自己犠牲は旧懐の調べ「オーバーウォッチ」Blizzard Entertainment/PS4/Xbox One/PC/感想

僕は子供の頃、兎に角周囲に泣かされてばかりだった。幼稚園に行けば意地悪な友達にからかわれ、家に帰れば姉二人に弄ばれていた。内気な性格で、何処に行くにしても長い田舎道のお供は独り物語を空想することだった。

中でもお気に入りのシチュエーションは「ここは俺に任せて先に行け!」状態の自己犠牲物である。頭のネジが少し緩かったのか?それとも自身の星座である乙女座が自己犠牲精神に溢れているとかなんとかと占いの本で知ったからだろうか?そもそも単純に男の子という生き物はそういうのが好きなだけなのかもしれない。





さて、そんな気の弱い男の子の今はどうかというと、実はあまり変わっていない気がする。せいぜい図体がでかくなって苛められたり泣かされなくなり、本心を偽って強がることが出来るようになったくらいで、いまだに自己満足でしかない自己犠牲物に目が無い。




 ”俺が耐えているうちに頼む!”

昨日発売されたオーバーウォッチは、拠点の確保や対象を護衛するルールがメインで、使用出来る21人のヒーロー固有の能力には補助的な物(敵の攻撃を防ぐ盾やバリア、体力の回復や移動力の増加など様々)も非常に多く、自己犠牲精神を活かし易いゲームバランスで僕の得意技が存分に発揮出来る良いゲームだ。β版を散々遊んだ後なのに、まだまだ個々の特性やチームの組み合わせに試行錯誤する楽しさが止まらない。

残念ながら野良プレイではチームがなかなか噛み合わずフラストレーションも溜まり易いものの、ここぞと言う場面で互いに空気を読み合いガチッと役割がハマった時の気持ち良さはなんとも言えず癖になる。どう"殺すか"では無く、どう"死ぬか"が重要に思えて来る点が実にヒーロー物らしくて面白い。あまりに熱中し過ぎて自己中心的に"俺がこんなに頑張ってるのに他の連中は何をしてやがるんだ!"に陥りそうになった時、「あぁ、俺今ダークサイドに堕ちそうだった...」と思えるかどうかも自分次第なのである。


美味しそうなお肉を目の前にしたらつい食べてしまう自称菜食家のように、FPSにおいては勝敗を左右しない場面でも"つい"ド派手にキル数を稼ぎたくなってしまうが、そこをあえて我を殺し仲間を活かす道を選択するのも「乙な物だろ?」なんていうヒーローの囁きが聴こえて来そうだ。

良い生き様なんて今更都合良く夢見る気はない。せめて良い死に方をしたいと切実に感じるお年頃な僕である.....








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