和風ハンバーグって洋風?「魔法使いの娘」那州雪絵/新書館/感想

魔法使いって和風なイメージがまるでない。ハリーポッターや指輪物語に登場するベタな人たちばかり頭に浮かぶ。

じゃあ和風な魔法使いってどういう人たちのことを言うのか?


そう考え出すと確かに陰陽師こそ和風な魔法使いにぴったりに思えてくる。





身の回りのことは一切出来ないが凄腕の陰陽師である父を持つ少女”鈴の木初音”の元に二人組が現れ、二人のどちらかが弟子で、また一方は鬼だから見極めてみろと父親は言う。素質はあるが跡を継ぐ気などない初音は、アホな父親に憤慨しつつも”なんとか”しようとする....

4D611E1A-6D64-44E9-B3F8-D7DA4DD3A51D.jpg
46CE3D13-244E-4C19-B989-AF2A05DDB08F.jpg



傍迷惑な父親に振り回されているうちに少しずつ陰陽道へ慣れてゆき、普通の少女の普通の日常が微妙に壊れてゆくという話なのだけど、主人公の所帯染みた設定や開き直りの精神で陰陽道の暗部を蹴散らす感じが心地良い作品になっている。

60832D07-0CA4-4BB9-AA11-4FED101ECB3E.jpg
2072E8FA-D45E-4FAC-8328-A474DE18E454.jpg
5EFC3A5E-6B88-4CC8-A46F-2132BE3E384B.jpg



化け物の作画などは那州さんそれほど上手いわけではないけれど、生々しい不気味さを表現するのは上手い方なので、この手の魑魅魍魎が絡むシリーズを今まで長期連載して来なかったことの方が意外だったかもしれない。続編である「魔法使いの娘ニ非ズ」も完結し、そろそろ纏めて読もうと思いつつ数冊しか読めていないが、この世界観ならば「ここはグリーンウッド」の手塚忍にも出番がありそうだなと思った。まあギャラが良くないと彼は出ないだろうけれど



僕の勝手な感覚としては、女性漫画家は男性漫画家よりフェードアウトするのが早い印象がある。結構人気のある人でもあっという間になんの情報もなく消えてしまったりする。せめてSNSで近況を教えてくれるとか、出版社が何かしらのアナウンスをしてくれれば、こちらもモヤモヤせずに済むのだが、そう上手くはいかないことがまだまだ多い。

しかし作品で健在ぶりをアピールしてくれることが1番ではある。その点では那州雪絵さんに感謝の気持ちしかない。これからも肩こりや目のかすみと闘いながら頑張ってもらいたい。