秋は忘れ物を探す季節

 近年、様々な理由から日本のアニメは収益の回収が困難な状況にある。

 元よりTVアニメは無料で放送(CMによる収益のみ)し、関連グッズやVHS版・ディスク版等を売って成り立っていたわけだが、バブル崩壊後アニメファンの財布の紐はどんどん堅くなり、コンテンツを楽しむ方法が多様化してから、その流れは更に強まった。

 HDだ4Kだと、テレビやレコーダーの性能が上がれば上がるほどディスク版の旨味は特典映像やオーディオコメンタリ等だけになるし、僕ぐらい中年のアニメファンになるとアニメキャラのストラップだのキャラソンだのは滅多に買わない。そうこうしているうちに、好きな物なら素直に財布を開く女性達向けのコンテンツが伸びるようになり、今では逆ハーレムアニメや腐れでマーケットは溢れている。

 軟弱な僕らが悪いのかもしれないが、骨太で硬派なアニメ達が懐かしい......





 人気アニメの映画化も、そういった収益の面で助けになるからという理由が少なからずあるのだろう。エヴァやガンダムのように作り手や受け手に自然と望まれ生まれた劇場版は幸せものである。

 アニメ好きとしては、好きなアニメは少しでも長く続いて欲しい気持ちはあるから、勿論劇場版は嫌では無い。TVの再編のみでなく、新映像たっぷりなら尚のこと良い。しかし、劇場版で完結!というのは正直あまり好きでは無い.....ネット配信やレンタルに並んだら観ようと思っていたら、うっかりそれ(劇場版)自体の存在を忘れてしまうケースも多いし、数年ぶりに思い出して観てみても、内容が全然思い出せないなんてこともザラだからだ。せめて1、2年遅れでも地上波で放送するような機会を設けてくれればと、甘えたことを考えてしまうが、そこそこ人気の作品でもそれは難しい話なのだろう。

 ここ2、3日で弱虫ペダルと蒼き鋼のアルペジオの劇場版を観たが、両作ともTV放映の延長上にあるストーリーで、普通に見逃せない内容だったからこそ、今の劇場版有りきな制作スタイルはイマイチ納得出来ない。いっそ全てのテレビ局が有料化になる未来が訪れた方が、日本のアニメの将来は明るいような気になってしまう。苦肉の策なのかもしれないが、何事にも一長一短あるものだとしみじみ思う初秋の朝である。





 とりあえず、すっかり忘れているアニメの劇場版を探す旅に出よう.....🍃