初恋の魔法はそうそう解けはしない....「ロードス島戦記 灰色の魔女 1巻」たくま朋正/水野良

自分の干支が何度かぐるぐる回り、いつの間にか自分の誕生日なんて祝えなくなった僕は、兎に角素直に物事を受け入れられないようになりました。

例えば、テレビに撮られている所で誰かが流す涙や、貴方達の為だと押し付けて来るルールであるとか、どちらもそれらしい体裁は整っているが、信じたい嘘に縋っているに過ぎない無いように思えてならない。前者はカメラという視線の先を意識した上で湧き出したナルシシズム、後者は「責任」と言う重荷を下ろす為に自然と働いた自己防衛的方便の産物でしか無いと感じてしまうのです。

そんな僕だから、たくま朋正さんが描くロードス島戦記など素直に読めるわけも無かったのだ...

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水野良さんが2013年に作家デビュー25周年を迎えたと言うことで、そのお祝いの一環として本作も連載が始まったらしいのですが、OVA版でロードスにハマった身としては、あまりにもキャラのイメージが違うので辛いです。

ディードリットの高飛車っぷりは嫌いでは無いけれど、どうにも男性陣に深みを感じ無い。年配のスレインやギムの顔に人生の年輪をそれほど感じ無いし何よりパーンが酷い。OVA版のパーンが血気盛んで勇猛な青年であったなら、たくま版パーンはわんぱくで幼稚で単細胞である。こんな男を、あのディードリットが気に入るだろうか?......

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ロードス島戦記のサーガは今までに何度となくコミックになったものの、山田章博さんの「ファリスの聖女」が最高峰で間違いない。せめて結城信輝さん級の絵力がある方が今回のコミカライズをやって欲しかった。ファリスの聖女を知っているのに、今回のロードスを平気で楽しむ気にはなりません。

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楽しめないなら無理して楽しもうとしなくて良いんじゃない?

そう思わなくも無いのだけど、昔の僕ならきっと楽しめただろうと思えてしまって寂しくなります。”たくま朋正”さんの他の漫画は好きでしたしね。なかなか事実を受け入れるのは難しいものです。


心底同じような物を愛し続けることが出来る人がある意味羨ましい。

きっと受け取る時の変換の仕方が違うのでしょうね。作品が内包するメッセージ以上の何かを添付して吸収し、更にイメージを膨らませる力に富んでいる人だから同じ物を愛せるに違いない。


自分の想像力の乏しさを棚に上げ、送り手へ自分に合わせろと文句を言っても仕方の無いこと。

これからも固定概念にカッチカチに凝り固まって行くのは止められ無いかもしれないかもしれないけれど、なんとか自分の求める物を探索し続けて行きたいものです。




もしも何処にも自分が求める物が無くなったら、その時は自分で自分の望む世界を作ってみたらどうだ?俺よ....

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