真島太一の憂鬱「ちはやふる 28巻」末次由紀

俺の名前は”真島太一”。

見ての通りイケメンだ。

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しかもただのイケメンじゃなく、勉強もスポーツもサラッとこなす非の打ちどころのないイケメンなのだが、うっかり”かるた”好きの女に惚れてしまったがために、大して好きでも無い”かるた”をやる羽目になってしまった。


俺はただ好きな女の一番輝いてる瞬間を見ていたかった

俺はただ好きな女に頼られたかった

俺はただ好きな女に男として見て貰いたかった


なのにあいつと来たら来る日も来る日もかるたかるたで俺のことなんてお構い無しだ。

しかも二人で良い雰囲気の時にさえ”綿谷 新”の話をし始める。

俺は新のことなんて聴きたくも無いのに....


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俺は”千早”に振られて良かったのかもしれない。

こんな気持ちのままあいつの青春に付き合っていたら、あいつだけじゃなくて”かるた”に対して申し訳無い。





........かるたに対して?


俺にとって”かるた”とはなんだったのだろうか?

始めは千早を新に取られたく無い一心だったが、本当にそれだけだっただろうか?

子供の頃から母親の引いたレールを歩かされ、思えば何一つ満足に自分で選んで来なかった俺が、初めて自分で掴んだ道が”かるた”だったんじゃないのか?

やればやるだけ報われるとは限らない"かるた"は、今までのちょろい遊びとはワケが違った。

千早のような才能は無いし、何度となく運にも見放されるし、兎に角こつこつ練習を積み重ねるしか無い努力の時間が新鮮だった。

なんでもそつなくこなす俺に、”かるた”は赤っ恥をかかせてくれる唯一の存在だったんだ。





かるた部から離れ、ちょろい遊び(勉強)だけをしていると痛いほどそれが分かる。

今頃あいつらは全国大会予選だな。

俺が居なくても千早達なら勝ち上がっていけるだろう....


はぁ、俺は根暗で駄目なイケメンだ。


千早を俺から奪って行く”かるた”が憎いくせに、心の底では生き甲斐をくれた”かるた”を愛してもいる。なのにここでこうして燻っているのだから腰抜けだ。

とうとう新刊では出番も無かったし、ヒョロや母さんは出しゃばるし、俺は一体どうしたら良いんだろう?.....どうしたいんだろう?.....





俺やっぱ、千早が好きだ.....ボソ
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