いやいや、僕も負けてませんよ「俺は性格が悪い。」四宮しの/茜新社/BL/感想

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背が小さくて服もキャラもゆるめ。
リア充どもからイジメられる犬塚は、特に反抗しないけども気分はよくないので、
ひっそり心のなかで毒吐く日々。
そんな内弁慶の犬塚と仲良くしてくれる森田は、変にイジってこないので日々を
穏やかに過ごしていた。
しかし、ある日ちょっとした悩みを話したことをきっかけに、森田の実はアレな
性格を垣間見ることになり…。

裏表紙あらすじより



何かにつけて捻くれている、どんより眼の主人公"犬塚"が、自分に都合の良い友達のはずのメガネのイケメンオタク"森田"に好かれていることを身をもって尻、まんまとノンケの道から転げ落ち、おホモ達が出来てから広がった人脈も、総じてホモばかりと言う展開に『類友にもほどがあるだろ!』と、うっかり突っ込んで♂しまいたくなる漫画でした。

最初に主人公がホルモンバランスを崩して胸が膨らんでいるという設定があるため、脳内も若干女性化しているかもしれないと考えられなくも無いが、いかんせん簡単にホモの魔の手に堕ちる主人公を見ていると、どうしても作者の女としてのコンプレックスが反映されているような気がしてならない。

"犬塚"の小さな胸の膨らみを揉んで「女子にキョーミないよ」と口にする森田のセリフが、僕には「胸の大きい子にキョーミないよ」と見えて来るのは、穿った物の見方なのだろうか?

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他にも森田達を取り巻く人々である自分がホモである事を恥じて酒に溺れた経験のある先輩と、その先輩を健気に支えるぶっきら棒な青年のやり取りにしても、まるで駄目駄目な生活習慣を送る自分の世話を見てくれるイケメンとのイチャコラ生活を想像して描かれた物では無いか?と思えてしまう。自分はグズで駄目駄目で大嫌いで、でも、そんな自分を好きだと言ってくれる人がいたら、自分を少しは好きになれるような気がする←そういった想いから生まれた男達に見えてしまうのだ。



ある意味、このタイトルは逃げなのではなかろうか?自分の性格が悪いと自分で分かっているのだから問題ないでしょ?もしもこんな私の懐に入り込んで傷ついたとしても、それはあなたの責任よ!と突き放しているようでもある。しかも、こんな自分でも良いと言ってくれる優しい人募集中という都合の良い話だ。逆に甘やかしたい人の妄想だったとしても、それはそれで救い難い....


しかし、そんな都合のいい話だからこそ、登場人物達のことが気になってしまう作品でもある。何を隠そう僕も駄目な人間だからだろう。僕の場合、優しくしてくれるのは女性の方が嬉しいのだが、彼等の捻くれた愛情話は、異性であれ同性あれ、普通に共感出来る話であるし、ここでこうされたら、こう言われたら、を、ここぞとばかり出せている辺り、女性漫画家らしい上手さが光っている。

性描写が巻末まで弱いのも男としては読み易かったし、主人公の見てくれが女の子女の子してないのも良かった気がする。

もう少しだけ、痴情の醜さを言い表す為の"性格が悪い。"ではなく、より自然な同性愛の中で浮き彫りとなる人としての弱さを表す"性格が悪い。"であったなら、ジャケ買い読者である僕の満足度は格段に上がったかもしれません。




きっとこの本の主人公より、僕の方が性格悪いですねζ*'ヮ')ζ







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