未だここは最前線だ「エースコンバット3 エレクトロスフィア」ナムコ/1999年/懐ゲー/感想

僕は飛行機が嫌いだ。主に自分ではない”誰か”が操縦する飛行機に乗るのが嫌いだ。

車の運転は自分の腕でなんとかなるかもしれないし、船は泳げさえすれば生存率もゼロではないけれど飛行機はまずい。何か起きた時にはほぼ助からない。脱出装置が付いていたり、パラシュートを身に付けていても逃げ損なってパイロットが亡くなる痛ましい事故は絶えない。ただ航空機は搭乗者が多い分、事故が起きた時のインパクトはでかいが事故率はかなり低い。一概に飛行機は危ないとは言えないのも事実。それでもやっぱり”墜ちたらどうしよう?”と考えずに居られないのだ.....


そんな腑抜けではあるものの、昔から飛行機のゲームは好きで、特に戦闘機で戦うアーケードライクなものをよく遊んでいたものである。FCの「スターラスター」でワープの格好の良さに痺れ、FM-TOWNSの「アフターバーナーⅢ」で弾避けのスリルを覚え、PSのエースコンバットでは空戦の気持ち良さを知った。そしてそのエスコンの中で一番好きだったのがこのエースコンバット3エレクトロスフィアだった。




あの当時就職して1、2年といったところだったと思うが、働いて金を手にしたせいか、それまで以上にアニメを見ていた自分の前に、美麗なアニメーションを引っ提げて現れたエスコンの新作は衝撃的な出会いだった。PS初期に登場したエスコンは、それまでお茶の間では味わうことが出来なかったものを提供してくれていたが、個人的には少々お堅いイメージで、具体的なストーリーの掘り下げはユーザーの想像力にかかっていた。それはそれで良い方向性だとは思うものの、アニメに育てられた身としては、それだと没入しきれないものがあったのだ。エレクトロスフィアはまさに、それを埋める全てがあったと思う。勿論アニメーションの出来だけの話ではない。電脳化と特異な主人公の設定や各陣営を骨までしゃぶ尽くすストーリー分岐、そしてそれらを盛り立てる空戦のシチュエーションと音楽、どれをとってもプレイする”人”を意識した作りで中毒性のあるフライト体験だった。その後、エスコンはどんどん映像を使いストーリー性を高めていったことからしても、エレクトロスフィアは大きな分岐点であったに違いない。


電脳化と前記した通り、サイバーパンクな内容である点も実に好みであった。エスコンとは関係ないが「serial experiments lain」も同じ時期の作品であるし、劇場版「攻殻機動隊」の成功後の世界であるが故に生まれた作品は数知れないのだろう。

エースコンバットの世界観で未だ最未来であり続けるエレクトロスフィア。あの美しくも恐ろしい空の正当な血脈は絶えてしまうのだろうか?....



またあの美しい流線型フォルムの飛行機に乗りたいものである。