春アニメに貰った絆の使い道が分からない俺にワンチャンありますか?

春アニメは、様々なの形を見せられた気がした。


そのまんまなタイトルだった「キズナイーバー」では、痛みを共有することで生まれる連帯感と、繋がらないままでしか生まれない愛おしさというものがある事を個性豊かな高校生達が教えてくれたし、社会の枠組みから逃げ出して秘境のような村で人生をやり直そうとする連中の無様で愚かしくて不愉快でさえある姿に、もう一人の自分を見つけてなんとも言えない気分になってしまう「迷家」は、切っても切れない絆と向き合う怖さと大切さを突き付けられた。

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痛みを取り戻した少年と
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痛みを皆に返した少女
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二人を見守る彼ら、彼女らの穏やかな顔が素敵だ



一言でと言っても千差万別である。それは男女の愛でもあれば、愛に関係無く血で縛られた親子のそれでもある。同性への複雑な愛憎だって然りだ。母親を喪った少年が、叔父さんの家に引き取られ、ただで家に住まわせてもらうのは嫌だと家事全般を請け負うようになる「少年メイド」などは、それらの様々な絆が上手い具合なバランスで配合されており、少年がメイドの格好をすると言う外連味だけに頼っていないのが良かった。それとは逆に、青年が突如両親を亡くす1話以降、血の繋がらない弟と不自然なまでにスキンシップをはかる場面が目についた「SUPER LOVERS」は、段々と興味が薄れて途中で観るのを止めてしまった。たとえ美少女達がバイク部を作ってツーリングを楽しむ”ありえない”内容の「ばくおん!!」であっても、作者の熱いバイク愛が付加されるだけで、本来心を持たないはずのバイクと、本来バイクになど興味を持つはずの無い少女達との間に深い絆を感じることが出来たのだから、何事も描き方ひとつで変わってしまうものだと思った。スパラバはもっと自然なやり取りの中に腐れを感じる作品であったなら.....

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可愛い格好させられることに順応してしまった少年が愛おしい...
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ライム先輩は一体何者だったんだろう...ゴクリ



腐れと言うと歪な物で間違いないが、一見歪に見える絆というのも場合によっては案外居心地の良いもので、圧倒的なスペックの持ち主で変態紳士でもある坂本くんとクラスメイトとの捻れた学園生活が面白かった「坂本ですが?」も、終わってみれば別れが寂しかった。的を射ていそうで射ていない彼の一挙手一投足の匙加減だとか、周囲がどれだけ対等になろうと頑張っても近づけない距離感だとか、そーゆーのが全て吹き飛ぶ最終回の坂本くんの別れの表情の良さだとか、もう兎に角勝ち逃げ状態の坂本くんには早く戻って来て欲しいと思ってしまった。今日日母親でもそんなに面倒見が良くないぞ!と言いたくなる太田くんと同級生の優しさで出来ていた田中くんのアニメにしても、回を追うごとに規格外のぐーたらっぷりが羨ましくなり、彼を師匠と慕う女子高生”宮野”さながらに田中くんに教えを請いたくなっていた(「田中くんはいつもけだるげ」は、アイキャッチの入れ方や間の取り方が実に上手い作品だったと思う。スタッフも大いに仕事を楽しんだに違いない) 作り手の独占欲や鬱々とした感情が作品に反映されてしまったかのような最終回で、そこまでの全てを水泡に帰してしまった感がある「くまみこ」も、なんだかんだ人と熊の交流という歪さが楽しい作品だった。人間は少々歪なくらいが丁度良いのかもしれない。
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唯一見せた弱さ
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タイトルをオーバーラップさせるなど、主人公のやる気のなさに反して演出はやる気満々だった
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後頭部しか映って無いけど白石ガンバ....
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キャラもCVもOP・EDも良かったから、もうちょっと丁寧に終盤を作って欲しかった。春アニメの中で一番悔やまれる作品である...


今時の悩みに寄り添った「ネトゲの嫁」 昔ながらのバディ物「うしおととら」 もうひとつの昭和を生きた超人達の叙事詩「コンクリート・レボルティオ」 現代を生きる等身大ヒーロー「僕のヒーローアカデミア」 内容はすっからかんなのにアニメーションの旨味が200%凝縮されていた「宇宙パトロールルル子」。ガルパンや艦これ人気にあやかった作品ではあるものの出来は良かった「ハイスクール・フリート」 他にも続編や派生アニメを合わせたら充実の絆っぷりの春アニメ。勿論幸せな絆ばかりではないけれど、それはそれでご馳走でありました。今朝やっと観た「甲鉄城のカバネリ」の”美馬”にしても、愛憎に身を窶しながらも主人公に希望を託すようなマネをしていて、最高の悪役っぷりだったから泣けてしまった。OPの「貴様!人かカバネか!!」「どちらでもない!俺はカバネリだ!!」や、「涙が枯れてからが勝負だ」など、所々で良いセリフが飛び交う良いアニメでしたカバネリ。まだカバネは存在しているわけですし、今度はアメリカを舞台にマカロニ・ウェスタンなカバネリを観てみたくなった。

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彼ら彼女らの絆のように、僕とアニメの腐れ縁は、まだまだ続きそうだ....

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