秋に終わったアニメを今更振り返る③

昔からアニメは2クールがベストと思っていて、1クールでは深みが出しきれないと感じているのだけれど、そういう意味で非常に勿体なく思った作品が数点あった。思春期特有の心身の持て余した熱を少女達がそれぞれのベクトルで爆発させる「荒ぶる季節の乙女どもよ。」往年の名作SFを彷彿とさせるジュブナイル展開が熱かった「彼方のアストラ 」そして悪役少女達の背筋に寒気が走るほどの演技に痺れた「グランベルム」である




少し大袈裟なほど性に対する反応が過敏な少女達が、不器用なりに恋を知ってゆく展開の小気味良さったらなかった乙女どもよだが、女性が原作であるだけあって男には辛いシーンもかなりあった。そこはお前たちがおかしいだろう!と言い返したくなるような案件である。しかしそれを差し置いても余りあるほど懐かしのドラマ仕立ては面白かった。”この先どうなるの?”と恋愛TVドラマで胸をざわつかせていた子供の頃を思い出す。もう少し危うい恋心に身を委ねていたかったというのが正直な気持ちだ。

優しい結末を迎えるが、個人的にはもっと根の深い展開も見てみたかった



僕には忘れ難い漫画家がいる。何かに触れている時いつも引き合いに出してしまうくらいに。すばりその漫画家とは萩尾望都さんのことなのだが、「彼方のアストラ 」はまさに萩尾望都さんの「11人いる!」だった。とある惑星でのサバイバルキャンプに参加した少年少女達が外部と連絡が取れない状況に追い込まれ、様々なトラブルを乗り越え母星へと帰還するというアストラのプロット自体にも類似点があるが、そうではなく性別が曖昧な子が居るであるとか、何処ぞの王族の血筋の者がいるという出自や立場のカラフルさだとか、ミステリー仕込みのトラブル重ねでお客を揺さぶる物語の造形といったパーツ一つ一つに「11人いる!」の姿がダブって見えた。こんな時、大抵嫌な気分になるものなのだが、彼方のアストラには一切それが無かったのが不思議だった。似て非なるものであることがちゃんと伝わって来たのだ。リスペクトとは、こうあるべきだとそう思った。

本作も優しい結末を迎えるが、それがとても嬉しく思えてならなかった....



秋アニメを振り返る中で、最後の最後にこれをもってくるのもどうかと思ったが、作画と声の演技において、夏アニメ最強だったのは「グランベルム」だと思う。自分には何も無いと口にする少女が、全てを持っているように見える少女と魔術の世界でロボットに乗り、その頂点を目指すことになるという、書いていると少年漫画みたいだが、まるでそんなものではないネチネチした展開が刷り込まれるアニメだった。もう兎に角悪役の少女の表情と声色の落差に凄みがあって、改めて日笠陽子と悠木碧の存在の大きさを思い知らされた。

それはそうと、もののついでに使われている頭身の低いロボット達は、模型化されたりするのだろうか?魔神英雄伝ワタル世代の身としては、せっかく産み落としたものをこれでおしまいにするのは不憫に思えてならない......

ウィクロスアニメも怖い少女居たけど、そういうの好きなんだな俺.....
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どんなに酷い災害が起きてもアニメは止まらない。年老いて歩みが遅くなった自分としては、少し立ち止まってもらいたいくらいではある。何年先までも記憶に残るような作品は今でも見たいと思っているが、無いなら無いで良いくらいにも思っている自分が居るのだ

新たな天皇が立って、アニメも何か変わっていくのだろうか?惰性ではなく心から欲する作品に逢えることを期待してやまない。






あ、JKの無駄づかい忘れてた.....