2015年07月07日

神父。性欲を持て余す。「渇き」ソン・ガンホ(主演)/パク・チャヌク(監督)

去年の同じ時期に、役所広司が年甲斐もなく「渇き。」で荒ぶっていたのを思い出し、なんとなく韓国の「渇き」も観てみようという気になった。









敬虔な聖職者である”サンヒョン”(ソン・ガンホ)は、自殺を望む者を諌めたり、助かりそうにない病人を励ます毎日を送っていたのだが、とうとう自分の無力さに打ちのめされ、感染者の80%が宣教師の独身男性であるという致死率の非常に高い感染症の治療法を探している研究所の被験者に立候補するも、当然、彼はウィルスに侵され死にいたるのだが、死亡確認後息を吹き返し、50人いた被験者の中でたった一人生き残った者として、周囲に神聖視されるようになる。

ところが、いつもの生活に戻ってから様子のおかしいサンヒョン。血の匂いや周囲の音、目に見えないはずのミクロの世界まで見えて来るほど感覚が鋭敏になってゆく。朝日に体を焼かれ、完治したはずの病魔が再発し出すと、瀕死の状況にある女性に祈りを捧げに行っても滴る血液にばかり目が向かう。どうにも抑えきれなくなった衝動を抑えるため、昏睡状態にある男性の血液を点滴のチューブから摂取した途端、自分の顔から病の影響で現れる水泡がみるみるうちに消えてゆくのを鏡で確認し絶望。あれだけ自殺は罪深いと口にしていたくせに、すぐさま飛び降り自殺を決行するがやっぱり死ねない。そう、彼は吸血鬼になっていたのだ....

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※なんとも滑稽である...






感染しているのが独身(DT)の宣教師ばかりというのがなんとも皮肉なウィルス。僕も速攻で感染しそうだ(白目)

敬虔な聖職者というのは、僕ら日本人にとって正直馴染みが無い。キリスト教徒が3割ほどになる韓国ならではの設定だと思いました。

とにかく真面目な男が、どんどん血と性欲に塗れて行く作品なので、ある種の爽快さもあるような気がします。いくら取り繕ったところで、この世に生を受けた者は罪深い者なのに、それをいちいち罰しているような聖職者の化けの皮が剥がれて行くわけですから。

子供頃の同級生の女房との情事に溺れ破滅へと向かう神父と女の浅ましい姿の滑稽さ、そして儚さがじわじわ来ます。
人が座ったままのソファーを軽々持ち上げる笑い所があったり、旦那を殺した罪悪感に苛む二人の心理描写もかなりシュールで面白い。何段階かに分けて面白さの性質が変化しているようでした。





誰がどう見ても優雅さとは無縁の吸血鬼なのだけど、この泥臭さは愛さずにいられない。

馬鹿みたいに長いソン・ガンホとキム・オクビンの野性的な濡れ場も含め、「渇き。」に負けないエログロさ、嫌いじゃないです(´_ゝ`)

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posted by lain at 07:16 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2015年01月07日

嫌な思い出が蘇った.... 「箪笥 (原題:장화, 홍련(薔花, 紅蓮))」キム・ジウン(監督)/2003年/韓国




 父親が再婚し、一時期家を離れていた姉妹が、父と継母の住む家での生活を始めるものの、気の弱い妹へ執拗に折檻する継母との確執が深まり、後戻り出来ないほどの事態になって行くと言う内容で、タイトルにある「箪笥」とは、継母が子供を箪笥に閉じ込めるシーンがあるからでした。

 本当はもう一つこの映画の和製タイトルが「箪笥」であるネタバレな理由があるけれど、この際どうでも良いのかもしれない。どうせあまり構成が上手い作品ではありませんし、心の病を利用したミスリード展開も今じゃ手垢まみれで使い古されてしまった感があるので。

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※冒頭の黒髪貞子っぽい登場シーンも定番になってしまった....




 そんなことよりも、何処の国でも子供を閉じ込める折檻と言うのはやるものなんだというのが引っ掛かりました。かくいう僕も、小さい頃母に閉じ込められたことがありまして、僕の場合は地下室だったのですが、自分の力では扉が重くて開くことが出来ないし、真っ暗で冷んやりした狭い場所に閉じ込められると不安でいっぱいになり泣き喚いていたような気がします。

 今思えば、他の教育的指導方法があるんじゃなかろうか?と思わなくも無いですが、留守がちで家族にとって大事な瞬間に家に居ない父に代わり、僕を含めた3人の子供の面倒を見ていたあの頃の母は、間違いなく精神的に追い詰められた状態だったに違いありません。閉じ込められた話しとは変わりますが、母がストレス解消のため自家製酒を飲み出すと、僕ら姉弟は戦々恐々としていたりもしましたね....怒りながら暴れるんですよ......ボソ




 そんな経験もあるので、この映画の折檻シーンは凄く嫌でした。本気で嫌だと思える映像になっていることだけが、この作品の良さに思えるのは寂しい話ではありますが、公開当時23歳前後だった”イム・スジョン”の少女役はハマり役で良かったかもしれない。どう見ても23歳には見えませんでしたからw

 思春期の子供の役所なのだから、当然子供を配置したい。でも、子供の演技力にはどうしても深みが足りない。そんな需要に応えられるスジョンのような童顔役者は貴重な存在だと思います。彼女より10歳近く若かったムン・グニョンの演技もなかなか良かったですけど、もう兎に角この二人がちゃんと姉妹に見えたことが凄いですよ....



 原作からかなり改変したせいか、ホラー要素が中途半端になってしまったことが実に勿体無い。こういうドロドロしたストーリー好きなので尚更そう思いました(´・ω・`)






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posted by lain at 00:07 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2014年12月01日

タイトルがちょっとアレ.....『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』西島秀俊(主演)/キム・ソンス(監督)

 最近結婚を発表して女性のファンを落胆させた西島秀俊さんが主演の作品でしたが、どうも僕には西島さんの演技が「CUT」の時よりわざとらしく見えました。


 



 このゲノムハザードは、主人公の男が妻の殺害現場に出くわし、状況が飲み込めないまま警察だと名乗った連中に拉致られ、なんとか逃げ出すものの車に撥ねられて、その車を運転していた韓国人女性記者(キム・ヒョジン)に助けられると、どうにもハッキリしない曖昧な自分の記憶を辿り、自身の正体と妻の生死を調べだすと言うストーリーで、重ならない記憶に翻弄されて苦悩する主人公を西島さんは体当たりな演技で成りきっていましたが、何故か中盤までは彼が苦しそうにしている姿を見ると笑えてしまいました。


 理由はよくわからないんですけど、かなり熱が入った演技はしてるし、シーンによっては凄いな西島さんって思ったりもするんですが、”真面目に見えるキチガイ”なイメージを彼に持っているせいか、そのイメージに合わない知的な人間を演じようとしている彼の姿に不自然さを感じたのかもしれません。


 終盤主人公は、とある理由で序盤以上にぶっ壊れてゆくのですが、そこまで進行した辺りになると西島さんにぴったりな役になって来ててしっくり来ます。前半と後半で彼のフィット感が僕の中じゃまったく違いました。演技が上手いとか下手とか言う以前に、ほんと面白い役者ですね西島秀俊って人はw




 先の展開をアレコレと考えてしまうようなリードの仕方が案外上手い映画でしたが、ベースにあるのは古典的なミステリーなので、謎解きが終わると「なーんだ」と思うところもありました。それに、薄暗い劇場ではなくテレビで観たせいか、終盤に近づくほどフィルムが安っぽく見えた。テレビのSPドラマ的な位置で放送するのには丁度良かったかもしれませんが....


 結末はともかく、知らない自分が次々と顔を出すと言う展開は僕好みでそれなりに楽しめましたが、やっぱり西島さんがそんなにモテる理由はイマイチ分かりませんでしたw





 (´-`;).。oO韓国との共同製作だからキャストも半分くらい韓国の人に差し替えられていたけど、原作のファンは怒って無いんですかね?すっかり韓国映画だと思ってましたけど....









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posted by lain at 21:06 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 映画 アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする