2016年08月27日

人間を撮る為にゴジラを撮ったのか、ゴジラを撮りたくて人間を撮るのか?「ゴジラ」1954年/本多 猪四郎/円谷 英二/感想

どしーん、どしーんと響く足音と共に、不安感を煽るテーマ曲で幕が開く初代ゴジラ。

60年以上前の映画だと言うのに、妙に迫力を感じる作品だった。





理由が分からない船舶の事故が多発し、海沿いの町が何かに襲われ、そこへ調査団がやって来た所でゴジラが登場し、そこからはゴジラを倒そうと人々が躍起になる。元祖怪獣映画ならではの単純明快な作品なのだが、それ故に逃げ惑う人々やゴジラの挙動の上手さが際立って見えた。おかげでミニチュアと着ぐるみであることを忘れて映画を楽しんだ。

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終戦からまだそれほど経っていない時代だけに、エキストラも皆演技とは思えない険しい顔。

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少年の叫び顔も迫真である。このまま戦時中の写真だと言って公表しても、誰も疑わないことだろう...


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ちょっと顔が崩れてる感じがちょっと可愛いゴジラだが....

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暴れ出すと手がつけられない




”傍若無人”まさにそんな言葉が当てはまる所業を繰り返すゴジラは、神の御使いとでも言うべき存在であり自然災害そのもので恐ろしい。初代を観た後、一連の「〇〇対ゴジラ」なんて見る気も起きないくらい本作は見せ方が上手いと思った。情報開示の有無で揉める議会、人間の業によって変異した生きた化石のゴジラを死なせたくない生物学者、ゴジラが目前に迫ってもマイクを手放さない報道マン、ゴジラを倒す事が出来る発明をしていながら悪用されたくないが為に公表出来ない科学者など、ゴジラに対面した人達それぞれの葛藤も実に良かった。

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シン・ゴジラは庵野秀明映画だから会議シーンとか多いんでしょ?と、皆が思っていた通り会議シーンは多かったわけだが、初代ゴジラも関係各所の反応をしっかり撮っていて、あぁこういう映画を観て育ったから庵野秀明さんの作品はあぁなのかと改めて思ったし、陰影がハッキリ出る白黒映画の色褪せない味わいも再実感。観たかどうかも思い出せないこの時代の他の映画も見直したくなった。






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posted by lain at 07:25 | 北海道 ☔ | 映画 国内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年07月31日

庵野に会いに行った先で、ゴジラと入籍した気分だった「シン・ゴジラ」庵野秀明(総監督)/樋口真嗣(監督)/東宝/感想

「◯◯◯一枚下さい」

 なんて久しぶりに口にした。春先に映画へ行こうと思ったら、映画館など無い地域へ出張が決まり行く気を削がれたし、普段はオンラインでチケットを確保出来る劇場で映画を観ているから尚更だ。

 本当にいつ振りなのだろう?などと悠長に考える暇も無く、仕事終わりに滑り込んだ映画館。勿論観たのは庵野秀明と樋口真嗣がタッグを組んだ「シン・ゴジラ」だった。





 本当の本当に、これっぽちも特撮への執着が無い(本当はそこそこ好きですよ(はぁと))ような人生を送って来た僕としては、庵野監督で無ければ絶対ゴジラを劇場で観るなんてことはありえない話である。なにせ末っ子の僕は姉達や親とのチャンネル争いに負け続け、ウルトラマンや宇宙刑事物を最初から最後まで観るのは不可能だった。仮面ライダーだって大人になってから目覚めた程度の免疫しか無い。それがゴジラになると更に興味が無い話になる。小学校の頃、同級生達がゴジラだ!モスラだ!と騒いでいた風景が思い出されるばかりで、それ以下でもそれ以上でもありはしなかった。

 そんな僕でも今回のシン・ゴジラは面白かった。若い世代にも分かり易く例えるなら、踊る大捜査線に巨大生物が登場したような内容です(踊る自体エヴァからの影響が強いし、エヴァはエヴァで昔の特撮から影響を受けているのだから、この例えは以外と不穏当かもしれない) 踊るのようなギャグはほとんど無いものの、個性的な役者が非常に多く配置(竹野内豊石原さとみのような受けの良い役者もいれば、塚本晋也さんやマフィア梶田くんまでいる)されているため、庵野さんらしいテンポと間の取り方が上手い会話シーンが成立していて、あまりの小気味良さに思わず笑ってしまった。

 もう兎に角、実際にゴジラが現れた場合、国はどう対処していく事になるのかを、行政に協力を仰ぎ入念に調べ上げた結果の産物でスクリーンは埋め尽くされていた。政治家が、消防が、警察が、自衛隊が、そして一般人が、ゴジラという自然災害の前でどう動き、何が出来るのか?そういったディティールが実に良い。形式ばかりで滑稽な行政機関に対し、「仕事ですから」と現場を代表してサラリと言い放つ”國村 隼”さんの格好良さったら無かった。久しぶりに自衛隊頑張れ!と思ったりもした。



 肝心要のゴジラだが、これもまた凄かった。初登場シーンでは「なんじゃこれ!」と驚かされ、再登場シーンでは夜の東京を恐ろしいまでに美しく破壊し、ただただ見惚れてしまった。リアリティのある動きをちゃんと演算して作れる時代に、昔の特撮の味を忘れず落とし込んでいるのがまた面白い。家家をなぎ倒し、船舶や車を除雪するように跳ね除けていくゴジラは、目覚めたばかりの無邪気さで戯れているようで、不謹慎にも可愛いと感じた。

 最後は寄ってたかって人類様が彼を虐めることになるが、物言わぬゴジラの勇姿には色々と考えさせられた。先も上げた夜の東京での大暴れの際、現体制の全てを破壊し尽くした後、眠りにつくゴジラが僅かに見せた哀愁からも、もしも政府相手に鬱憤を晴らすことに成功しても、こんな表情で虚しさを噛み締めることになるだろう、というメッセージを感じ、短絡的で貧しい思考を見透かされた気分になった。共通の困難が現れないと結束出来ないのは、相変わらず人類の残念なところではあるけれど、人間が己を見つめ直すきっかけを生み出せるだけのエネルギーがゴジラには在ったのだと、この歳になってやっと知れたのは嬉しいことだ。





 この出来ならエヴァを後回しにするのも十分理解出来る。彼方此方見所満載で飽きさせない良い映画だ。個人的にはエンドロールまで痺れっぱなしだった。なにせ本作同様ゴジラの為に関係各所がこれほど集まっているのだと痛感出来るエンドロールだったのだから。

 こんな庵野を待っていた

 こんなゴジラを作りたかった

 こんな映画を観たかった

 様々な”こんな”が、シン・ゴジラを待って居たのだと思うと、ただそれだけで胸が熱くなる季節である......









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posted by lain at 09:58 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 国内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年07月14日

"青春"っていう元号も良いんじゃないか?「ぼくらの七日間戦争2」

昨日の夜、突然今の天皇が生前退位するとの報道が流れ、宮内庁が直ぐ様それを否定するという騒ぎがあった。まともなニュースを流す連中もこぞって報道していたから、あながち嘘では無いのかもしれなけれど、法律の面で生前退位が明記されていないらしく、結局どうなるのかよく分からない話だった。

これで平成が終わる

次はどんな元号だ?

これを機に西暦に統一して欲しい

よし、次は天皇総選挙だ!

などと、ネットでは不謹慎にもわいわい盛り上がったのは言うまでもない。冗談はさておいて、天皇という仕事は兎に角生まれた時からお仕事みたいなものであるし、定年制のようなものを決めておいてあげた方が良いような気がする。どんなブラック企業より自由が無い生活を送っている方達が、70歳80歳を越えても自主引退出来ないというのは流石にどうかしているよね?




そんな騒ぎをネットで眺めながら、僕はちょっと夏休みを先取りしていた。先取りと言っても実際に休んでいたわけでもなんでも無く、ふと思い立って子供達が沖縄を堪能する映画「ぼくらの七日間戦争2」を観ただけの話ではあるけれど...

「ぼくらの七日間戦争」と言えば、"宮沢りえ"の名を轟かせた名作で、学校や親に嫌気がさした中学生達が戦車を動かし廃工場に立て篭もるという展開が衝撃的だった。実際劇場へ観に行った僕は、子供そっちのけで仕事に遊びに奔走する親を持ち、そんな親達に全てを押し付けられた教師達の鬱憤の捌け口にされる子供達に自分を重ね夢中になっていた。今じゃ一切名前が上がらないような彼らでも、当時の気持ちが篭った演技は素晴らしいの一言に限る。敵役となる先生達も、真顔で人を殺しそうな人達が実に良い緊張感と笑いを提供してくれていた。特に佐野史郎の演技はキレまくりだった。

ところが、2になるとこれがガクンとレベルが下がってしまった。肝心要の子役の演技には期待出来ないし、そもそも脚本が微妙。おかげで前作と同じく子供達の罠にかかって悲惨な目に逢う先生達の演技までもわざとらしく感じ、鑑賞後はなんとも言えない気分になった。

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ピンで絵になるのは当時売り出し中だった"具志堅ティナ"ぐらい

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前作から続投の教師達を筆頭に、やられっぷりばかりが目立つ映画だった

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リゾート開発地の地上げ担当状態だった内藤さんも若い

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ソリのような物に乗せられ、いつの間にかご満悦の当時36歳




もういっそ佐野史郎を主人公にして撮れば良かったんじゃないかとさえ思えてしまう出来だったけれど、戦車が登場するような1作目を超えるのは元から無茶な話だったんだろう。それとも前作と同じ子供達が出演し、ストーリー的にも繋がった話だったなら、また少し違う可能性もあったんだろうか?

ただ、B.B.クィーンズの『ぼくらの七日間戦争〜Seven Days Dream〜』がバックで流れる中、気球で飛んでゆく子供達はとても気持ち良さそうで、高い所が苦手のくせに気球に乗ってみたいと年甲斐もなく思わされた。

まったく、飛べない豚ほど飛びたがるものであるブヒ(´・(00)・`)ブヒヒ





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タグ:佐野史郎
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posted by lain at 06:59 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 国内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする