気づけば「トップをねらえ!」も30歳です

今ではすっかり人様の作品を分析したり、面白可笑しくこじ付けることが仕事になってしまった岡田斗司夫氏がガイナックスに在籍していた際、実質最後に携わったのが「トップをねらえ!」で、野心的な「王立宇宙軍オネアミスの翼」から一転、特撮パロディから始まったガイナックスらしいスポ根コメディで幕を開ける。

しかし、徐々に庵野秀明色が強まり岡田斗司夫の望んだ美少女物から遠ざかり、ハードなSF設定と根性でなんとかなってしまうアバウトさを引き連れ、最後には詩的にさえ感じるモノクロだ。正直言って、岡田斗司夫の思い通りの作品にならなくて本当に良かったと思う。そうじゃなきゃ、今頃ここで書いてさえいないだろう。


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タイトルの段階で「エースをねらえ!」のパロディだと中年には分かるだろう

なんだかんだ言って胸の揺れにまず目が行く

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こんなコス思いつく人は変態でしかない(褒め言葉)

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この年代のスクリーン表示はご馳走でしかない

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本編のおまけの科学講座の存在も、なんちゃってな世界に真実味を与えていた




そうは言っても、岡田斗司夫の性欲のお陰で、美樹本晴彦氏の美少女をセクシーなコスチュームで拝めたわけで、宇宙怪獣とか宇宙に纏わる科学理論だけで作ったら、このバランスには至らなかっただろうとも思う。何がどう功を奏するか、分からないものである。特訓と称してロボットにタイヤを引かせたり、主人公の憧れの存在である”お姉様”に鉄下駄を履かせて階段を駆け上らせたり、そういうのすら終盤の盛り上がりの糧になっていた。

人類は未だ宇宙を自由自在に飛び回ることは出来ていない。同じようにアニメも自由自在に作れてはいない。安定度は増したが、手描きからCGへ以降した際失った熱量を取り戻しきれていないように感じる。懐古趣味と言われればそれまでだが、騙されたと思ってトップをねらえ!を観てみて欲しい。アニメだけでなく、クリエイティブな仕事に大事な何かが、この作品には内包されているはずだ。




今では空中分解してしまったガイナックス。あの頃の魂を引き継いだスタジオの作品は軒並み採算度外視の名作ばかりだ。つい先日王立宇宙軍の続編「蒼きウル」と共に「トップをねらえ3」を発表したスタジオ”ガイナ”も、それらのスタジオの勢いに続いて欲しいものである。2以上にトップをねらう3であって欲しい。