我が青春のOVA1987 #2「笑う標的」高橋留美子(原作)/高橋資祐(監督)/スタジオぴえろ

今年で30周年を迎えるOVAを振り返るシリーズ第2回は、幅広い世代に愛される稀有な漫画家”高橋留美子”さんの短編「笑う標的」。


主人公はちょっと弓道の腕に自信がある少年で彼女持ち。後輩の女の子にもちやほやされ、かなり羨ましい。

そんな彼には許嫁までいて、その子が身内を亡くしたことをきっかけに、主人公の家に身を寄せることになったからさぁ大変....


明るい路線の高橋留美子作品なら、ここから底抜けに馬鹿馬鹿しい付かず離れずのラブコメが展開するところなのだけど、古典ホラーの「笑う標的」はそうはならない。昔の約束を心の支えにして来た許嫁の少女が、主人公の今カノを亡き者にしようとするのである。

何をどうやって亡き者しようというのかは、とりあえず置いておくとして、本作の疎遠になっていた恐妻から愛人を守る的な構図と、恐妻が何故恐妻になってしまったのか?という過去描写のバランスが良いため、終わってみれば1時間に満たない尺でありつつも恐ろしいはずの恐妻がとても愛おしく感じてしまうことだけは伝えたい。彼女の生い立ちを考えると、本当に遣る瀬無い.....

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あまりにも子供の頃の話で許嫁にピンとこない少年と今カノ

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そこへ現れる色白の美人。まるで喪服のようなセーラー共々素晴らしい存在感

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そんな美人もこうなっちゃ台無しだ....



個人的にはかなり心に焼き付いている本作だが、ネット配信どころか実はDVDにもなっていないため、合法的に見る手段が非常に限られる(原作は直ぐ手に入る)VHS版はまだ手に入ると思うので興味が湧いたら見てみて欲しいものだ。

まあ、何度となく自作がアニメ化されて来た留美子先生である。マスターさえ残っていればいつかBD-BOXか何かで、他の不遇なアニメ化作品と共に発売されそうな気もする。

「人魚の森」もそうだけど、シリアス系の高橋留美子さんもやっぱり僕は大好きだ。





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