2017年08月01日

我が青春のOVA1987 #8 「火の鳥 ヤマト編」手塚治虫(原作)/平田敏夫(監督)/感想

”火の鳥”とは不死鳥(フェニックス)のことだろうと思っていたが、実は世界各地に火の鳥の伝承があるそうな(半数は不死鳥と同じ存在として扱われている)何処かで伝承が変化して伝わったのか?それとも実際に違うものとして広まったのかは定かでは無い。

では、故”手塚治虫”さんのライフワークであった『火の鳥』自体は、いかに日本や世界で伝承されているのだろう?

よもや手塚治虫の名まで忘れ去られつつあるなんてことは無いと思いたいが.....






大和に逆らう熊襲の勢力を削ぐため、その頭領である川上タケルを亡き者にするため送り込まれた男オグナが、川上タケルの妹カジカと恋仲になり、故郷のためにタケルを討つか、オグナとの幸せな生活を選ぶかに苦悩するも、火の鳥の啓示を信じタケルを討って大和へ帰ることを決断する。しかし、見事に大役を果たして大和に戻った彼を待っていたのは賞賛の声では無かった.....



ヤマトタケルの物語をベースに火の鳥を登場させた作品で、時代に翻弄された男女の悲哀が実に良い話。流行り廃りに関係の無いところで勝負をしているから、今観ても色褪せない魅力があるなと思った。

原作の良さは当たり前だが、ヤマト編に先駆けて劇場で公開された「火の鳥 鳳凰編」の監督を勤めた”りんたろう”さんのテイストを再現してみせたスタッフ達も流石である。キャラデザを等身大に改変しているのが原作ファンからすると引っかかるものがあるそうだけど、アニメーションとしても、この先100年は残る名作だ。

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カジカが狩りで放った矢が当たったというのに、美人を前にするとこの笑顔のオグナ....

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そしてそれに惚れてまうカジカ......お前ら一生やってろっ!

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お馴染みの不細工鼻も登場



時代も場所も問わず人間を見守る火の鳥は、その存在そのもの(火の鳥の生き血を飲めば不死になると言われている)が人心を惑わすと言うのに、ちょいちょい人の世に干渉して来るのが悩ましい。このヤマト編でも、オグナが熊襲に残るように促していれば、もしかすると幸福な時間がもう少し長続きしたのでは無いかと思ってしまう。

勿論そんなことは言っても栓なきことではある。オグナが残ってもヤマトと戦うことになるのだし、もっと悲惨な死に方になったやもしれない。あくまでも人の手で自分たちの世界を正して欲しいという火の鳥の優しくも厳しい姿があればこそ、この物語は鳴動するのだ。葛藤なき感動などありえない。

人間とは酷く不器用で面倒だ。助走距離が無ければ空も飛べやしない。

いっそ火の鳥になれれば....

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posted by lain at 07:20 | 北海道 ☔ | アニメ 懐アニ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする