終焉はいつも安堵と共にある「FRINGE/フリンジ ファイナルシーズン」J・J・エイブラムス/スーパードラマTV

 長らく続いた何かが終わると、寂しいのと同時に「ホッ」とする。

 いつか死ぬことが決まっている僕らだから、終わらない夢の甘美さと恐ろしさを心の底で解っているからかもしれない。




 物語ではよく人が死ぬ。

 誰もが同情を禁じ得ないドラマティックな死もあれば、あまりに一瞬過ぎて何も感じない死もある。ただ死ねば感動するというわけでは無いのだが、一度きりしか引き換えに出来ない命を消費することでの、いつもより余計に回しております!状態を作り出すことは出来る。大事なのは、本当に”この”道しか無かったのか?と、受け手が本気で死んでしまった登場人物を惜しんでくれるように仕立て上げられるかどうかなのです。

 はて?そういう意味でいうと、フリンジはどうだったでしょうか?....






 並大抵の科学では説明出来ない事件を取り扱うFBIのフリンジチームの奮闘を描いた本作は、常識外れな事件同様に登場人物の死に方も普通とは少し違う。顔や体の形状に影響が出るウイルスで死んだり、恐ろしい銃器でめちゃくちゃにされてしまう時もある。少々作り物っぽさはあるが、流石にJ・J・エイブラムスの指揮下にあるだけあってディティールに拘っているから奇抜で結構グロい。

 当然フリンジチームの手を煩わせることになる犯人達も壮絶な死を迎える者が多いわけだが、連中は一様に狂気の中に物悲しさを身に纏っていて、そうせざる得ない哀しい背景という奴をチラつかせてくるから、なんちゃってサイエンスに身を委ねて破滅する彼らを前にレギュラー陣が後味悪そうな表情を浮かべている気持ちが凄く分かりました。


 そんなレギュラー陣にも目を伏せたくなるような壮絶なお別れをした人もいるのですが、次元や時空を超えるSFであることを良いことに、あっさり再登場させてしまうからたまらない。それが1人や2人ならまだしも、ぞろぞろと続くものだから、シーズンを重ねるごとに御都合に染まり、レギュラー陣の命はディスカウントされていった感があります。オリビアにしてもピーターにしても、それぞれが抱える過去は結構な重みがあったにも関わらず、それらの闇が最高潮にあったタイミングで物語を終わらせられなかったのが残念。



  ただ、このドラマの真の主人公と言える”ウォルター・ビショップ”とのベタな別れは心に染みました。自己犠牲って愚かしいのに甘美な味わいで危険ですよね。

 難解な事件解決の為、オリビアが胡散臭いピーターと共にウォルターを迎えに行ったあの時から、真に迫ったイカれ具合と、ほんとに下らないことで無邪気に喜ぶ姿が微笑ましくて彼のことが大好きでした。名前をまともに呼ばないアストリッドとの掛け合い。ラボに不釣り合いな乳牛との戯れ。たいして美味しくないリコリスを満面の笑みで頬張るウォルター。どれも忘れられない光景だ....




 自分の才能に苦しみ続けた天才が、最後に見せた凡庸な罪滅ぼし。

 あなたの瞳には、どう映ったのでしょうね?


IMG_6545.JPG

IMG_6546.JPG
ぐっばいうぉるたぁ.....

この記事へのコメント