正しさと言う幻想の煌めき「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」水島精二(監督)/會川昇(脚本・原作)/ボンズ/感想

 年も明け、録り溜めたアニメもほぼ消化し、ようやく新番を落ち着いて観れる時期になった今頃、コンクリート・レボルティオの1期を観終わった。そもそも分割2クールだと思って居なかった為、少し肩透かしを喰らった感じである。今週も放送されると普通に思っていたのだ(間抜け)


 それはともかく、世界観が作り込まれていて登場人物も複雑に絡み合い、正しさとは?と僕らに問いかける構成になっているのが本当に熱いアニメだった。学生運動が盛んだった昭和をベースに考えられた世界だから、これだけまとまりを感じる物に仕上がっているのだろう。

 血気盛んな若者達が己の正しさを信じ、信念と真実の前に傷つき倒れて行く時代に、人知を超える力を持つ超人が大勢存在するという設定の中で、その力に翻弄される超人と超人では無い人々の物語が紡がれて行くのだが、僕らがよく知る○ルトラマンのように人間と共生して悪の宇宙人と戦う者、助けを求める者を純粋な心で見極め何処の誰であろうと救おうとする少女型ロボット、悪の組織に殺されサイボーグとして蘇り法を守ろうとする刑事、超人を悪用する人間達の悪事を白日の下に晒す為には手段を問わない超人まで、挙げればキリが無いほど繊細な正義に溢れていて胸が何度と無く締め付けられる。『正しいのに間違っている』この遣る瀬無さが沁みるのだ。




 それぞれの正義がぶつかり合う展開を下支えしている要素の固め方がとても上手い作品だと思う。で無ければ、魔女っ子に怪獣に巨大ロボに宇宙人にオバケまで同じ世界観に収めるなど到底叶わないはずだ。超人達の個性を出すため、大勢のクリエーターをキャラ原案に起用し、哀川翔さんがここは自分がやっても駄目だと言う話は違う脚本家に依頼したりもしているし、強烈な個性の群れを殺さず活かしまとめ上げる為、監督は相当頭を悩ませているのではなかろうか?物語の性質上、一つの話の中で時系列が前後する演出が用いられているから、相当始めから構成を入念に練る必要があったはずだ。原作・脚本を担当する會川昇さんの中で物語がかなり固まっていたからこそ、これだけ一本筋が通った世界観に仕上がっているのかもしれない。

 大勢のアーティストが参加してる音楽面も含め、ここまでごった煮でありながら破綻しない世界観の懐の広さは素晴らしいの一言。こんな素敵なレトロフューチャーがまだ1クールも愉しめるなんて、幸せ過ぎる話だ。分割2クールで直ぐに見れないのは寂しいけれど、制作期間を十分に取るということは、ちゃんと作品が温まった状態で僕らに届くということでもあるし、けして悪い話では無い。雪が融け、桜の話題が日本中を駆け巡るその時まで、BDや前日譚に当たる會川昇さん執筆の「超人幻想 神化三六年」を味わい尽くしたいものだ。


















 追伸、コンレボの善悪の描き方は『超人ロック』に通ずる物があり、同作が大好きな僕には本当にツボだった。ついでと言ってはなんだが、コンレボを気に入った方は「超人ロック」も読んで見てはいかがだろう?



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