イメージを形にする職業に惚れてしまうでしょ?こんなの見せられたら?「ユリ熊嵐」幾原邦彦(監督)

 男同士でもある事だけど、若い女性ほど抜け駆けした者を許さない傾向にあるように思う。

 「私は我慢してるのに」

 家庭で頑張る奥さんも、会社で意地はるOLも、女子校のような特殊なコミュニティで過ごす女の子達だって、こんな風に感情を昂ぶらせたことがあることでしょう。ましてやそれが性的な事他人の幸福であれば、尚更理性が何処かに吹き飛び恨みつらみが行動に出てしまいがちです。



 人間は何故か周りと同じような行動を取らないと落ち着かない生き物。クラスの友達が「ポ◯モン」を遊んでいたら、仲間ハズレにならないようにポ◯モンを遊びたくなるし、直ぐに忘れ去られる芸能人だらけのテレビだって、話題が合わなくなるのを恐れて見てしまう。しかし、よくよく考えると、自分が他の人と違う物に目を向ける人間であって、なんの不都合があるのか? もしかしたら、あるがままの自分を手に入れて、人生で一番幸せになれるチャンスを棒にふっているかもしれないのに。


 アレハイケマセン

 コレハイケマセン

 コレヲタベナサイ

 アレヲタベナサイ


 そうやって幼い頃に刻まれた物が「罪悪感」や「疎外感」への引き金となって、本当の自分を愛す邪魔をする。そんな風に思ったことは無いだろうか?

 ユリ熊嵐は、そうした刷り込みの呪縛に勇気<好き>を持って立ち向かった少女達の物語だったように感じました。



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相思相愛な二人。別れはあっという間である....
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それと時を同じくして現れる怪しすぎる転校生が
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やっぱり熊で可愛すぎる
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 断絶の壁と呼ばれる物で人間と熊を隔てているという本作の世界観では、人間社会に女性しか居ないし、主人公が通う学園と自宅と花壇ばかりのピンポントな空間しか描かれず、相対する人間の天敵熊の世界にしても、何処がどうなっているのか、おとぎ話のように語られるばかりで全貌が見えて来ないから本当にワケが分からないアニメなのだけど、許されない望みに身を焦がす人と獣の切実な想いが僕の中に無理なくするりと入り込んで来るのが面白い作品でした。

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どうやらこの熊の娘と
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主人公は友達だったと分かって来る




 「透明な嵐」「好きを諦めない」「約束のキス」「ユリ承認」など、厨二病だと一言で片付けるのはちょっと乱暴に思える詩的な表現のキャッチーさや、キャラの可愛さと肉感の見せ方も上手く、女の子達の真っ直ぐな好きを前に男女共に楽しめる内容になっていた気がします。不確定なところに振り回されることを楽しんだり、ここ!と決めてハマっていた人も多いことだろう。10人観たら10人とも1番好きな部分が違ったりするかもしれない。イクニアニメのそこがセクシーシャバダドゥ♡

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いつもは人間の姿でユリの承認を行う♂のクマ達





 詩的にぼかしているところはあっても、筋道は実はしっかりしていてドラマ性を高める演出のまとまりもすこぶる良い。方向性が定まらず序盤バタバタしていた「輪るピングドラム」よりもしかしたら好きかもしれません。どちらも可愛くディフォルメした記号を持ち、別次元と思われる場所の階段を降りると決め台詞が待っているという似たような趣向のアニメでしたから、是非とも階段落ち三部作(勝手に命名)として、もう一作半端じゃなく純愛なヤツをぶちかまして欲しいですね。

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そしてまた始まる祝福されぬ絆が....



 深い意味が有りそうで無さそうなのにトータルで伝わって来る「何か」がある幾原邦彦監督作品。次回作がいつかは分からないけれど、次も絶対観ます。

 それにしても、好きは1人じゃ叶わない夢・幻だから愛おしいものですね....





 ( ≡ 3 ≡)。o 0(そのうちイクニアニメのキャラでコラボ作品とかどーですイク兄さん?

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