つい欲が出てしまうほどの未完の大器っぷりが愛おしい「FLAT -Hall Live 2018-」女王蜂/BD/感想

楽曲だけでなく性別もボーダーレスの女王蜂。中心人物であるアヴちゃんは、もしかしなくともコンプレックスの塊で何かと拗らせていたりするようだけど、あそこまで批判を恐れず自分達の音楽をやっていれば、周囲の人間が彼に抱くコンプレックスの方が遥かに大きいのではないかと思ったりもする。

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以前も此処で書いたかもしれないが、女王蜂を知ったのはDAOKOとのコラボ曲「金星 Feat.DAOKO」で、”この人はいつもこんなに裏声や低音でダミ声を出したりしているのだろうか?”と興味が湧いてアルバムを適当に聴いてみたのが最初で、何処か良い意味での古臭さがあるのに、全く新しいものを聴いたような気分になったものである。こちらが彼らの音楽にハマりそうになる度、そうはさせじとぶち壊し始めるような振り幅に弄ばれ、どんどんそれがクセになっていくから女王蜂は怖い(褒め言葉)

本当なら是が非でも生で彼らを見たい、聴きたいところなのだけど、なにぶん女性や若い層に人気のあるバンドに思えるし、歌詞には陰鬱なものがあっても楽曲それ自体はノリの良いものが多いから、他のお客のノリに当てられそうで腰が引けてしまう。仕方なく円盤でライブを見てはみたものの、羽の付いた扇子がバブリィな時代状態で振られている光景など自分の方向性と真逆過ぎてかなりしんどいものがあった。自分にとっては距離感をはかるのが難しいバンドの一つになるやもしれない。




とりあえずそれはそれとして、ライブBDを見た率直な感想を言うならば、まだまだライブ演出には改善点が多いなと思った。素人風情なので何処がどうとは言い難いが、結局アヴ ちゃん頼みでステージが動いているような所が気になったかもしれない。確かにアヴ ちゃんはスタイルも目力も素晴らしく、内から込み上げる物を全身で表現する凄みのあるボーカリストだが、女王蜂の魅力は絶対にそれだけのものではないはず。メンバーそれぞれが程良いライバル意識で作り上げてこそバンドの醍醐味が味わえるというものだと思う。偉そうですまんo┐ペコリ 

それにしても思っていた以上にアヴちゃんはオネェだった。もう少し性別を行ったり来たりするような人物を想定していたのだ。衣装にしても男にも女にも思える存在を目指すのであればスカート姿ばかりでは物足りない(ツアーにもよるようだ)。個人的には和装、着物の着崩しなんかが女王蜂にはフィットしそうな気がしてならない。というか是非ライブでそれを見たい。楽曲的にも和のイメージが湧く物が多いし、それらをピックアップしたツアー等を企画しても良いのではないだろうか?

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これはちょっと違うかなw




まあなんにせよ、まだ発展途上のバンドである。まだまだ先の楽しみというものがあって大いに結構じゃないか。いずれ勇気が満タンになったら生アヴちゃんに逢いに行こうと思う。

だからそれまでちゃんと歌い続けていてもらいたいものである。

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posted by lain at 06:52北海道 ☔音楽

人一倍不器用な男が唯一の武器で牙を剥く。それが、どうしようもなく好きなのだ....『amazarashi Live Tour 2019「未来になれなかった全ての夜に」Zepp Sapporo』感想

去年まさかのダブルブッキングをやらかし、どうしても今が旬なNakamuraEmiを諦めきれず数年ぶりに秋田ひろむのシルエットを拝まなかったわけだが、そのしっぺ返しなのか今年は指定席を確保出来なかった。しかしそのお陰で会場に目一杯お客様が入っていることを身をもって知ることが出来て、なんだか嬉しかった。赤字が解消したかどうかは分からないけれど「誰だお前は?」とamazarashiに対し口にするような人は音楽好きの中でまず居なくなったに違いない。


前々から多かったものの、非常に若い層が増えたなという印象も受けた。身なりにお金もかけられない感じの素朴な10代が独りで参戦という姿をチラチラ見かけ、アニメの影響もさることながら秋田ひろむの言葉にグサリとヤられたんだろうなと、嬉しさ半分、心配半分といった感じがした。17時開演というのは若者に丁度良かったのでは無いだろうか?親を説得し易そうである。遠征組のオジさん(僕は旭川から札幌まで)としても早い開場は非常に助かった。入場の手際も良くamazarashiとZeppの運営にはグッジョブと言いたい。


それはそうと、ライブそのものはどうだったのかと言えば、普通に前回同様「たられば」で泣かされるレベルで仕上がっていた。序盤随分と優しくて温かい雨を降らせるなぁと思っていたら、終盤しっかり観客を突き放して覚悟を見せつける辺りに痺れた。『まだこの男は死んでいない』そう感じる圧巻のステージだった。数年前の精神的に不安定そうな秋田ひろむにしか出せない色は確かに褪せてしまったかもしれないが、成熟した表現力で繰り出される”現在”の彼の言葉は、ただの戯言で片付けられない場所に到達しつつある。彼が生きるのをやめない限り、俺もまた彼に逢いに行くことをやめないだろうなと心から思える夜になった。




「ありがとう」


彼は感謝でライブを始め、感謝で終えた。


歌詞に何万文字を費やしても足りない全てが、その五文字に篭っていた気がしてならなかった。




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posted by lain at 20:19北海道 ☔音楽

いつまでどこまでいけるのか?「the pillows "REBROADCAST TOUR" 2019/03/02 旭川CASINO DRIVE」/感想

ここ数週間、慌ただしくしていたら、あっという間に出張日となった。初めて島への出張である。

島と言うと、暖かな場所でビーチを連想するかもしれないが、ズバリ寒い方の島で海開きすらありそうにない。

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行ったことのない場所での仕事だから、ほんの少し面白そうだと思っていた自分が居たりもしたけれど、長時間運転してフェリーに乗り、ようやく着いた宿で一晩過ごしただけで、もう帰りたい気分でいっぱいだ。とりあえず、the pillowsのライブ日程と重ならなかったのだけは幸いだった。チケット代云々のことではなく、50代に突入してもロックを続けている彼らの姿を先に見ておけたことが、出張の励みになっているような気がするのである。俺よりおっさんの連中が頑張ってるのに、俺が頑張らないでどうするのだと。





いつもはライブとなると札幌まで行くわけで、正直辿り着いただけで心身が疲れ 楽しみ切れないことも多いのだけれど、今回は地元開催で非常にリラックスした気分で会場入り出来た。札幌からやってきたTwitterの同志が運転に疲れた顔をしていて、それいつもの俺だからと少し思ったものである。

まるで新譜を聴かずに行ったものだから、なんだか新鮮に感じた。原点に戻ったような曲調でありながら、その実まるで新しい曲をやっているのに、紛れもなくpillowsでしかない新曲の数々に、まだ前に進もうとしているのかと感心してしまった。Before going to bedのような格好の良い曲もあるが、久しぶりに歌詞をしっかり眺めたくなるアルバムに仕上がっているのではなかろうか?個人的にはニンゲンドモのようなスタイルの山中さわおでアルバムを聴いてみたくなった。





どんな時でも笑顔でファンに接するアイドルと同じく、ロックバンドも非常に重労働だ。楽器を扱うのもそうだし、ツアーで遠征が続くのも辛いはず。常に出張の日々が続くような生活、俺なら直ぐに根を上げるだろう。不規則になりがちな生活中、なんとか体調を整え長年音楽活動をやり、しかもそれを惰性ではないものにしようとするなんて簡単な話ではない。長く続ければ良いというものでもないが、長く続けてきたからこそ見える風景というのが彼らには間違いなく存在する。俺も、そんなおっさんでありたいものである....

でもやっぱ早く帰りたいな......w





セットリスト
  1. Rebrosdcast
  2. I think I can
  3. Freebee Honey
  4. Spiky Seeds
  5. Binary Star
  6. Skim heaven
  7. 王様になれ
  8. ニンゲンドモ
  9. ぼくのともだち
  10. 箱庭のアクト
  11. Starry fandango
  12. 眩しい闇のメロディー
  13. MARCH OF THE GOD(失敗)
  14. WALKIN'ON THE SPIRAL
  15. プライベート・キングダム
  16. About A Rock'n'Roll Band
  17. BOON BOON ROCK
  18. No Surrender
  19. Before going to bed

アンコール

  1. Bye Bye Me
  2. Star overhead

アンコール2

  1. MARCH OF THE GOD(リテイク)
  2. Locomotion,more! more!

posted by lain at 06:19北海道 ☔音楽