20年前、俺は確かにドリームキャストで夢を見たんだ......

据え置きゲーム機の中で、トップシェアを誇るPS4。

1994年に初代PSが発売された頃から勢いは相当なものがあったものの、PS3で若干躓いたため今現在のシェアの状況に圧倒的なアドバンテージを感じないのが不思議である。肝心のゲーム体験はどうかと言えば、Nintendo Switchの遊び心に及ばず、スペック面ではXbox One Xの後塵を拝している。各社との長年の付き合いがあればこそ、ソフトには事欠かないが、OSの軽さを除くとPS VRが最後の砦といった印象は拭えない。

要するに何が言いたいのかと言えば、時代も変われば売れるゲーム機も変わるという話なのだ。


かつて、家庭向けゲーム機は三社が牛耳っていた。ファミコンの任天堂、メガドライブのセガ、PCエンジンのNECである。三社がしのぎを削る状態は10年以上に及び、NECが脱落した後もソニーが加わり業界の"三すくみ”状態は今なお続いている。しかし、そこにセガの名は既に存在せず、30年以上残っているハードメーカーは任天堂だけとなった。

セガ最後のハードとなったドリームキャストは、本当によく出来たゲーム機だった。光回線どころかISDNすら普及していない時代にモデムを標準装備させ、ネットをお茶の間にググッと近づけたかと思えば、液晶付きのメモリをソニーに先んじて投入したり、コントローラーにトリガータイプのボタンを配すなど、まさにセガの社運をかけた挑戦的なものに仕上がっていたのだ。

アナログ回線でダイヤルQ2を使用してネットに繋ぐのは、お世辞にも快適な環境ではなかったが、恐る恐るDLCを落としてみたり、初めてAmazonで買い物をしてみたりした経験は、本当に刺激的で良い思い出でしかない。あの頃の回線の遅さを知っていれば、今のスマホなど、どれを使っても神速としか言いようがないだろう。

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※家電屋で湯川専務を受け取った時のワクワクと照れ臭さは忘れ難い

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※当時ハマっていた「天からトルテ!」を貼り付けているのはスルーして頂きたい...



秋元康に託した広告もキャッチーで、謎の渦巻きロゴや自社の専務を前面に押した自虐CMにより、ドリームキャストは一般層にバカ売れ。ところがその連中はネットが簡単にやれる機械だと勘違いして買ったに過ぎず、ゲームそのものを買う気が無い。ソフトが売れればトントンという赤字覚悟の価格設定にセガとドリームキャストは押し潰されていった。ゲーム機は量産体制が整うまで赤字しか産まないのだと、身を以て知らしめてくれた初めてのコンシューマ機でもあるかもしれない。

湯川専務がデカデカとプリントされた箱を家電屋から持ち帰って時のワクワクと照れ臭さは未だに色褪せない。あの頃の夢を支えていたのは間違いなくドリームキャストだった。既にPSで成果を得ていたメーカーは参入に及び腰だったが、そのお陰で日の目をみた作品も沢山あって、本当にセガらしい個性を堪能させてくれるハードであったから、これからというタイミングでいきなり撤退が発表された時の衝撃の大きさは言うまでもない.....



時期的にアレだったノストラダムスの大予言を題材にしたサスペンスADVの「July」。特出したシステムは無かった気がするものの、世紀末に漂っていた形容し難い雰囲気を活かした佳作だったと思う。無性に好きだった。


猫の兵士を引き連れステージを制圧していくアクションゲームで、兎に角世界観がシュールでキャラが可愛かった「戦国TURB」。せっかく育てたキャラが死んだ時の落胆たるや.....


ロムが何処まで本気だったが分らないが、ロボのデザインが好きだったなぁ「フレームグライド」....


林田球によるコミカライズも面白かった「魔剣X」。PS2に移植されたのは切なかった.....


※あえて地味な作品しかあげていないけれど、ファンタシースターやソニックなどのセガブランドも沢山ハマったことだけは言っておきたい....




セガが退場し、台頭したのはXboxだ。初代は高スペックな割にあらゆる点において使い勝手が悪く売れなかったが、後継機である360は世界を席巻した。日本でもある程度の成功は果たすも、PSの復調でシェアをどんどん落とし、現時点で家庭向けハード中最高のスペックを誇るXbox One Xですら、発売日に予約すら受け付けていない店舗が多かった。もしセガとMicrosoftの協力関係が強まっていたら、国内での展開もセガを通し円滑に進み、Xboxは今よりずっと日本でメジャーな存在になれていたのだろうか?ドリームキャストですらMicrosoftの支援で生き長らえただろうか?それとも両者の関係が続いていたら、Xboxそのものが存在しなかっただろうか?

あれから20年が過ぎたという事実を前にして溢れるのは取り留めのない“もしも”ばかりである。セガ製ではなくソニーやMicrosoftの機械でシェンムーが遊べてしまうことも手放しには喜べない。ドリームキャストは全くもって悩ましいゲーム機だった。せめて性能的な寿命を全うしての撤退であったなら、こんな未練とも無縁だったのだろうか?....





早過ぎた名機などと呼称してしまっては、ピピンアットマークユーザーに怒られるやもしれないが、俺にとっては正しくそうだったのだから仕方ない.......20thおめでとう.....もっと晴れやかな気分で祝いたかった......でも無理だよね?.........