2017年07月18日

僕でも知ってる凄い人「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(原題 Night of the Living Dead)」ジョージ・A・ロメロ(監督)/1968年/感想

せっかくの連休を当然のように棒に振ってダラダラ過ごしていたところに、ゾンビ映画の先駆者である”ジョージ・A・ロメロ”監督の訃報が届いた。享年77歳である。宮崎駿(76歳)も危ないな...




僕がゾンビ映画をまともに観るようになったのは20代半ばのこと。友人が兎に角ロメロゾンビが大好きで、あれこれ見せられているうちに自分からゾンビ物を観るようになっていた。それまでもホラー映画は沢山観ていたものの、素人目に観てもロメロ映画は一味違い、醜く粘着質なゾンビの圧力以上に人間の悍ましさこそ恐ろしいかった。それはロメロ作品第一号の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」でも存分に描かれている。






七人の男女が、夢遊病者のように歩き回り襲いかかって来る連中から逃れ同じ民家に逃げ込み、それぞれ生き残るための行動を取ろうとするのだが、意見がぶつかったり決死の脱出計画を実行しても足並みが揃わずピンチに陥って行くという、端的に説明するとありきたりなプロットだが、制作されたのが1968年であることを考えると、黒人の男が保守的な白人の男と衝突することには違う意味があるように思えるし、ヒロインに思えた白人の女が生き残らないことにすらなにかしらの意図を感じてしまう。

映画の中で、登場人物達が情報を求めてテレビやラジオをつけると流れるニュースのリアルな作りや、終盤のゾンビ(本作ではリビングデッドと呼ばれている)を処理する警備団と黒人男の最後、そしてエンドロールに至るまでの渇いた空気感にはなんとも言えないものがあり、ありがちなホラーの後味とはまるで違うから、今見ても価値があるなと思った。

本作にはロメロ本人も脚本・総指揮で参加しているリメイク版があって、ついでにそれも観直してみたのだけど、オリジナル版より娯楽性が増している分失っている物もあるが、より生者の負の感情の流れが鮮やかになっており、人間の醜さが存分に表現出来ているから、これはこれで面白いなとも思った。




ゾンビは社会的弱者そのものであると誰かが言っていたが、ウォーキングデッドを除けば今主流になりつつあるゾンビは少し様子が違い、脚が早く超人的な動きで人間を追い詰める姿は強者そのものだ。しかし、少し見方を変えれば、それだけ弱者が攻撃的にならざる得ない社会になってきている証拠とも言えるだろう。

ロメロ監督は、今のゾンビに、今の社会に、どんなことを感じていたのだろう?

そんな野暮を考えた。



どうか、映画が撮りたくなって墓穴から這い出ることがありませんように。

安らかにお休みください........🎥
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posted by lain at 06:58 | 北海道 ☔ | 映画 ホラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年06月17日

そんな装備で大丈夫かぁ?(´・Д・)」「ゾンビ・クエスト(原題: Zombibi)」2012年/オランダ

 ゾンビ映画にもピンからキリまである。

 「ウォーキング・デッド」のようにシリアスな物もあれば、ついこの間観た「アンデッド・ウェディング」のように悪ふざけに終始する作品もある。

 よくよく考えれば自分の生命が脅かされる危機的状況なのだから、ふざけている場合では無いのだし、シリアスであって当然なのだが、はっきり言って前者より後者が圧倒的に多い。


 ゾンビを利用し様々な社会問題について語り掛けて来るロメロゾンビは無論特別視されてはいるけれど、近年ではロメロ監督作品の表面的な滑稽さや面白さを膨らませた娯楽作品ばかりで、すっかり主人公を格好良く見せる為のシチュエーション作りや、悪趣味な笑いを彩る小道具に成り下がってしまった。

 でもまあ、そういうのも嫌いじゃないから困る(´Д` )





 さえない主人公が職場で人気の女性社員に誘われテンションが上がったのも束の間、しつこく職場に電話して来るノーテンキな兄と、女性社員に気がある上司のせいで会社をクビになる。一言文句を言いに兄の元を訪れたものの、またも兄のせいで騒動に巻き込まれ留置場へ入れられてしまう。

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足を引っ張り続けるお気楽兄貴
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あぁん!

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((((アブブ))))
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あははwww
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(((((アブブ))))


 その頃彼の 元会社では、上司が女性社員に詰め寄るも軽く流され不完全燃焼していたのだが、そこへロシアの宇宙基地が落下して来る。地響きとその後に続く銃声や叫び声。留置場で不安を感じつつも眠りこけてしまう主人公。朝になって鉄格子の電子ロックが解除されていることに気づき、外に出て見ると風景が一変していることに気付き大慌て。

 彼は女性社員からの助けを求める留守電を聴き、一緒に生き残った連中と宇宙基地が突き刺さった会社を目指すことになるのだが….

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第一遭遇ゾンビ。血は緑である。オランダの倫理団体に関係あるのだろうか?

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シュタ◯ンズゲートか...w




 もう兎に角主人公の冴えない感じであるとか、兄貴の調子の良さにはウンザリさせられる。喧嘩両成敗と言わんばかりに一緒に捕まっていた阿呆コンビや、不真面目な銀行員、行き遅れの婦警を合わせた協調性に欠ける面々にも呆れてしまう。最早完全に作り物だと分かっているお化け屋敷へ遊びに来ている感覚だから、主要メンバーは誰一人死なないのではないかと思えて来る。

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椅子で功夫ごっこ

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100点満点の笑顔

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お得意のテープ加工

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俺たちの冒険の始まりだー(棒)



 最後は当然のように少し良い話になり、極限状態に欠かせない吊り橋効果からの恋愛、そしてこの悪夢はまだまだ続くと締めくくる定番な展開ではありますが、どうしようもなく間抜けでクズい連中や、チート状態のキャラなどが案外良くて最後まで観れました。助けを求めている女性が、実はごにょごにょだったという皮肉なオチも良い感じ。

 中途半端に真面目なゾンビ作るより、これくらい割り切った映画の方がいっそ清々しい。まさかのオランダ産ゾンビなかなかやるじゃないですか。

  生き死にに思い悩むことなく笑えて、思っていたより数倍面白いゾンビ映画でした。


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随所にアメコミチックな見せ方やTVゲームネタを入れているから和名がゾンビ・クエストなんでしょうな。
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ちなみに、この映画のMVPは、ロシアからやって来た専門家のおっさんです!

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どーんっ

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え?
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さっ↓

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がぶがぶ
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うほっ♡


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posted by lain at 21:38 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 ホラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年06月13日

女はワガママだ!そして男はヤクタタズだ!「カジノ・ゾンビ BET OR DEAD(原題「Remains」)」コリン・ゼイズ ”Colin Theys”(監督)

 冒頭TVドラマ級のお手軽さを感じさせるカジノ風景。バックに映るTVでは画期的な装置により核兵器の時代が終わりを告げるとかなんとか胡散臭い男が喋っている。「あぁ、こういう流れね。」直ぐにそう理解出来るお手本のような冒頭だ。

 カジノ街全体に走る閃光と爆発。たまたまシェルターとして使える場所でウェイトレスとイチャコラしていた冴えないディーラーの主人公(♂)は影響を受けなかったが、しばらくして外へ出てみると周囲は荒れ果てゾンビだらけになっている。同じように生き残った男二人(同性愛者×1、自己中×1)とカジノに立て籠もり生活を続けるものの、食料はどんどん減るしゾンビは増える一方だしこの先どうするよ?となってゆく。



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あぁん?あんだこのやろう!
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と、縄張り意識剥き出しで威嚇するゾンビがなんか新鮮。




 基本的には古典的なロメロゾンビで、自分勝手なことばかり言う連中の愚かさを描いた作品。お人好しで臆病者なホモや自己中男はそれに相応しい無様さであっさり死ぬし、何をやっても様にならない主人公は使い物にならなくて、悲観的でワガママなウェイトレスは散々物語を掻き回す。はっきり言って何処にもヒーローは居ない。どうせご都合であるのに、妙なところがリアルでなんだか面白い。映画のくせに映画のように上手く行かないのだ。

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車でシャッターを突き破る気満々のメインヒロイン
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ところがビクともしない...

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そこでシャッターを開ける機械を操作するも上手く行かず、アホな主人公が格好つけてばきゅーん!
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あいどんのん!!

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行き詰ったアホ二人....
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こうなりゃやることは一つになるアメリカは流石だ(白目)




 ここまで一緒に生き抜いて来た男女でありながら、最後の最後で決別を選択する女性の生々しさ、そしてその裏切りを簡単に受け入れる主人公の軽薄さ、これがなんとも言えず滑稽である。中盤に登場した武装集団のリーダーが「フリンジ」の”ランス・レディック”だったのもなんだか笑えてしまった。

 ところどころ「ほほお」と、思わされるところもあるし、全体的に緩い仕上がりはB級らしさが出ていて悪くないゾンビかもしれません。


 でもまあ、観なくても人生損すること無いですけどね全く(´Д` )




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メインヒロインがあまりにもワガママ過ぎて、新ヒロインに乗り換えようと颯爽?と助けに行く主人公
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ゾンビの玉転しには笑うしかない(´Д` ;)


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posted by lain at 06:26 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 ホラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする