新たな伝説の1ページとなり得るか?!「銀河英雄伝説 」藤崎竜(漫画)/田中芳樹(原作)/ヤングジャンプ/集英社

 『銀河英雄伝説』


今更一体何がどうして”伝説”なのか?、いちいち説明するのさえ躊躇われるほど銀河英雄伝説は語り草である。

外伝を含めればたった14冊の小説でありながら、累計発行部数が1500万部を超え、OVAとして前人未到の162話( 本編110話、外伝52話)を達成。アニメに参加した声優の数があまりに多すぎて、銀河声優伝説と揶揄されるほどで、”あのお方”がアニメ版で死んだ時には、現実世界で盛大に葬儀まで執り行われたという逸話まであります。過去に葬儀が行われた2次元キャラの面子(力石徹、ラオウ等)を見ても分かるように、語るだけ野暮になるほどの伝説ぶりなのです。


そう考えると、未だに舞台化やゲーム化される人気を保持する本作が、藤崎竜によって新たにコミカライズされたこともごく自然な流れだったのかもしれない。

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今まで漫画版銀英伝と言えば”道原かつみ”先生の物を指す代名詞でしたが、今年の春に諸事情により連載の中断を余儀なくされ不完全燃焼極まりない事態になっていたところに今回のコミカライズが登場ということで、鬱屈した気分を払拭する意味合いでも俄然期待値が高まっていましたし、何より”小野不由美”先生の「屍鬼」を野心的にコミカライズした”藤崎竜”が担当するというのだから興奮しないわけが無かった。

で、普段全く買わないヤングジャンプを何十年ぶりかに購入し、篠崎愛の乳にも目をくれず巻頭カラーで登場のフジリュー銀英伝に即突撃を果たした僕の私感としては、今回のコミカライズの満足度は70〜80%でしょうか?少なくとも藤崎竜ファンと銀河英雄伝説ファンが摑み合いの喧嘩を繰り広げるような事態にはならなそうであります。

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鋭い眼光のラインハルト

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だが笑うとこの可愛らしさである。




幼少期からの開始なので、キャラの可愛さが目立った1話目でしたが、”それ”があるからこそ同時に藤崎竜さんらしい不気味な残虐性が香って来そうな空気感が活きていてスリルのある絵作りになっているように思いました。アニメ版を踏襲したような流れと、原作を必要以上に壊さないように配慮しつつ織り込まれるオリジナリティが、今後どれだけフジリュー銀英伝を盛り上げていってくれるか実に楽しみになる1話目でした。

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フジリューの得意技が垣間見れるワンシーン。生々しい人間性が突き刺さる。


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船がかっこいいよねやっぱ銀英伝


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麗しいアンネローゼ

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二人の天使を護りたいと心底思ってしまったのが運の尽き.....





改めて銀英伝に触れて見ると、お話し自体は酷く分かり易い構図であります。帝政敷いている国と、そこから袂を分かった民主国家とが広大な宇宙を股に掛けて長年諍いを続けている時代に、無理矢理娶られた姉を自由にしたいと、人類が進出した宇宙の半分を手にしている皇帝を斃そうと少年が決意するというのだから、時代劇さながらの浪花節です。

しかし例えそんな私的な想いから始まったストーリーだとしても、ラインハルトとこれから登場するであろうヤン・ウェンリーを含めた現れては消えて行く英雄達の矜持に一切の曇りは無い。

あらゆる意味で魅力溢れる膨大な登場人物達を、どう活かし殺していくのか、藤崎竜氏の腕波拝見であります。中年が中年らしい渋さでカッコ良く描かれると良いなぁ。


完結まで何年かかるのか?ちゃんと最後まで連載出来るのか?不安もあるけれど楽しみで仕方ない。

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