我が青春のOVA1987 #7 「マップス(1987年版)」長谷川裕一(原作)/スタジオぎゃろっぷ/懐アニ/感想

昨日7月21日は「ロボットカーニバル」30周年の日だったのだけど、実は「マップス」というOVAもひっそりと30周年を迎えていた。

そもそも「マップス」なる作品がなんぞや?ということだけど、SFを中心とした作品で今でも活躍している長谷川裕一さん(星雲賞という有名なSFの賞を貰うくらいの漫画家さん)の出世作で、主人公の男の子とそのガールフレンドが、突如現れた宇宙海賊を名乗る美女に捕まり、自分が宇宙規模の放浪民族”さまよえる星人”の末裔であることを知らされ、彼らの民族が隠したとされる秘宝”風まく光”を探しているという女海賊と共に、銀河で冒険を繰り広げることとなる物語だ。

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星をも砕く馬鹿でかい頭だけの生命体銀河伝承族はマジでやばい....

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基本的には骨太なSF大作なのだけど、ちょいちょいセクシーなのも嬉しい



本作の話をするなら、避けて通れないのがマップスを連載していた雑誌「月刊コミックNORA」だろう。あの学研が発行する漫画雑誌だったのだけど、周囲で読んでいるような人はまずいなかった。僕のように単行本は気になって手に取る人はいたものの、兎に角地味なイメージでノーラコミックを略した"NC"マークも微妙だった。しかしSF好きの評判は悪く無かったのではないかと思う。超人ロックの聖悠紀さんや、安彦良和さん、あさりよしとおさん、こやま基夫さん等々、個性派揃いの連載陣を見れば、今更ながらでも読んでみたくなるのではなかろうか?

まあ僕自身まともにコミックNORAを読んでいないのでなんとも言い難いけれど、派手さは無いけど気になってしまう雑誌の打ち出す作品は意外性に溢れていて好きだ。売れないけど面白い漫画がこの世界には多過ぎると思う。電子書籍で配信した利益が、もっと作家の元に転がり込むようになれば、売れないけど面白い漫画を描く人達が、好きに作った作品で食べていけるのでしょうね......



で、脱線したところで1987年版のマップスはどうだったか?ということだけど、正直あまり芳しくない。原作の美味しいとこどりのストーリー構成はそれなりに悪くないのに、キャラの作画があまりにもお粗末で辛い。マップス1巻の序盤だけをチェックした人が作ったようなキャラデザが生理的に受け付けないだけでなく、キャラ崩れしないシーンがほとんど無い。今の綺麗過ぎるアニメを見慣れたせいもあるかもしれないけれど、同じ時期のアニメの質と比べてもお世辞にも褒めるのが難しい。

そんなアニメの出来に左右されているのかどうか分からないけれど、声優陣の演技も何処となく微妙なのだ。当時21歳の皆口裕子さんが下手なのは兎も角、主役を演った田中真弓さんの気の乗らなさや、神谷明氏のヤケクソ感は明らかに現場のムードのせいではないだろうか?それとも完全に気のせいかな?....

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こんな人は知らない....
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こんな人達は知らない....

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他のキャラはコミカルなのに、リプミラの茶目っ気が全然出せていないのが致命的だった....





脚本に寺田憲史さんを起用したり、音楽に田中公平さん使って主題歌は関口和之さんが参加しているし、ぶっちゃけ豪華なスタッフや声優陣に恵まれているように一見見えるけれど、案外それだけじゃ現場は回らないものなのかもしれない。ただ、この作品は天使の姿をした宇宙船であるリプミラ号への愛だけは素晴らしかった...かな?


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これからマップスを観ようという人は、正規のルートで見れない1987年版は忘れて、本作から7年後に東京ムービーが作った1994年版を是非見て下さい。映像演出もパワフルだし、辻真先さんの脚本も光ってます。










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