変わって欲しくない人と、幸せになって欲しい人が同じ人ならば...『amazarashi Live Tour 2017「メッセージボトル」Zepp Sapporo』感想

公式的には特に触れていないが、前身のアマチュアバンドから数えれば今年でamazarashiは結成10周年のバンドで、世界にも自分にも『否』を叩きつけるような曲の数々は、気づけば幅広い世代を振り向かせるうねりとなり、自慢の反骨精神がゆらぐほど売れ始めている。

資本主義に背を向ける歌を謳って来たamazarashiにとって、それが良いことなのか悪いことなのかは意見が分かれるに違いないけれど、amazarashiの根幹である秋田ひろむが、生まれたこと生きていることを自ら肯定出来るようになって来た証拠ならば祝福してあげたいと僕は思っている。


『これは俺が愛したamazarashiじゃない』


そう感じる人は当然いるだろうし、最近の優しいamazarashiの方が好きな人だという人も大勢いることだろう。ベスト盤をひっさげての今回のツアーは、どちらかと言えば後者のファンが嬉しいツアーだった。キャッチーなタイアップ曲や希望が最後に残るようなセットリストになっていて、定番である「奇跡」「つじつま合わせに生まれた僕等」「ひろ」等の流れからの秋田ひろむの素直な気持ちが心地良い新曲「たられば」でトドメとなり、僕は人目を憚りながら泣いてしまった....





長く音楽をやっていれば、それだけ歌の数もファンの数も増えてゆく。それら全てを満足させることなど当然出来るわけもない。それこそ「出会いと別れを繰り返して」秋田ひろむとamazarashiは進むしか無い。

僕もamazarashiの進む道に少々不安は感じている1人ではあるものの、自分の気持ち云々それ以上に秋田ひろむの行く末の方に気持ちは向いている。どんな彼になろうとも、それを受け容れたいし、紡ぐ歌が骨抜きになってしまったとしても、彼には幸せになって欲しい。amazarashiがこれまでもたらした希望と絶望の数々には、それだけの価値があるはずだと僕は勝手に信じているのだ。


ツアー途中での相次ぐバンドメンバーの脱落による延期に、無用な勘ぐりをせずにいられない僕ら。amazarashiとの試練の旅はまだまだ続くだろう。

全くもって悩ましいバンドを愛してしまったものである......

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