ハッキリ言って2時間と17分を返して欲しい(はぁと)「チャイルド44 森に消えた子供たち」リドリー・スコット(製作)/トム・ロブ・スミス(原作)/感想

◯◯と比べればマシ


そう言って我慢するのは、決して褒められたものではないものの、スターリン時代のソ連に比べれば、今の日本の管理社会なんてマシでしかない。




 1953年、スターリン政権下のソ連で、子供たちの変死体が次々と発見される。年齢は9歳から14歳、全裸で胃は摘出され、山間にもかかわらず死因は溺死。だが、“殺人は国家が掲げる思想に反する”ため、すべて事故として処理される。秘密警察の捜査官レオは親友の息子の死をきっかけに、事件解明に乗り出す。捜査が進むほどに、国家に行く手を阻まれ、さらに、愛する妻にも不当な容疑が。真実が容易に歪められるこの国で、レオは真犯人に辿り着けるのか──?




元々原作が好きで、リドリー・スコット製作と聞いた時は本当に嬉しかったのだけど、地元の映画館で上映しなかったため、すっかり失念していた。ただ、正直言って失念したままにしておけば良かったと思っている...これは僕の知ってるチャイルド44ではない.......

ソ連の内情(いつ誰が有りもしない証拠を元にスパイだと告発されるか分からない)は当然変わらないし、追う側だった男が追われるようになる皮肉さや、主人公であるレオとライーサの夫婦再生話としての側面は原作に近いものを表現出来ていたような気はするが、どうしても許せないのが連続殺人鬼の設定を変えてしまったことだろう。何故連続殺人をおかしてしまったか?という点でもそうだし、犯人に辿り着いたのがレオであったという因果に関しても、改変のせいで台無しになっていたように感じた。

それに、素人が好き勝手に言うのもなんだが、余計なシーンが非常に多かった。レオが戦場で戦い、英雄として祭り上げられる冒頭は要らなかったし、いっそレオが左遷させられた所から始め、何故そうなったかの過去話を挟みつつ、当局の横槍に耐えながら連続殺人の犯人に迫るような盛り上げ方が欲しかった。こんな中途半端なレベルの映画にするくらいなら、権利など抑えないで欲しいものである。役者達の孤軍奮闘としか言いようがない。せめて自分で監督してくれればなリドリー..........





チャイルド44は、レオとその家族の序章に過ぎず、本番はここからなのに、こんなにコケてしまっては続編など望めない。そのうち熱心な原作ファンが再映画化してくれるのを期待したい。

ゲイリー・オールドマンをここまで無駄遣いした映画は久々だ。日本アニメの実写化に比べればマシだが、そもそも比べる相手が違うかもしれない......