温暖化より“滅びたがり”の方が深刻な君へ「Submerged」Xbox One/PS4/PC/IOS/感想

”地球温暖化”という言葉を知ったのは、まだ小・中学生の頃だったろうか?高度成長の反動が収まり、まだバブルが弾け切っていない時期だったように記憶している。二酸化炭素やオゾンのせいで、北極や南極の氷が融けて海の水位が上がってしまい陸地が無くなってしまうと大騒ぎだった。


それから様々な取り組みが先進国主導で始まり、排気ガス規制や電気自動車の開発、原子力発電や代替フロンの普及等、色んなことを試してきた。しかし、肌で感じる環境の変化は、刻一刻と悪化しているように思える。”観測史上初”という記録上の話だけでなく、実際天候が不安定な年ばかりで、台風や地震に留まらず、亜熱帯地方のスコールに負けないくらいのゲリラ豪雨や猛暑に大雪と、”降る”時と”降らない”時の差が非常に激しくなっている。日本全土の気温の平均値は上昇し、熱中症による死者数もじわりじわりと増え、世界中の海では島が消えていっているという今を温暖化と言わずしてなんと言えば良いというのだろう?




いまだに専門家の意見はまちまちで、温暖化ではなく寒冷化してるなんて意見もあったけれど、落ち着かない状況であることに違いはない。単純に自分が老化したから、些細な天候の変化に身体が追いつかなくなっただけという取り越し苦労で済むなら嬉しい限りだが、映画「ウォーターワールド」や、本作のような街が海に沈んだ世界を一蹴できるほど無邪気にはなれそうにない。




傷ついた弟を抱いた少女が舟で流れ着き、衰弱した弟を助けようと水没を辛うじて免れた高層ビルの数々によじ登って、残された物資を探索するというゲームなのだけど、これがツッコミ所満載の割に風情があって、たまたまセールで買っただけなのに実績を即コンプするほど居座ってしまった。アサシンクリードのビル登りだけに特化し、所謂”敵”が登場しないゲーム性は単調で、はっきり言って直ぐ作業になってしまうものの、物静かで”ほんのり”不安感を煽るBGMと献身的な姉の衰弱してゆく様子や、彼女らを見守るように集まってくる不気味な連中の存在が気になりやめられなくなっていたのだ。










それに、思いの外良かったのは天候の変化と生き残った水生生物達の優雅さだった。朝〜夜の変化に雨も降るなか眺める風景は、紛れもなく人類の栄華が終わったことを告げているのに、美しい以外の言葉が見つからない。僕ら人間は、自分たちが居ない方が自然は美しいと考えている節があるのだろう。滅亡後の世界を、自分だけは生き残って眺めてみたいというのだから、人というのは本当に屈折した生き物である。

温暖化の果てに、世界はどうなってしまうのか?

それが分かる頃には、自分は灰になって地球に還元されているのだろうけれど......