稚拙と芸術は紙一重だなぁと思う春アニメ

平成天皇が上皇となり、令和に元号が変わって3日が経った。当然生活に変わりはない。

令和と共に始まった僕のGWも早や三日目。初日は家の雑務と車のタイヤ交換等の整備に費やし、二日目は掃除をしようと思っていたはずが居眠りしていた。今日こそ掃除をしなければならないなと思うものの、ツイッターを眺めだしたらやる気が沈んでいった。だから、とりあえず春アニメの話をしよう。



継続視聴予定作品

・異世界かるてっと
・ULTRAMAN
・鬼滅の刃
・キャロル&チューズデイ
・群青のマグメル
・賢者の孫
・この音とまれ!
・この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
・さらざんまい
・進撃の巨人Season3
・川柳少女
・ダイヤのA actⅡ
・八月のシンデレラナイン
・叛逆性ミリオンアーサー2期
・フェアリーゴーン
・フルーツバスケット
・文豪ストレイドッグス3期
・みだらな青ちゃんは勉強ができない
・MIX
・RobiHachi
・ワンパンマン2期





ズバリ本題(小言)から入ると、あまりにも童貞脳や社畜脳が心身の癒しをストレートに求めた直視するのが辛い作品が多すぎた。教師が都合良くお色気を提供してくれる作品であるとか、戦国時代からタイムスリップしてきた幼女に子作りさせようとしたり、800歳設定の狐幼女に甘やかされたいものまで、男の脆弱さしか感じない露骨な内容ばかりなのだ。

他にも「ふたばにめ」という枠内で放送されている3作品も相当な病みっぷりで、自分の汚らしい部分を存分に見せつけられているみたいで癒される前にモヤモヤしてしまった。こういうニッチなものは同人でやれば良いのではなかろうか?作っている本人達も、こんな安っぽい手法で性癖を暴露するような真似をしていて楽しいのだろうか?ちょっと理解に苦しむ。どうせやるなら幾原邦彦監督の「さらざんまい」レベルのクォリティで何もかも曝け出すくらいじゃないとお客にも響かないだろう。



三人の男の子達が河童に出会って無理やり河童にさせられてしまい、わけのわからないゾンビから尻子玉を手に入れなければならないという説明し難い内容なのだが、男の子達が河童にさせられる時の描写であるとか、尻子玉を取り出す方法などが兎に角際どくてなんとも言えない。これまで培って来た幾原演出をフル動員させてるみたいな感じがして、訳がわからないのに訳がわかってしまういつもの面白さがある。男の子それぞれに大きな声で言えない欲望があり、それらの扱い方も実に上手い。性的な部分だけの話をするなら先ほど挙げたアニメ達と変わらないのかもしれないが、同じように見えても芸術性の有る無しでこうも印象が違うものである。



そういう意味でいうと、「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」も意外と楽しめた。大昔にPCで遊んでみた時は、主人公の喋り方が嫌いで直ぐにやめてしまったものの、アニメという形で改めて見てみると結構SFで良いじゃないかと思ってしまった。この作品が無ければシュタゲも生まれなかったのではなかろうか?題材次第で素材の悪さが吹っ飛ぶ実例みたいな作品である。どうでも良いけれどPC98の起動画面懐かしい......






今期も勿論漫画原作のアニメが沢山あるわけだが、前々から評判だった「鬼滅の刃」は確かに面白かった。キャラの描きわけや、戦闘シーンの説明口調が中年的には気になったものの、鬼に家族を惨殺され唯一生き残った妹も鬼になってしまったという主人公の背負ったものの大きさが久々に直球の不幸ストーリーで好みでしかなかった。彼らにどんな試練と救いが待っているのか普通に続きが気になってしまう。




他にも可愛いキャラとは裏腹にドロドロとしたものが渦巻く「群青のマグメル」や再びアニメ化された「フルーツバスケット」などもあるが、まあそれは置いておくとして、珍しく野球アニメが多いことも印象的だった。まさかの続編製作「ダイヤのA actⅡ」や、タッチの世界から30年後の明青学園野球を描く「MIX」、未だメジャーとは言えない高校女子硬式野球をトムスが作るという取り合わせの「八月のシンデレラナイン」まで、毛色も違うから悪くない。『野球アニメが無いなぁ』と会社の後輩が以前口にしていたが、今は逆にサッカーアニメの方がジリ貧な気がしてならない。終わったばかりのキャプ翼、ショタ萌え勢が熱く燃えあがるイナズマイレブン、ほぼほぼサッカー成分関係なかった「潔癖男子!青山くん」を除けば「DAYS」くらいしか浮かばない。そうだ、DAYSは2期やって欲しいものだなぁ.....




そんな混沌としたラインナップの中、個人的に一番良いなと感じたのは「キャロル&チューズデイ」。家出して来たお嬢様チューズデイと、雑草魂で生きているキャロルが道端で出会い意気投合して一緒に音楽を始めるというサクセスストーリーの素直さだけでなく、ヒットする曲はAIが作ったものばかりというSF設定がかなり効いていて、第三の少女がそれを体現していくのが興味深い。未来の火星が舞台ということもあって、美術面も力が入っており、演奏シーンや劇中使用される楽曲自体の仕上がりも上々。世界規模でアニメを売ろうというのが伝わってくる意欲作だ。渡辺信一郎とボンズで無ければここまでヤれない良い仕事。ちなみに大塚さんの役が一番好きだ


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余談だが川柳や箏を扱った作品も面白かった。「川柳少女」は上手く喋ることが出来ないから筆談しかも短冊に書いて周囲とコミュニケーションをとる少女と見た目ヤンキーの少年の初々しさが萌えるし、箏のアニメ「この音とまれ!」でもヤンキーが良い味出していて、どちらも地味に毎週楽しみにしている。製作会社が代わった影響が手に取るように出来上がった映像から伝わってくるワンパンマンの2期や、高松信司さんらしいお馬鹿アニメRobiHachi、妖精をスタンドのように使って戦うフェアリーゴーン、お馴染みのラノベ4作品のキャラがぷちキャラになって楽しませてくれる異世界かるてっと、実写版ウルトラマンと直接的な繋がりで描かれるULTRAMAN(Netflixオンリー)まで、なんだかんだで観てしまうものが多く春アニメは苦労しそうだ。




何でもそうだけれど、疲れるまでやるのは毒でしかない。アニメも本当に今見たいものだけに絞った方が断然身体に優しいだろう。

程良く楽しいうちに止められる人間になりたいものである....
posted by lain at 11:05北海道 ☔アニメ

ようやく春らしくなって冬アニメを想う”おっさん”の小言

3ヶ月毎に更新されるのが当たり前で、子供向け以外では長年続くシリーズというのも非常に限られ、まるで風景があっという間に過ぎ去る新幹線に乗っているみたいなアニメの世界。見ているうちは「見終わるのか?」というくらいの物量なのに、終わってみればあっさりしたものである。





この春完結(シーズンを終えた)した冬アニメのうち、自分は何が楽しめただろう?と気の抜けた頭をほんの僅か働かせてみて浮かび上がったのは、まだ完結していない「どろろ」「モブサイコ100」の2期、そして「かぐや様は告らせたい」だった。あとからレコーダーをチェックしたら、「風が強く吹いている」「ケムリクサ」「えんどろ〜!」「私に天使が舞い降りた!」「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」「約束のネバーランド」「荒野のコトブキ飛行隊」「リヴィジョンズ」なんかも楽しく見てたよなぁとは思ったものの、トータルで痺れた作品は最初にあげた3作品だったかもしれない。特に原作通りエスパー大戦争になったモブサイコ100は、もうこれ以上ないくらいの作画でアクションに次ぐアクションで、コンテから作画までとんでもない労力が滲み出た仕上がりに鳥肌が立ちっぱなしだった。未だに村田雄介版のワンパンマンしか受け付けない人は多いが、ONE氏の絵柄なればこそのバランスで訴えかけてくる生々しさが確かにある作品なので、食わず嫌いで放置するのは本当に勿体なく思えてならない。




かぐや様については、最早おじさんが語るべき何物も存在しない。力を入れるべき場所を間違えてる(主に鈴木雅之と千花)ことが、あんなに評価された作品は久々だろう。テンポの良い掛け合いで恋愛下手な二人の奥手っぷりを誇張する笑いも最高に面白かった。きっと冬アニメの中で一番続編が待たれている作品に違いない。そういえば恋愛ネタで言うと、「五等分の花嫁」や「ドメスティックな彼女」もあったわけだが、前者はどんどん飽きが来てしまった(花澤香菜演じる長女の一人勝ちに見えた。いや、”らいは”も捨てがた......)し、後者は懐かしのメロドラマを見るようで好きだったが、誰もが自分本位で動いている恋愛事情を見ているうちに、もう勝手にやってくれという気持ちも少なからず湧いてしまってスッキリはしなかった。まあそれを意図した作品なのかもしれないけれど、イキナリどんなものか知りたいからと、知り合ったばかりの男子高校生(主役)とセックスをしてしまうヒロインに健気な立ち位置を与えつつ、妻とは別れると言ってばかりで別れない男と不倫していた挙句、その恋を諦めさせた自分に恋してる男子高校生(主役2回目)に甘えてしまう女教師が姉妹で、しかも二人の母親が男子高校生(主役3回目)の父親と再婚し兄妹・姉弟になってしまうとか、どんだけ運命に弄ばれてんだよと言わずにはいられなかった(裏山)

恋愛物以外でも当然キャラ萌え作品は山ほどあったけれど、それらのOPやEDがなかなかに萌えたなぁという感覚もあった。私に天使が舞い降りたはどちらもテーマ曲と合わせた子供の可愛らしさいっぱいでついつい飛ばさずに見てしまい、えんどろ〜!なんかはOPのサビのハモりで気分を上げ、EDで水瀬いのりの成長を噛みしめるというのを繰り返していた。なんのかんの言っても可愛いが自分も好きなのだと痛感する....





そこそこバランスのとれたラインナップの中、微妙に仕上がりにムラがあったのが続編勢かもしれない。単調でもう見なくても良いかな?と思っていた「逆転裁判」が、ここに来て意外と良い塩梅だったと思えば、「賭ケグルイ」でOPとEDの仕上がり込みで作画の危うさを目の当たりにし、尺の問題なのか原作の問題なのか黄色信号が点りそうだったのは「ソードアート・オンライン アリシゼーション」だった。新たなテーマに沿って、新仮想世界に旅立つことになるキリト。きな臭い現実世界の流れや、仮装世界のルールの拘束力に抗う展開は非常に良いのに、神聖術を駆使して戦うシーンがイマイチピンとこなかったのが大きかった。あれだけ途中足早に展開しておいて今期だけで終わらないというのも残念の極み。なら最初から丁寧にやれば良かったのではないか?と突っ込まずにいられなかった。SAOの原作はまだ終わっていないそうだが、プロジェクトに関わる人間が増え過ぎた作品はストーリーが路頭に迷うケースが非常に多く、SAOの結末もどうなっていくのか不安しかない。

不安で言うと「とある魔術の禁書目録」もド偉い不安だ。もうこの先作られることも無いのではないというくらい端折って進むから観客は完全に置いてけぼり状態だった。まるでレンジでチンして表面だけで熱く芯が冷え冷えな食べ物みたいである。売りである中二病展開がお寒く見えてならなかった。監督である錦織博さんのことは好きだし、こんなに足早に仕上げるような人でも無かったと記憶しているが、これは会社が悪いのかなんなのか.....これまでシリーズが積み上げてきた物を、あっさり崩してしまいかねない所業は残念を通り越して虚しかった。何年ぶりかに復活した「ブギーポップ」も出だしは良かったのに少しずつ視聴者との溝が出来ていったような気がした。現代でこそ存在感が増すキャラクター造形だけに不完全燃焼は否めない。








つい先日、モンキー・パンチさんや小池一夫さんが亡くなられたが、お二人とも80を少し過ぎたくらいで、もうそんなお歳を召していたのだなぁとしみじみ思った。そりゃ自分も40を越えるわけである....なんというか、生き急いでも仕方がない年齢に差し掛かって思うのは『そろそろ原作を消費するだけのアニメ作りは止めにしないか?』だったりする。見る側としては無駄な作品を見ている暇など年々減ってゆくし、作り手だって限られた時間を有意義に使い、自分の仕事を後から振り返った時”俺はよく頑張った”と後進に胸を張れるような仕事をしたいはずだ。クリエイティブな仕事はお金だけでも創作だけでも成り立たないのは重々承知しているが、どんなに僅かな隙間でも狙える時は積極的に作り手の我が儘を通すべきだと思う。

最近の当たり障りの無いお客が付いて当たり前の作品の数々はハッキリ言って見飽きてしまった。それ自体が楽しくないわけではないが、それだけではアニメを愛し続けることが自分には出来そうに無い。どんな作品にも何か一つでも作り手の意地が垣間見える瞬間が欲しくてたまらないのだ。



さて春アニメはどれくらい『二度とやりたくない』と満足げに微笑むクリエーターの顔が見えて来そうな作品があることだろう....








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posted by lain at 07:06北海道 ☔アニメ

ガンダム40歳の日に

この度40歳を迎えたということで、音楽でも映像でも様々なジャンルでお祝いなのか便乗なのか分からないイベントが満載の機動戦士ガンダム。よくよく考えなくても自分の方が先輩なんだなと思うと、色々と生きるの辛くなるからやめておこう...



初めてガンダムシリーズに触れたのは、1991年のクリスマスの夜に放送された劇場版「機動戦士ガンダムⅢめぐりあい宇宙」だったと記憶している。それでガンダムの面白さを知り、TVシリーズを見たくなったものの、当時再放送を行っていたのはテレ東だったため、まだ本放送を行なっていなかった地域の人間としては当然見れず、わざわざ立派なアンテナをテレ東見たさに立てていた親戚の叔父さんの家に用事がある時だけ、ガンダムを見ていたものだった。

その後高校に入ってからレンタルでTVシリーズから劇場版三部作、そして富野監督以外が手掛けたOVAも見ることとなってゆくのだが、今回はあえて触れないでおこう。正直ガンダムのことを話始めたら幸せなことも辛いこともキリがないからだ。富野さんの関わらないガンダムの中にはどうしようもない作品が当然あり、直接手を下した作品の中にすら小首をかしげるような作品だってある。それはもう過ぎた話だからそっとしておこう....


今回せっかくだからと、めぐりあい宇宙とTVシリーズの1話目を見た。めぐりあい宇宙は富野さんや安彦さん達が納得いくまで作り直した作品だけに、当然の出来栄えで思い出を一切汚さない一本として揺るがず、久々に見たTVシリーズも歴史的な作品に相応しい幕開けで素直に”面白いな”と思ってしまった。ストーリーもカメラの配置も映像演出も良く練られていて素晴らしい。何度も目にしているはずのシーンで感動するなど、愚の骨頂でしかないが、良いものはやっぱり良い。無重力をここまで描いたアニメ作品は初めてだったのではなかろうか?色んな部分を改めて良いなと思ったけれども、その中でもザクとホワイトベースの格好の良さがたまらなかった。これは見せ方の勝利で間違いない。

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その後の作品を知っていると、様々なセリフやシーンに意味深なものを勝手に感じてしまうし、派生作品への欲求もむくむくと擡げてきた。ジオンの少年兵がゲリラ戦に駆り出されていることをテム・レイがブライト相手に嘆いているシーンを見ていたら、命懸けで連邦に立ち向かわなければならなくなった少年達を描いた外伝が見たくて仕方なくなっていた.....0080とはまた違うアプローチでジオンのゲリラ物語が一本やれそうである。

記念すべき40周年の年に、未だ富野監督のGレコ劇場版が不確定なのは残念だ。初代が公開された頃より遥かに金を持っているはずのサンライズが、もしかすると最後になるやもしれない富野ガンダムに及び腰なのは褒められた話ではない。まるで採算に合わなくとも最後に好きなものを作らせた鈴木敏夫さんとはえらい違いである。まあ、ジブリは富野由悠季さんすら素直に自分より上だと認める巨匠二人のためのスタジオだったわけだから一緒くたには出来ないけれど。




何十周年というのは、どうも十の桁が奇数の時の方が響が良い気がする。20周年よりは30周年。40周年よりは50周年といった感じに。

どうか、その時まで富野由悠季さんには元気でいて欲しい。少しまえにN◯Kでガンダム誕生秘話という番組がやっていたが、富野さんと一緒にガンダムを作り上げた安彦さんも、もういつ死んでもおかしくないくらい顔へ年輪が露わになっていて切なさを禁じ得なかった。ただ生きていれば良いという話でもないが、いつまでも精力的にやってくれていたら、こちらも負けていられないという気分になれるから、クソジジイ供には長生きして欲しいのである。



これからのガンダムも、更に誰のものでもない存在になってゆくに違いないが、気が向いたら伝説の白いモビルスーツが大地に立つシーンを、若い世代にも観てみて欲しいものだ。普遍のドラマがそこにはあるはずだから....









バンダイチャンネル https://www.b-ch.com/titles/929/
posted by lain at 15:52北海道 ☔アニメ