今なら何処をクリックしても火が付きそうな銀英伝「クリックまんが銀河英雄伝説」徳間書店/PS/1999年

 あまり誰も気にしていないでしょうが、今回の藤崎竜氏によるコミカライズは、様々なジャンルへと膨張を続けた銀河英雄伝説という宇宙が、惑星”トクマ”から完全に旅立った瞬間でもありました。


 今までに徳間書店以外で原作本や漫画が出たのは、版元が動いてからの東京創元社にのみという状況でしたから、集英社で新しく銀河英雄伝説漫画をやると聞いて内心”ん?”と思ったものです。以前田中芳樹さんが出版社の方針を巡って自作品を全て引き揚げた何て話もありましたし、今年の春には”道原かつみ”さんによるの漫画版が一旦完結してしまったため、とうとう徳間とも縁を切る段階に入ったのかな?と、少々寂しい気分になりました。まあ会社組織という物は、次々と人が入れ替わってゆく物ですから、理念という物も当然刻の流れに乗って変わって行きますので、一作家の志と違えてしまうのも無理からぬことではあります。


 この先銀英伝の漫画と言えば藤崎竜みたいな流れになって行くのは昔からのファンにとって少々寂しいけれど、集英社と藤崎竜という新しいパッケージであれば、オリジナルに負けない個性を付加した挑戦的な銀英伝になること請け合いですし新たなファンも大勢獲得出来るに違いありません。ただこのコミカライズで「じゃあ私のはもう良いよね?」と道原かつみさんが僅かばかり残っているご自身の銀英伝再開の可能性から完全に身を引いてしまわないかが気掛かりかもしれない。


 それとも逆に刺激を受けて老体に鞭打ち再始動してくれたりするのだろうか?...







 こうして徳間と銀英伝の話をしていると、版権の問題で後味の悪い終わり方をしたボーステックによるPCゲームやSS・初代PSなどで幾つかゲームが出ていたことを思い出した。中には動く漫画な銀河英雄伝説もあったりしました(時代は既にPS2へと動き出している中、ちょうど銀英伝の熱も飽和状態にありちっとも売れず、2巻以降も発売を予定していたのに中止)


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※銀英伝に留まらず、シリーズ展開を想定したようだ


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※アニメ版を踏襲しているが、ちゃんと新たに描かれた絵ばかり。


※音声は入れてません




 試験的な意味合いが強く、実際のところ出来栄えは酷かった。微妙なアニメーションを入れているので、サクサク読めないし初代PSだから読み込みが遅い上、BGMはそれなりにしっかりオケが使われているのに対し効果音は濁っていて耳障り。大雑把にしかページ選択が出来ず、しおりを入れる機能が有るには有るが、一コマだけ戻ってもう一度吹き出しやアニメーションを楽しむことが出来ないのも大変不便。全体の作りが悪いため、読み進めるのが面倒で仕方なくなり、ストーリーを味わう気持ちさえ損なわれる勢いでしたし、これなら普通にOVAを観たり、フィルムブックを読む方がよほど良かった。


 もしかしたら、あの時既に惑星トクマは滅亡していたのかもしれない...... 


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 そんな黒歴史もあるものの、数年前からやっている舞台版も大変人気であるし、Production I.Gによる新たなアニメ版やDMMで配信予定の最新ゲーム版まで予定されている銀河英雄伝説。フジリュー銀英伝の人気次第では、また一花咲かせることになりそうで嬉しい限りだ。










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