不向きに思えるが、身体を転がして移動するアイディアは凄く面白くBB-8は可愛い

IMG_1455.jpg
新たなる仮面の男。かなり小心者ではあるものの、レイ同様にこの先の変化が楽しみな存在。

IMG_1464.jpg
待ってましたのコンビ復活。これだけハリソン・フォードが動けるならブレードランナーの続編も楽しみであります






あぁハン・ソロ老けたな....レイア姫もだな......チューバッカは変わんねーなぁ....と、しみじみ思ったし、彼らと所縁のあるキャラクター達がドラマを盛り上げ本当に楽しいお祭り騒ぎで、新たな主人公であるレイやマスコットのBB-8もキュートで魅力的。レイ役の”デイジー・リドリー”はまだライトセーバーの使い方が下手だけど、師も居ない状態での戦いだったのだから当然なのかもしれない。EP8以降でいかにデイジーが成長した姿を見せられるかによって、新たな三部作が成功するかどうかが決まるのかもしれない。

IMG_1469.jpg
感動の
IMG_1468.jpg
再会....








IMG_1470.jpg
お前空気読めよC-3PO

IMG_1476.jpg
出逢い・再会・決別と、印象的なシーンが続くEP7ですが、この二体が戯れるシーンも微笑ましくて好きだ



それはそうと、今回はなんと敵側のキャラが味方に付くという展開になる。子供の頃に何処ぞから攫われ兵士として教育されたが、殺戮に駆り出された先で良心の呵責に苛み、囚われたレジスタンスの男を助け共に組織を逃げ出すストームトルーパーの男なのだが、ガチガチに洗脳教育を受けて来たわりに、感情豊かでお調子者なのが少し気になった。感情はまだ死んでいるが、微かに残った善なる気持ちが離反への道へ誘った....みたいな、人間味が目覚めつつある機械のような人物の方が僕個人としてはしっくり来たかもしれない。まあ、彼がいたことで重過ぎない笑いのあるSWへバランスを取れたというのはあるのだろう。

IMG_1456.jpg





どこからどこまでがCGなのか本当に判別出来ない時代だと痛感する美麗な美術も素晴らしかったし、ダースベイダーの意外な残し方も味わい深い....
IMG_1460.jpg
IMG_1463.jpg
IMG_1462.jpg

IMG_1466.jpg
IMG_1465.jpg
IMG_1467.jpg







序章も序章であるけれど、いきなり大ボスのようなえげつない物と戦うことにもなるし、あの人が早速お役御免になるなど、のんびり懐かしい気分で故郷を眺めている暇が無いほど見せ場が満載でごく普通に楽しいSWでした。次は本当に劇場で見たいかもしれない。やっと登場したかと思えば、1分そこそこで一言も発せなかったマーク・ハミルとデイジーの絡みにも期待が膨らむ。派手な戦闘シーンも楽しいが、そこに至るまでの地道な特訓風景というのもSWの醍醐味だと思うから。




次も頼んだよエイブラムスター・ウォーズ

211F5058-4389-48A7-8F1A-C9EF11186C92.png

web拍手 by FC2
posted by lain at 07:21 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年02月07日

どんなに文明が反映しようとも第一次産業は欠かせない「オデッセイ(原題:The Martian)」リドリー・スコット(監督)/マット・デイモン(主演)/感想

 近年、何度こう思ったかしれないが、今一番面白いのはSFでは無いだろうか?

 僕の個人的な旬も然る事乍ら、毎年のように質の高いSF(化け物が出て来る物ではなく、現実に起こりうるかもしれない事態を描いた作品)が作られ、観客もそれに歓声で応えていることから、決してマクロな人気では無いことが伺えます。

 勝手な解釈としては、年々高まる国・人種・宗教という摩擦に嫌気が差して、アメリカお得の全員の気持ちを一つに出来る目標が欲しくて”宇宙”に希望を見出したいというのがあって、近未来に実現しそうなSFが増えているのかもしれないし、もしくは宇宙がいかに過酷な場所であるかを知らしめ、この狭い地球で仲良くやって行くしか無いんだよ、と訴えかけているように思えなくも無い。

 そして、「オデッセイ」は、その両方の要素を大事にした作品だったように感じました。





 冒頭、火星の有人探査を行っていた”マーク・ワトニー”等アレス3のクルーを予想外の大砂嵐が襲い、命辛々火星からの脱出を果たすが、風で飛んだアンテナが直撃してしまったマークは死んだものと判断され、独り不毛の地”火星に取り残されることになる。しかしマークは全然挫けない。Mr.ポジティブ。植物学者としての才能を遺憾なく発揮して、次のミッションで誰かが火星にやって来るまで生き延びようと行動を開始します。

 専門的知識が無くともそれと分かる緻密で、正確性のある長期的プランをマークが練って実行して行く過程が、とても丁寧に描かれていて、火星に独りで居る怖さだけでなく、火星で生きる面白さも存分に感じさせられました。勿論すんなり彼の作戦が成功するわけもなく、トラブル続きではありましたが、なんとか連絡を取れるようになったNASAの面々に支えられ、最後にはリドリー・スコット映画とは思えないぐらいの爽やかさで幕を閉じたのも新鮮でしたね。



 特殊効果もかなり良かったし、有る物でなんとかしようとするマークをマット・デイモンが絶妙な匙加減で演じているのも素晴らしかった。開き直ったマーク。憔悴したマーク。脱出が近付き感情が込み上げ顔をくしゃくしゃにするマーク。涙こそ最後まで溢れなかったけれど、彼の喜怒哀楽にかなり引き摺られた為、ラストシーンの穏やかな彼の表情には物凄く安堵しました。

 ベタと言えばベタな映画ではあるけれど、火星におけるサバイバルのディティールが細やかであることで、ワンランク上の映画に感じる良作です。少しアメリカらしいご都合視点もあるけれど、過剰にアレルギー反応が出るほどではありませんでした。


 ただ一つクレームを付けるとしたら、わざわざタイトルをそれらしい意味を持った「オデッセイ(長期の放浪,長い冒険)」に変えて日本で上映したことくらいでしょうか?

 語感とか詩的な意味においては良いタイトルかもしれませんが、情緒より泥臭いサバイバルが脳裏に残る作品なので、ずばり火星人と言う名を付けた原題『The Martian』の方が皮肉で良かったんじゃないかと思いました。オデッセイだと思って観てるのに、タイトルコールで全然違うタイトルが表示されるというのは、どうも好きになれないですね。






web拍手 by FC2
posted by lain at 11:03 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする