トランプよりはシビュラの方がマシ...かな?「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」Production I.G/本広克行/感想

ドナルド・ジョン・トランプが、まさかの逆転勝ちで第45代アメリカ合衆国大統領確定のニュースを見た時、あぁやっぱりアメリカ人は馬鹿だと思った。きっとまた選んだことを後悔する日が来るだろうとも。

本当ならば他所の国の話だし、日本人である僕の知ったことじゃないと言いたいところだけど、残念ながら長年アメリカの顔色を伺い他国からの脅威を虎の威を借る狐状態でアメリカにおんぶに抱っこしてもらってきた国の一員としては、強い影響力を持つアメリカ大統領の人事を当然無視出来なかった。僕としては、生理的にも政治経験的にも年齢的にも不安しかないトランプではなく、昔ながらの政治家で外面を取り繕うことが出来るヒラリーの方がマシだと思っていた。旦那や自身の失敗で様々なことを学んできた人物であるし、女性初のアメリカ大統領という意味でも、それに恥じないよう頑張ってくれたのでは無いだろうか?ドラマ「24 TWENTY FOUR」に女性大統領が登場していた時期に、この選挙戦があったなら結果は違ったことだろう。アメリカ人の民意なんて、その日の気分であっさり変わるのだから。

それでなくとも敵が多いのに、嫌われ者が王座について更に敵は増えるだろうし、アメリカなんて程度の良いヤクザみたいな物なのだから、せいぜい寝首をかかれないよう周囲に気を配って欲しいものだ。間違っても金や名誉のために戦争を起こしたりしなきゃ良いが....





日本の包括的生涯福祉支援システム"シビュラシステム"が他国のリーダーを自分の分身入りの人形に入れ替えていたという、いやぁ〜な話の劇場版「PSYCHO-PASS サイコパス」を見ながら、シビュラシステムならトランプを何色(人間の犯罪係数を色相で表現するときがある)だと判断するのだろう?と思った。シビュラシステムはアメリカと同じように自己の利益の為に"過剰"なお節介を周囲にもたらす存在ではあるものの、基本公平で生理的に駄目とか気分次第と言うのがほとんどないから、トランプのことも阿呆だが無害だと判断しそうな気がする。

そんな劇場版の出来はというと、良い面悪い面それぞれあって、アクションシーンは見応え充分で日本の公安にそこまで権限があるのかよ!と、ツッコミたくなる脚本もサイコパスらしさがあって面白かった反面、戦場の空気感や戦車の重量感は物足りなく、1番がっかりしたのは狡噛慎也がタバコを吸うシーンで、吸っていないのにタバコの燃え方が異様に早い作画のせいで渋くキマるはずのシーンが台無しになっていた。

ついでに言えば、シビュラシステムに唯一口出し出来る主人公の常守朱が、新人時代から変わらずガリガリ体型な点にリアリティが無かった。ムキムキの狡噛慎也とあれだけ格闘出来るなら、もっと筋肉質でいいんじゃなかろうか?



重箱の隅を突いたって非生産的なだけだ言う人もいるだろう。でも、本当は存在しない物に命を吹き込むのならば、重箱の隅にだってプライドが必要になる。万人が受け入れやすいキャラクター造形やストーリー展開もさることながら、細やかな描き込みや繊細な動きに拘った「君の名は」がヒットしたことでもそれは証明済みだ。

トランプも、ああ見えて実は細やかな気配りが出来る男だったら.....もしかすると...........