うつのみこ日誌 八

地上編に続き天上編をなんとか年内に読み直した。

この先何処まで期待して良いのか不安になる天上編の振り返りとなり、試練に次ぐ試練に耐え、北天の星を目指す皇子達の戦いと同じく、僕にとってもまさしく試練だった....




いくら思い出補正があったととは言え、これほど藤川さんの文章に違和感を感じるとは、ここに至るまで思いもよらなかった。もう兎に角回りくどく、同じことを何度も何度もセリフや説明に書いているので、もうそれは分かったから!と、途中からどんどん省いて速読してしまいました。

特に各務が帝釈天に連れて行かれたのを助けた後の旅が無駄に長く、毎度困難を乗り越えそれについて考えた時、小角や神達の与えた「試練」だったのだと安易に結論付けてしまうから、それって思考停止じゃねーか!と突っ込みたくて仕方がなかった。やっと北天の父の元へ辿り着いたかと思えば、あっさり一振りの七星剣を与えられて地上へと追い返されてしまったというのは置いておくとして、読めば読むほどまとまりが悪い作品だったのだと今になってトコトン思い知らされ苦々しい気分になっている自分が居ます....


いつぞやも書いたけれど、もしも森博嗣さんが宇宙皇子を書いたのだとしたら、10巻分を1冊にまとめてしまうのでは無いだろうかと考えてしまう。同じようなやり取りならセリフを書く必要など無いし、連載では無く書き下ろしならばいちいち1冊の中で重複する説明書きを入れる必要もそれほど無い。キャラの描写にしたって、大まかな特性が理解出来るようにしておけば、読者がそれぞれ空想すれば良いことであって、一人一人の状態を書き手が逐一書き込む必要など無い。様々な人々が設計図として参考にすることとなる”脚本”を書くのが本業である藤川桂介さんの脚本家としての良い面が、小説家としての藤川桂介を殺しているのでは無いかとさえ思えてくる。

良い脚本家が良い小説家では無い。小中千昭さんの本でもそれは分かっていたけれど、あまりに宇宙皇子は僕の記憶の中で美化され過ぎていたので、なおのこと残念に思う感情が噴き出してしまったのだ.....






また少し違う作家さんの本を読み一休みして、来年の雪解け時期までにお話の筋や登場人物の行く末だけでも分かる程度に最後まで読んでしまいたい。なんだかんだ年月の移り変わりが切ないストーリーだから未だに登場人物への愛着は強いのであります。

これでもし”いのまたむつみ”さんの絵が宇宙皇子に無かったとしたら、これほど僕の心に残っていなかったのかもしれない.....








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