富田耕生さんの死に我思ふ

昨日富田耕生さんが亡くなっていたと聞いて、直ぐに何の役をやっていた方だったか思い出せなかった自分は、やっぱりオタク失格なんだろう。

子供の頃当たり前のように見ていた平成天才バカボンのバカボンのパパや、銀河声優伝説と揶揄されるほどの役者さん達が参加していた旧アニメ版銀河英雄伝説の中でも、ヤン同様に敬愛してやまない人物だったビュコック爺さんまで演じていたと云うのに、何故か名前と声が結びついていなかった。メディア露出の多い主役をよく演っている方や、可愛らしい声の役者さんの名前ばかりを覚えている体たらくの自分には失望しかない。

ただ1つだけ言い訳をさせてもらうと、本来声優と言うのはこういうものではなかっただろうか?本来存在しない者を動かすアニメや、日本語を喋らない者に日本語を喋らせる実写吹き替えにおいて最後に息吹を吹き込むのが声優の仕事であり、そこには中の人など存在しないのだと視聴者に錯覚させられるかどうかが声優の本懐だったと思うのだ。そういう意味において富田耕生さんは良いお仕事をされてきたなと心底思う。本当に今までありがとうございました.....




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銀英伝の旧アニメがアマプラで見れたので、ついついビュコック爺さんの最後の勇姿を見てしまったが、ボロボロになったリオ・グランデだけでも泣きそうになった.....





声優の役割はここ30年で様変わりしている。顔を出さず自分を殺してキャラクターを生かす仕事から、キャラクターとの相互作用で自分も表に出なければいけない仕事になった。観客が本当の意味で作品に没入するには、少し難しい時代だと言えるかもしれない。声優が素顔を殆ど公表していなかった時代の方が、逆に「知りたい」と云う気持ちが膨れ上がって妄想が捗りオタクにとって幸せなのではないかとさえ思う。今では声優も普通にテレビのバラエティー番組に出演するほどだ。どの時代が良かったで片付けたくはないが、声の演技だけに絞って勝負をしたい役者の居場所だけは失くさないでおいて欲しいものである。

声優学校あがりの型に収まるだけの声優が使い捨てにされるのも見たくないしね.....