うつのみこ日誌 弐

 のんびりと2巻の半ばへ到達した宇宙皇子。

 なんと言っても今回は”魚養”と”大津皇子”です。

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※初っ端のカラーページにドーンと格好良い魚養




 本当に久しぶりなので、あぁこんな奴も居たなと思い出しながら読み進めていますが、”小角”のやり方に疑問を感じて金剛山を飛び出した”魚養”に共感し、敵対関係である朝廷で唯一の味方である”大津皇子”と親交を深める宇宙皇子が、またも世の不条理に打ちのめされることとなる場面へ近づいていることだけは、ぼんやりと記憶に残っています。

 宇宙皇子が大人達に抱く「何故?」は、自分の子供の頃を思い出せる人なら大人であっても痛いほど共感出来ることばかりで、いつの世も同じような方便が人々を苦しめているものだと溜息が出てしまいます。こうこうこうだからこうしなければならないと口にする大人達は確かに賢く正しいのかもしれない。けれど、それに対し嫌悪を隠せずにいる人達の言い分にも正しさはあるのです。


 ただ、今の僕は小角達”大人”が口にする道理に酷く頷いてしまう。実生活でも若い者には疎ましく思われるような物言いもしています。僕も昔は「こんな大人にはなりたくないっ!」って思っていたんですけど....

 でもそういった心の変化も至極当然のことで、大きくなった身体に子供服が合わないように、大人に子供の心はフィットしないもの。大人の定義はそれぞれあるだろうけれど、老いは誰にも覆せない物だし、心と表裏一体である身体が変われば心も変化してしまうのです。

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※読書が苦手だった僕は、”いのまたむつみ”さんの挿絵に何度も救われた...




 物事の道理をまだそこまで理解していない子供達が、様々な生い立ちを理由に社会へ切実な問いを抱え、愚直なほど真っ直ぐそれらにぶつかって行く様を読んでいると、懐かしいやら微笑ましいやら、血気盛んだった思春期の自分のことを思い出して感慨深い。こうしたらどうだ?こうあるべきだろう?と、口ばかり動かして実行力の伴わない未熟な自分。あの頃の自分を地中深く埋めてしまいたいな....

 藤川桂介さんの文はどちらかというと脚本テイストなので、皇子と仲間達がすくすく成長する様子やドラマが大きく動く場面が映像的に感じ易く、敷居も低めなので子供達には是非読んで貰いたい。政府が口にするルールと、僕らが必要としているルールとの温度差が限りなく広がってしまった現代なればこそ、宇宙皇子の心境に激しく共感する若者が大勢いることでしょう。 


 そろそろ天上編も復刊させて、ついでにもう一度アニメ化したら良いんじゃないですかね?Д・)

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