2017年06月16日

陽子さんの姿勢はカールのように丸まってはいなかった

知らずにすめば心穏やかでいられる事柄が、否応無しに伝わってくる良いのか悪いのか分からない情報化社会で生きていると、何かと不平等を感じてしまい自分の不甲斐なさを棚上げして怒りに任せてしまいたくなることが多いけれど、人生の最後だけは皆平等だったりするから笑えない。




幾つになってもTVの中で綺麗な立ち振る舞いを見せていた野際陽子さんは、そんな平等・不平等に嘆く生き方はしてこなかったろう。訃報を聞いた著名無名を問わない人々の惜しむ言葉がそれを物語っている。


『どこに生まれるかは選べない。でもどう生きるかは選べる。』


努力出来た人、努力している人は揃ってそう口にする。実際にはどう努力しても才能が無かったり、努力する才能自体に恵まれなかったり、つくづくDNAの恐ろしさを感じてしまうことの方が多い。それでもやらないよりやった方がよほど生き方としてマシ。そう感じさせてくれる女性だった。







やって来たことの正否に関係なく結果は間違いなくついてくる。長年愛され続けていると勝手に思い込んでいたカールの全国展開の終焉にしても、もっとやりようがあったのではないかと明治製菓に言いたくなってしまう反面、じゃあ僕らはこれまで何をしていたんだ?という自省もある。


後悔した時には大抵手遅れだ。どんな場所・時代・自分であろうとも、せいぜい虚勢を張って生きてやろう。誰でも無い自分の為に。



とりあえずカール食べて元気だしなっせ.....


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2017年04月16日

死んだのは人なのに、漢の時代の死を見ているようだった....

故金日成の誕生日と、女児殺害の容疑者としてPTA会長が逮捕されたニュースばかりでメディアが賑わうなか、静かにボトムズのキャラクターデザインを手掛けた男の死が報じられた。


埼玉 三郷の団地で火事 遺体は高齢夫婦と確認





アニメ業界というのは、何かにつけてストレスの多い世界だから、内臓や精神をやってしまう人も非常に多い。だから、そんな業界で普通に寿命を迎えられる人は、よほどの幸運の持ち主か、そこまで自分を追い込めない凡人か、辛いことを鈍化する能力もしくは発散するのが上手い人でまず間違いない。しかし、その男は、そうしたストレスと関係ない理由で亡くなった。無論火災だって自分の意志で起こせば自殺なのだが、遺体が発見された場所から推察するに、火元から逃げようとして煙にやられた典型的な窒息死の可能性が高い。仕事で命を削り燃え尽きるのと、些細な不注意で命を落とすのと、どちらが作り手として幸せだろうか?と少し考えてしまった。


ただ、その男は既に大きな仕事をやり終えた人ではある。「無敵鋼人ダイターン3」「太陽の牙ダグラム 」「装甲騎兵ボトムズ」「機甲界ガリアン」「鎧伝サムライトルーパー」と聞いて、どれもこれも名前を知らないという人は、30代から上ならまず居ないことだろう。僕は年齢的に、初回放送を見ていたのはサムライトルーパーだけではあるものの、ボトムズは後々ハマり他の作品もサンライズを支えた偉大な作品として胸に刻まれている。漢が漢に惚れる絵を描かせたら右に出る者はいないと言いたくなるくらい、男の時代を象徴する仕事を全うして来た職人だった。


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ガンダムより明らかにデザインのセンスが上のスコープドッグには未だ熱心なファンが多い


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精悍な顔つきの割に、隙が多く危なっかしい主人公キリコだが、最近のアニメに多い若いくせに何もかもお見通しな主人公より親しみやすい。


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1話目にスキンヘッド&全裸という衝撃的な登場をしたあと、しばらく音沙汰がなくなるヒロイン”フィアナ”。こんな大人っぽいヒロイン今時滅多にお目にかかれない。





今はもう、男の時代では無い。男女同等どころか女性の時代だ。では、男の成した仕事は、その昔漢だった者が感傷に浸るだけの物になったのだろうか?昔を振り返るだけの人には未来が無い。それも一理あるだろう。でも、そもそも昔が無ければ今は無く、未来だって生まれようが無いのも事実である。


時流は単純に多数派が作る。それが良いのか悪いのかは関係ない。だから本当はわざわざ多数派のルールに合わせる必要も一切無いのだけれど、人と違うことに不安を覚えずにいられない僕らの心の弱さが選択を誤らせる。どんなに少数であっても、自分が信じる価値を死ぬまで抱いて行けたら最高に幸せなことだろう....





話が脱線してしまったけれど、心より塩山紀生さんのご冥福をお祈りいたします。


きっと貴方の残した物を受け取った誰かが、渋い漢の世界を見せてくれると信じています....




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タグ:塩山紀生
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posted by lain at 11:40 | 北海道 ☔ | 日記 訃報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年12月30日

終わりと始まりが近い今だから思うこと

 ようやく待望のお正月休みに入り、存分にだらけようと思ったものの、なんやかんやで出歩いたり掃除したりでやっぱり年末は忙しい。今朝も飲まず食わずで除雪や風呂掃除に突入して今やっと人心地ついた。

 誰かが「俺が休む時は死んだ後だ」と言っていたけれど、僕はもっと休みたい...




 まあそんな愚痴も生きていればこその話。今朝ほど根津甚八さんが亡くなったニュースに気づいてしみじみそう思った。嬉しいのも腹立たしいのも哀しいのも楽しいのも、その全部が生きているから感じられる物。どんな辛い感情でも、”それ”をそれとして認識出来ることだけは喜んで良いのかもしれない。生きてさえいれば、未来への可能性は0では無いのだ。

 そんなことを言ってる僕の人生は”諦め”に染まった人生なので、某バスケット漫画のように「諦めたら、そこで試合終了ですよ」なんて胸を張って言えやしないし「生きてなんていられないよ」と思い詰めた人をどうにかしようとも思わない。他人には分からない苦しみがその人にはあるのだろうから。でも、自分より生きようとして生きられなかった人を目の当たりにして、それでもまだ生ある自分の不甲斐なさを棚上げにしてまで死にたいと口に出来る人がいるのだろうか?少なくとも僕には出来ない。最低な人間だけど、そこまで恥知らずにはなりたくはない。

 今年も沢山の人が亡くなった。テロで天災で事故で病で寿命で。人が死ぬのは何も珍しいことではないけれど、本人の意思に関わらず訪れる死は兎に角遣る瀬無い。今年一番辛かった死は、オタクな僕らしく”水谷優子”さんだった。誰にも病気のことを知らせず、亡くなる直前までラジオの仕事をこなしていた彼女の声を聴いていると、ただただ涙で前が見えなくなっていた。水谷さんと長年一緒にラジオをやってきた”あかほりさとる”氏が、悲しみと怒りがぐちゃぐちゃのまま彼女と作り上げたラジオ番組最後の収録に挑んでいたのも忘れられない。

 他にもスネ夫役でお馴染みの”肝付兼太”さん、「笑ウせぇるすまん」の”大平透”さん、プラネテスのハチマキやハイキューの烏養繋心役”田中一成”さんまで、印象的な役者さんが次々と亡くなられて辛い一年だった。実写もアニメもどんどん本格派な役者が去って行く。人生を削ってまで演技をしない若者ばかりになって、この先演じる世界は大丈夫なのだろうか?と、老婆心的な不安が頭から離れない。




「下を向くんじゃねぇー!バレーは常に上を向くスポーツだ!!」

 烏野バレー部が挫けそうな時、烏養コーチはそう言った。最高に痺れる瞬間だった。

 きっとこのシーンに心打たれた役者達が、今度は自分の番だと頑張ってくれるものと信じたい。

 死は生の糧にもなるのだから.....
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posted by lain at 10:10 | 北海道 ☔ | 日記 訃報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする