2014年05月01日

キャラ読み&大学あるある「キウイγは時計仕掛け」/森博嗣/講談社/2013年/感想

前回の「ジグβは神ですか」 で、かなりあのお方に近づき弾けていた分、今回は番外篇色の強いマイペースさを感じ、祭りが終わってゆく時の寂しさというか、自分達で歩くことさえままならなかった子供が自分を当てにしないで巣立ってゆく時の嬉しさ半分悲しさ半分な気分というか、まだこの先3冊出る予定とは思えないほど文章の端々から「もう好い加減このシリーズはいいでしょ?」と言う森さんの気持ちを感じたように思いました。


本当のところは分りませんけど、このシリーズは既に編集者と約束であるのと、ファンへのけじめとして森さんは書いているように思います。このシリーズでは既にモチベーションが上がらないから、意味無しジョークを増幅させたような事件ばかりをネタをしてなんとかシリーズを続けているのでは無いでしょうか? 小道具にされたキウイにしたって、これが並みの作家の作品だったら「はぁ?」と思って終わりだったと思います。

森作品だから

ただそれだけで許せてしまう僕らも僕らという話です....


建築学会の準備中、キウイに缶のプルタブが刺さった物が大学に送り付けられ、その後の殺人事件に繋がってゆくと言うキウイγは学会ネタが多過ぎたので尚の事そう感じてしまったわけですが、Gシリーズらしい同窓会気分はやはり嫌いじゃ無いです。特に研究者としての道を諦めた”加部谷恵美”の恋と大学への未練が良い感じに書かれてて良かったです。雨宮純との絡みにもほのぼのさせられましたw

後はそう、今回の私的MVPは、国枝桃子先生ですねっ!

全然笑顔を見せないけれど、可愛くて可愛く仕方無かったwww



今回はインターバルな位置づけだったので、完結からガッツリ遠退いた気分で肩透かしを喰らいましたが、12巻予定のGシリーズも佳境へと向っているのは確かなので、次はまたギアを上げ始めるかもしれませんね。

真賀田四季に振り回される面々のままならない日常を愛おしく思いつつ、次は森流チャンバラ活劇の新作「フォグ・ハイダ」に凸入します (`・ω・́)ゝ

ほんとにキウイ関係無かったなぁw #森博嗣
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posted by lain at 07:24 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 小説 森博嗣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2013年10月07日

またやってくれました森・ザ・ワールド!「赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE」/森博嗣/講談社/2013年/小説/感想

 正直、また凄いパスを投げかけて来たものだと戸惑いました。

 ”赤目姫”と言う比類無き存在と、それを取り巻く人々の特殊さを一般人代表的な2人が観測し続ける話になるかと思いきや、あっという間に、その観測者だった2人が今度は違う人物に変わって、場所にも、時間にも、自我にさえも囚われない場面展開へ飛躍してしまうので、とても捕らえ所が難しいのです。

 登場人物の見掛けや精神が固定されず絶えず変化するので、全てに繋がりがあるようで、その実繋がりは存在しないようでもある。そんな内容に戸惑わない人がいるだろうか?


 人間誰しも自我を維持するために自分を紐付け出来る確定要素不可欠なわけですが、その人間の惰弱な部分をとことん揺さぶり付けて来る森博嗣節が今作はくどいほど見られ、いつも以上に多い詩的な部分や専門用語にもモヤモヤして不安感が大いに揺さぶられました。

 だから、常に新しい刺激と発見を求める森さんが「何処まで抽象的な表現の羅列が一冊の本として赦されるのか?」と言うテーマにチャレンジしたのは理解出来るけど、少々食傷気味に終わってしまった感が勝ってしまいました。百年シリーズの再稼働としても肩透かしでしたしね。

 ただ、こういった挑戦から逃げない森博嗣さんは、やはり凄いとも思いました。小説と言う限られた枠の中で、ここまで自由に采配を振るえる手腕は流石です。今の自分では釣り合わないので、10年後、20年後の自分に読ませたい作品かもしれません。



 どうしてもファン目線だと贔屓目に読んでしまうところもあるでしょうが、皆さんは率直にどう感じたでしょうか?

 年齢層によっても違うでしょうし、百年シリーズを読んでいる、読んでいないでも評価に差が出ることでしょう。深く森作品に傾倒しているファンなどの反応も気になりますw

 僕は潔いまでにバッサリと切り落としたシンプルな森作品が好きなので、ちょっぴり残念だったかな.....





 僕の感性や知識では「誰」かにこの作品の凄さを説明することは無理ですねキッパリ

 ちなみに、そんな残念な僕のオススメは、第七章の「天知る地知る」

 ここだけで御飯三杯イケそうだったゞ(*ゝω・)b

装丁は相変わらずのいいセンス






 様々な人達の考察

  http://togetter.com/li/542460

  http://d.hatena.ne.jp/huyukiitoichi/touch/20130727/1374917350

  http://sskr.hatenablog.jp/entry/2013/07/29/223742

  http://roji42.blog.fc2.com/blog-entry-336.html

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posted by lain at 21:24 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 小説 森博嗣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2013年05月15日

素晴らしくベタな日本の様式美がここに「スカル・ブレーカ/森博嗣」/中央公論新社/2013年/小説/感想

 うん。やはり「ヴォイド・シェイパ」シリーズは良いですね。

 具体的に何が良いと語るのも野暮なほど、森さんのティストにぴったりな題材だと思います。


 出生にいわくがある主人公”ゼン”が、育ての親であり剣の師である男の死を機会に山を下り、世間を学びながら己が剣のありようを探し続けると言うお話で、かなり本筋はベタな時代劇の展開なのですが、森博嗣さん独特の表現方法で調理された結果、大衆食堂の料理が三ツ星レストラン並みに生まれ変わっており、いつもの斜め上から飛び出して来たようなヒネタ言葉を前菜で戴き、時折交える控えめな冗談や愛らしさを口直しのデザートとして味わえます。 そしてジリジリするような1番の見せ場である切り合いは極上のメインディッシュと言えるでしょう。勿論三作目である「スカル・ブレーカ」もブレないベタさで安心の美味しさでした♡

それにしても今回も素晴らしい装丁だよね。

※今回も思わず見惚れる装丁でしたね


 そういえば森さん自身が今シリーズの書き方に慣れて来たせいなのか分りませんけど、堅さが取れて主人公の冗談の腕が上がっていたような気がしましたwだいぶゼンが世間擦れして来たみたいで面白いですwww

 固いところ。柔らかいところ。それぞれあるのがやはり良い。どちらかだけでもきっと物足りないと思います。

 この先このシリーズが何冊続くのか分りませんが、今の森さんだから書けるシリーズだと感じますし、作家としての集大成ぐらいの勢いで一気に完結させて欲しいものですね。次も非常に楽しみだ♪


 (= ワ =*).。oOまあそんな無駄な気負いを森さん持って無いだろうけどw




 関連過去記事

  『意味よりも、意義を見つける事こそ士の道『ブラッド・スクーパ』/森博嗣/中央公論新社/2012年/小説/感想』
  
  『時代劇だよ森博嗣に集合〜♪「ヴォイド・シェイパ/森博嗣/中央公論新社/2011年/小説/感想/レビュー」』 web拍手 by FC2
posted by lain at 20:14 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 小説 森博嗣 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする