2016年08月24日

現実を理想で打破した時、何を以って現実とするのだろう?「小惑星に挑む」あさりよしとお/白泉社/感想

地球では、何十年も前から資源の問題が取り沙汰されている。

エネルギー源として広く使われている地下資源のうち、石油はあと50年、石炭で100年、天然ガスは新しい採掘方法も含めれば160年分と言われおり、石油のあと50年と言う数字は普通に無視できない。何かと因縁を付けて、石油のために戦争をしたがる連中の気持ちも少しは理解出来るというものだろう...



は、この先どうやってエネルギー源を確保して行くのか?頼みの綱である原子力は信用しきれないし、あの震災から原子力に代わる(補う)として注目が集まった太陽エネルギーにしても、コストや安定供給の面で心許ない。じゃあ他所の星でも荒らしに行くか?と、有識者達の中で意見が固まったのかどうかは分からないが、宇宙探査はここ10数年の間に日本でも随分と注目されるようになった気がする。やはり、あの奇跡の生還を果たした”はやぶさ”のせいなのだろうか?




小惑星イトカワまで2年かけて到達し、惑星表面からサンプル回収を成功するも、度重なるトラブルに見舞われ帰還は絶望的な状況に陥り、それでも7年に渡る旅を終え地球へ戻って来たと言うのだから、生き物相手で無くとも思わず感情移入せずにいられない_____と、今でこそ思うわけだが、フィクションにおける宇宙には大いに興味があっても、現実の宇宙開発に疎い僕は、”はやぶさ”が帰還した時の大騒ぎにも「ふーん」くらいにしか感じず、何億もの予算に見合った探査だったのか?とさえ思っていた。

つい先日30周年記念の新しいアルバムを出したばかりの新居昭乃さんのライブへ初めて行った時、”はやぶさ”への想いが篭る「HYABUSA」を聴きながらプラネタリウムに映し出される”はやぶさ”の燃え尽きる瞬間を目にしたことで、初めて僕の中で"はやぶさ"が特別になった。誰かが咀嚼してくれなければ、食べることもままならない自分の偏食っぷりが良く分かる話である。

AmazonのKindle読み放題サービスの無料お試しで、たまたま見つけた"あさりよしとお"さんの「小惑星に挑む」も、昭乃さんのHAYABUSAと同じく、読めば一発で”はやぶさ”へ感情移入せずにいられなくなる内容だった。行き着く所まで行き、あとは衰退するしか無いところまで進んだ文明から"可能性"を求め太陽系へとやってきた二人の宇宙人が、たまたま出会った小さな探査機から親機である”はやぶさ”へ興味を持ち、直接的な干渉を避けつつ帰還までの経過を観察し続けるという内容で、子供でもなんとなく理解出来るような書き方で”はやぶさ”に課せられた使命や、見舞われたトラブルの内容などを解説してくれるから、教材としてとても面白かった。

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人間の感傷で生まれる嗚咽やため息でタービンを回せたなら、はやぶさの出番も無くきっと今直ぐにでもエネルギー問題は解決するに違いない。

夢のような話が、夢で無くならない限り、近い将来宇宙探査どころじゃ無くなりそうで不安だ.......






posted by lain at 07:10 | 北海道 ☔ | 漫画 全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする