本名ではなく、役名が先に出て来るのは役者冥利に尽きる?!『名探偵ポワロ』デヴィッド・スーシェ/熊倉一雄/イギリス/TVドラマ/感想

 二日前、”熊倉一雄”さんが亡くなったというニュースが飛び込んで来た。

 ”アルフレッド・ヒッチコック”や『名探偵ポワロ』のポワロ(デヴィッド・スーシェ)の声を吹き替えしていたことで有名な方だ。



 実のところを言うと、僕は熊倉さんの名前なんて覚えていませんでした。お顔だけは記憶にあったけれど、他の作品で声を聴いても”ポワロの人”だ!と、思っていました。

 熊倉さんの柔らかな中にも芯のある奥深い声の響きは、声が名刺代わりだと言わんばかりの一度聴けば絶対覚える個性だったのです。





 どちらかというと自らがセンターというのではなく、主役の傍を彩る名優としての姿が強いものの、ポワロ役は間違いなく熊倉さんで無ければ勤まらない役どころでした。うっかり字幕版のポワロや、デヴィッド・スーシェ出演の映画で熊倉さん以外の方が吹き替えを当てているのを見ると、こんなのポワロじゃねー!と、デヴィッドや他の声優さん達に失礼な感情しか湧いて来なかったものです。

 今回テレビシリーズの第1話を見直してみたのですが、試行錯誤の日々だったという割に初っ端からとてもポワロらしいポワロで素晴らしい。故”富山敬”さん演じるヘイスティングスとのコンビも最高に良い。服装とお髭の手入れに余念が無いポワロが、大事件ではなくコックの捜索を請け負うことになるものの、のちに大事件へと繋がっていくという展開も見事だ。流石はアガサ・クリスティ。灰色の脳細胞がどうと意味不明なことを言っているけど、徐々にその言葉の意味が染みて来るのもポワロの不思議な魅力の一つでした。

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お茶目で紳士なポワロだけど、田舎は苦手だし意外に怒りっぽいのが玉に瑕

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性格的に面倒なところがあるポワロと根気よく付き合えるヘイスティングスはO型かもしれない。

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科学捜査が当たり前な現代と違って、この時代この場所だから探偵という職業が自然と社会に溶け込んでいるように感じますね。




 亡くなられたことは寂しいですが、一昨年ドラマ版のポワロが20数年の年月を経て完結し、そのすべてに熊倉さんが出演出来たというのは、ご本人にとっても僕ら視聴者にとっても本当に喜ばしいことでした。



 派手さは無くとも、幸せな役者人生だったことでしょう。今までありがとうございました....







 追伸、今月の24日(土)の午後4時からハイビジョンリマスター版がBSプレミアムで放送されるようです。まだ見たことない方は是非どうぞo┐ペコリ 


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