2017年05月19日

自分に自信がある人ほど"彼女"に打ち砕かれる物の大きさも一入だろう.....「エクス・マキナ」アレックス・ガーランド(監督)/感想

一昔前ならいつか達成されるであろう”夢”の一つでしかなかったAI技術。

でも今では、ふと手を止めて周囲を見回すと、既に自分はAIに取り囲まれ徹底的に情報収集されていることが分かって来る。生活家電、ゲーム、グーグル、etc.....機能はまだ限定的ではあるものの、痒い所に手が届く便利な物に今やAIは欠かせないパーツになっており最早AIは夢でもなんでも無い。

何万年経とうと未成熟な生き物である僕ら人間が、AIとどう向き合って行けば良いのか真剣に向き合う時代が目の前までやって来ているのかもしれない。




◯oogleのような大手検索エンジンを運営している会社で働く優秀なプログラマーが、社内の抽選で社長の別荘に招待されることとなり、スマホの電波も入らずヘリで訪れるしかないような山岳地帯までやって来るのだけど、単純に社長の豪邸を堪能出来るわけではなく、他言無用なAI開発の最終的な試験の手伝いをさせられることになるのが.....という話なのだけど、そりゃ〜ただで転ぶはずが無い。

AIとの会話を通じ知性の有無を判断するチューリング・テストをすることになった主人公は、あまりに人間的な彼女<AI>にどんどん惹かれてゆき、彼女の生みの親である社長への不信感も相俟って、とんでもない事をしでかそうとするも、実はそれすらこういうことだったのだと収束して行くのがなんとも言えず、穿った見方をすれば古き時代の考え方である男尊女卑に縛られていた女性の再出発話にも見えなくもないため、男としては弱い所をグサリとやられた気分になった....


そんな軟弱なプライドは置いておくとして、見た目でそれと分かるAIエヴァのデザインが上手い(エヴァ役の”アリシア・ヴィキャンデル”の仕草や表情も込みで素晴らしい)と感じたし、男2人のAI論も普通に面白いと思わされた。次のモデルが出来れば今の記憶が無くなってしまうエヴァに同情する主人公へ、いつかAIは人間を原始人扱いするだろうから彼女を憐れむ自分を憐れめと苦言を呈す社長という対比が後々非常に糸を引く。

ちょっとしたサスペンス物を見ていたつもりが、全てが終わった頃には、まるで神話の誕生に立ち会っていたかのような感覚になる映画だった。







いつか本当に人と判別出来ないAIが生まれることは間違いない。その瞬間が訪れた時、果たして僕らの倫理観は、どの方向を向いていて、AIは僕らをどう受け入れてくれるのだろう?


エヴァを見ていると、人とAIとで迎える未来が怖くて仕方ない………





エクス・マキナ公式ウェブサイト
posted by lain at 07:18 | 北海道 ☔ | 映画 SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする