バイストンウェルの物語りを覚えている者は、ある意味不幸である....「New Story of Aura Battler DUNBINE」富野由悠季(原作)/滝沢敏文(監督)/出渕裕(メカデザ)

昨年は思い出深いOVAが次々と30周年を迎え、年月の流れの非情さを噛み締めさせられたわけだけど、今年も当然のごとく30周年の作品には軒並み思い入れがあったりする。

今年一発目はダンバインの総集編と共に収録されていた「New Story of Aura Battler DUNBINE」

※正規のルートでのネット配信無し。何故だ?...




ダンバインは言わずと知れた富野由悠季監督のライフワークだった。バイストン・ウェルという異世界を舞台にしたロボット物で、これまたガンダムと同じように放送後再評価された作品。

その魅力はなんだったのか?と今更になって考えてみると、今ではお馴染みな”こちらの世界”から異世界へ飛ばされ思いがけない才能を発揮出来てしまう駄目な子の心を擽ぐる展開と、まるで生物のようなフォルムのオーラバトラーのデザインや特性の面白さにあったように思う。特に異世界だけでお話が終わらず、こちら側にファンタジーが侵食して来る脚本も僕は好きだった。



ただ、監督自身も分かっている話だが、ダンバインは失敗作ではあった。序盤の盛り上げ方や収束のさせ方もそうだし、戦い方や価値観において、せっかくの異世界設定を活かし切れていなかったように思う。でも何故か「もう少しこうしていれば.....」という、未練がましい言葉が湧き出してしまうくらい愛着を感じる作品であったのも間違いない。

TVシリーズから700年経過しているという設定だったこのOVAにしても、そういった煮え切らない体質は改善されていないものの、ブラッシュアップされたオーラバトラーのデザインや、自らの死を実現するため再度バイストン・ウェルを戦乱に陥れる男の登場が熱く、転生をはたした者達の逃れられない因果の輪に「もっとバイストン・ウェルを見たい」と思わされたものである。

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玩具的な収益には繋がらないだろうけれど、「ガーゼィの翼」のようにオーラバトラーに頼らないサーガをもっとじっくり味わいたかったかもしれない。

ガーゼィはガーゼィで微妙かもしれないが.....