戦争は非情?んなこと分かってる!っていうボーイズに”りこめんど”「裸者と裸者〜孤児部隊の世界永久戦争〜」打海文三(原作)/七竃アンノ(漫画)/感想

 原作の味わいがあまりにも好き過ぎて、今まで敬遠していた漫画版をようやく読み始めました。

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 否応無しに戦争へと駆り出され、沢山の出会いと別れを経験しつつ綺麗事で片付けられない世界を歩き続けることになる少年の物語である「裸者と裸者」

 漫画版という形で本作を振り返って改めて思うのが主人公である”佐々木海人”の人脈の拡がりです。


 恩人で愛人な魚屋のおばちゃん

 おでん繋がりのロシアンマフィア

 正道に目覚めた外国人傭兵部隊隊長

 女ホルを打たれた家庭教師

 性的マイノリティ集団

 イカすほどイカれた双子姉妹

 etc...

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 何をどう引き合わせたら繋がるのかわから無い連中が、佐々木海人を中心に固まってゆくのが本当に面白い。

 少々真面目に戦争と向き合っている佐々木海人の物語と対をなす、こんな世界だからこそ人生を楽しもうと考えるイカれたふたご”桜子”と”椿子”が結成したパンプキン・ガールズの物語も”応化戦争記”の魅力ではありますが、男ならば少なからず海人のような人生に身をやつしてみたいものだと心の何処かで望んでいるのでは無いでしょうか?背中を預けられる仲間との絆、切っても切れ無い肉親との愛、複雑な男女の素直な情事、悪の定義が曖昧になっても揺るが無い自分のルール。けして望んで戦争に加担したわけでは無いのに、知らず識らずのうちに戦争の中で生きることを望むようになっている主人公は、実に打海文三テイストのハードボイルドを体現した存在でした。実に救い難く格好良い。

 漫画化により、ちょっとキャラが戯け過ぎているように思えるところもありますが、原作のなんとも言え無い物悲しさや後味の悪さを上手く出せているようにも感じ、漫画版らしい要素も徐々に魅力的に受け取れるようになっていきました。要所ではちゃんと原作のセリフが活かされており、それを目にするたび初めて原作を読んだ時の感慨が蘇って来て胸が熱くなります。

 こいつは後でこうなるんだよなぁ、こんなこともあったっけ....と、思い出すたび切なくなるし、図解が多く使われているから戦況が分かり易いのも漫画版の良いところかもしれません。



 思っていた以上に面白い漫画版応化戦争記。裸者と裸者の上下巻分しか漫画されていないのは実に寂しいです。

 パンプキン・ガールズのお話は残念ながら未完でありますが、独自のエンディングをオリジナルで作ることも可能であるし、出版社にやる気があるのならば、我こそはと手を上げてくれる漫画家さんが出て来ることを期待したいですね(=ワ =;)

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